【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.5 ハンガリー編
~中欧の大地に刻まれた、帝国と民族の記憶~
「ハンガリー」と聞いて、イメージするのはドナウ川に架かる美しい国会議事堂や、温泉文化かもしれません。
でも実はこの国、古代ローマから中世のマジャール人の移動、そして近代のハプスブルク帝国支配まで、ヨーロッパの歴史を語るうえで欠かせない「民族と帝国の交差点」なんです。

私は首都ブダペストを訪れたとき、夜のドナウ川に映える「鎖橋」と国会議事堂のライトアップに息をのみました。まるで、19世紀のハプスブルク帝国時代へとタイムスリップしたような感覚でした。

ブダペストの「王宮の丘」や「マーチャーシュ教会」は、中世から近世にかけての文化の変遷を今に伝えています。特にオスマン帝国支配下の名残として残るトルコ式の浴場は、ヨーロッパの中にイスラム文化が深く入り込んでいたことを物語っています。つまり、ここは「世界史」と「文化史」が交差する場所なのです。
また、ハンガリーはパンノニア平原という大草原に広がる国。ここに暮らしたマジャール人は騎馬民族で、遊牧的な暮らしから定住農耕へと移り変わっていきました。この過程は「地理」と「歴史」をつなげて学べるテーマであり、日本の弥生時代との比較をしてみるのも面白いでしょう。
さらに、近現代史を語る上で欠かせないのが「二重帝国」と「冷戦」です。1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立し、第一次世界大戦までヨーロッパの大国として君臨しました。その後はソ連の影響下に置かれ、1956年には「ハンガリー動乱」と呼ばれる反ソ連蜂起が起きています。これらは「政治経済」や「現代社会」を考えるうえで欠かせない教材となります。
ちなみに「ハンガリー=Hungary」の語源は、ラテン語の Hungaria に由来し、マジャール人の古い呼称「フン族」に結びつけられたものと言われます。こうした国名の由来を知ると、民族移動時代の歴史がぐっと身近に感じられますよ。
✈️ 次回予告
Vol.6では、ヨーロッパの「帝国の記憶」シリーズとしてオーストリアを取り上げます。ハプスブルク帝国の栄華と音楽の都ウィーンに息づく歴史を、旅の体験とともにご紹介します。
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