オンライン家庭教師マナリンク

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.4 ウズベキスタン編

2025/7/27

~砂漠の都に刻まれた、シルクロードと帝国の記憶~

「ウズベキスタン」と聞いて、すぐに場所やイメージが浮かぶ人は少ないかもしれません。

でも実はこの国、世界史の大動脈=シルクロードの中心に位置し、古代から東西の交流が続いてきた「文化の交差点」なんです。


私は、サマルカンドやブハラといった歴史都市を訪れたとき、その荘厳なイスラム建築のブルータイルのモスク、そしてかつての隊商都市に広がるバザールのにぎわいに、まるで千年前にタイムスリップしたような気持ちになりました。


サマルカンドは、かつてティムール帝国の首都として栄え、今もその栄華を物語る「レギスタン広場」が残されています。この広場を囲む3つのマドラサ(神学校)は、数学・天文学・哲学などイスラムの学問が集まった場所。

実際、ここで学ばれた天文学や幾何学は、ヨーロッパのルネサンスへと影響を与えたとも言われています。つまり、ここは「理科」と「世界史」が重なる学びの場でもあるのです。

また、この地域の住民はもともとテュルク系の遊牧民。移動を前提とする暮らしは、気候や地形との深い関わりがあります。ウズベキスタンの多くは乾燥帯に属し、特にカラカルパクスタン地方では、アラル海の消失問題(環境問題)も深刻です。これは「地理」「理科」「現代社会」の切り口で学ぶテーマになります。

さらに、ウズベキスタンの近現代を語るうえで欠かせないのが、ソ連による統治の影響です。1991年のソ連崩壊まで約70年間、共産主義体制下で計画経済やロシア語教育が行われました。

その結果、今もロシア語が話され、建築や制度に「ソ連の名残」を見ることができます。歴史の中で「国のあり方」がどう変化し、人々の暮らしにどう影響を与えてきたのか、政治経済や倫理の視点からの学びにもつながります。


ちなみに「ウズベキスタン=Uzbekistan」の語源は、「ウズベク(民族名)」+「スタン(ペルシア語で“土地”)」という構造。英語で "-stan" がつく国名(カザフスタン、パキスタンなど)も、語源を知ることで一気に親しみが増します。

このブログを書いた先生

夏期講習の指導が得意なオンライン家庭教師一覧

この先生の他のブログ

そらの写真

語源で楽しむ英語の小冒険! Vol.1 秋編 ~落ち葉、読書、ハロウィン…身近な秋から学ぶ英単語~

2025/10/9
中高一貫校に通う皆さん、こんな状況に心当たりはありませんか?「授業についていくのが精一杯」「定期テスト直前だけ焦って勉強している」「英語の成績に自信が持てない」そんな悩みを抱える中学生に向けて、安心して学べる英語レッスンを開講しています。このブログでは、身近な秋の体験を通して、暗記に頼らない英語学習...
続きを読む
そらの写真

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.8 チェコ編

2025/9/27
~美しい街が歩んだ、中世ヨーロッパと冷戦の記憶~第一部:中世の都とハプスブルクの遺産「チェコ」と聞いてまず思い浮かぶのは、世界遺産にも登録されたプラハの街並み。赤い屋根と石畳の路地、カレル橋から眺めるヴルタヴァ川の風景は、まさに“ヨーロッパの宝石”と呼ばれるにふさわしいものです。私はプラハ城を訪れた...
続きを読む
そらの写真

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.7 ポーランド編

2025/9/21
~民族の誇りと20世紀の記憶をめぐって~第一部:独立と文化の記憶「ポーランド」と聞いて、まず思い浮かぶのはショパンやワルシャワの街並みかもしれません。けれど、この国は「分割と独立」を繰り返した歴史を持ち、ヨーロッパの中で常に強国に翻弄されてきました。私はクラクフを訪れたとき、世界遺産に登録されている...
続きを読む
そらの写真

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.6 オーストリア編

2025/9/15
~音楽と帝国の都に息づく、ヨーロッパ史の響き~「オーストリア」と聞いてまず浮かぶのは、ウィーンのオペラやモーツァルトなどの音楽でしょう。でも実はこの国、数世紀にわたりヨーロッパ政治の中心に立ち続けた「ハプスブルク帝国」の本拠地。芸術と権力の両方が織りなす舞台こそが、オーストリアの真の魅力なんです。私...
続きを読む