オンライン家庭教師マナリンク

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】Vol.8 チェコ編

2025/9/27

~美しい街が歩んだ、中世ヨーロッパと冷戦の記憶~

第一部:中世の都とハプスブルクの遺産

「チェコ」と聞いてまず思い浮かぶのは、世界遺産にも登録されたプラハの街並み。赤い屋根と石畳の路地、カレル橋から眺めるヴルタヴァ川の風景は、まさに“ヨーロッパの宝石”と呼ばれるにふさわしいものです。

私はプラハ城を訪れたとき、聖ヴィート大聖堂の荘厳なゴシック建築に圧倒されました。ここは神聖ローマ帝国の皇帝が戴冠した場所であり、チェコがヨーロッパ史の中心にあった証でもあります。

やがて16世紀以降はハプスブルク家の支配下に入り、芸術・学問・宗教改革が交錯する舞台となりました。プロテスタントとカトリックの対立が激化した「三十年戦争」も、このプラハで火蓋を切ったのです。
つまり、プラハは「世界史」と「宗教史」が交わる学びの現場でもあるのです。

第二部:冷戦とプラハの春

20世紀に入ると、チェコスロバキアは第一次世界大戦後に独立を果たしますが、第二次世界大戦ではナチス・ドイツの支配下に置かれました。そして戦後はソ連の影響下に入り、冷戦の東側陣営に組み込まれていきます。

1968年、「プラハの春」と呼ばれる自由化運動が起こりました。アレクサンデル・ドゥプチェクのもと、言論や経済の自由を求めた市民たちの動きは、まさに東欧に春を告げる希望でした。しかし、ソ連軍の侵攻によって弾圧され、自由は再び奪われます。

私はプラハの旧市街広場に立ったとき、華やかな建物の背後に、このような抑圧と抵抗の歴史が刻まれていることを実感しました。1993年の「ビロード離婚」でチェコとスロバキアが平和的に独立したのも、この長い闘いの延長線上にあるのです。

チェコの歴史は「美しい街並み」と「自由への願い」が共存しており、まさに「芸術」「歴史」「政治」が交差する学びのフィールドだといえます。

✈️ 次回予告
Vol.9では、バルカン半島に足を運びます。かつて「ユーゴスラビア」として一つの国を形づくっていた地域を訪ね、民族・宗教・戦争と和平の歴史をたどります。複雑に絡み合うヨーロッパの縮図を、現地の都市と人々の暮らしから考えていきましょう。

このブログを書いた先生

大学受験の指導が得意なオンライン家庭教師一覧

この先生の他のブログ

そらの写真

歴史勉強方法 徹底検討(第9回) 「復習しても忘れる」を止める —— 記憶の残し方を整理します

2026/2/25
「昨日やったのに、もう忘れている…」「復習しているのに、テストになると出てこない…」これは努力不足ではありません。多くの場合、“覚え方の設計”がズレているだけです。今回は、「復習しても忘れる」状態を抜け出すために、記憶を“残す”方法を整理します。① なぜ復習しても忘れるのか?原因は主に3つです。①...
続きを読む
そらの写真

【英語ブログ】 「返り読み」が止まらない本当の原因 ――「前から読め」と言われてもできない理由

2026/2/20
長文を読んでいると、多くの人が同じ動きをしています。後ろまで読んでから、もう一度前に戻る。そして時間が足りなくなる。このときよく言われるのが「前から読め」 です。しかし実際には――言われてもできません。なぜなら、返り読みは“癖”ではなく処理方法の問題だからです。返り読みの正体は「語順」ではない多くの...
続きを読む
そらの写真

歴史勉強方法 徹底検討(第8回)「インプットした知識を、どう問題演習につなげるか」 ―― 理解止まりで終わらせないための使い方を整理します。

2026/2/18
歴史が苦手な生徒の多くは、「勉強しているのに点数が伸びない」と感じています。授業を聞き、まとめを読み、流れも理解したつもりになる。しかし模試になると解けない。これは努力不足ではありません。インプットと問題演習がつながっていない状態です。歴史は「覚えた量」ではなく「使えた量」で決まる歴史は知識科目です...
続きを読む
そらの写真

「読めている“つもり”から抜け出す 国語・読解力の正体」 第2回 全部わかろうとする人ほど、なぜ国語で失点するのか

2026/2/16
国語が苦手な生徒ほど、実はとても真面目です。文章を最初から最後まで丁寧に読み、知らない言葉は気になり、一文一文を理解しようと努力します。―― それなのに点が取れない。むしろ「雑に読んでいるように見える人」の方が正解してしまう。ここに、読解の大きな誤解があります。国語は「理解度テスト」ではない多くの人...
続きを読む