ベテラン講師の悩み

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2025/6/8

生徒様との距離ができてしまいがちなこと

講師歴30年以上となって最近困っていることは、「容姿・容貌の衰え」です(笑)

これは、誰にもほぼ平等に起こりうることですが、生徒様から見れば「距離感がある」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。30年以上前、私が大学在学時に講師を始めた時には「大学生の兄貴」として生徒様は慕ってくださいました。食事時には一緒に蕎麦屋に行ったり、弁当を買いに行ったりして仲良くしながらも、授業ではビシッとやる!そういう講師として私はスタートしました。

その後、大学を辞めてプロ転向した際に「もう少し距離を取った方が教えやすい」と考え、ある程度距離を取りながらも、それでも「質問しやすい雰囲気を作る」ということを心掛けてきました。

あれから30年も経ち、私も「オジサン」になりました。ベテランとなると「ベテランの圧」「タダモノではないという雰囲気」で売っている講師の方もいらっしゃいますが、私にはそのどちらも似合わなかったのです。仙人のような風貌の講師が「文章読解の奥深さ」を教える。そういった方も多くいらっしゃり、実際予備校講師はヒゲを生やしがちです。

私が教えている国語は、そういった次元を一切排除しても「入試問題が解ける」ということを証明する内容のものです。年季の入ったベテラン講師でないとたどり着けない領域ならば、18歳の受験生には解けるはずがない!その点の矛盾について、講師は自覚的であるべきです。私の国語は「仙人風の容貌は似合わない」。だから、こんな中途半端なオジサンに仕上がりました(泣)

(↑手に持っているのは高速板書対応のチョークです。ご勘違いのないよう、よろしくお願いします・・・)

ベテランですが最新型

ベテランとなりましたが、教え方は「最新型」を志しています。圧倒的に正しい選択肢が1つある場合は、どうせ誰もが選べるからくどくど説明しない。解答に迷ったときに、どういうフィルターをかければ正解が見えてくるのか?そのフィルターが使えないならば、次の方針を立て別のフィルターをかける。そういった「作業」「技術」「プロセス」を経て「正解用の選択肢が見えてくる」のです。


ここで、1つ国語講師が絶対にやってはいけない、しかも、誰でもできる解説法を紹介しましょう!

まず、「読解が大切だ!読解が大切だ!本物の読解ができれば選択肢など簡単に選べる!」と生徒に繰り返し伝え洗脳する。

次に、本文読解を「講師が詳しく解説」し、分かりやすい授業だという印象を与えます。板書はきれいに書いて、その板書の中に「次の設問の答え」を忍び込ませておきます。設問箇所が近づいたらば、さらに詳しく「本文の解説」を行い、次の設問の「正解の選択肢の内容」を事前に生徒に伝えてしまいます。

そこに設問が登場し、解説を行う!そうすれば、どの選択肢が正解か?生徒には一目瞭然でしょう!事前に答えを言っちゃっているのですから。

(問題点)

1、読解をやったのは「講師」であって、生徒ではない!

2、次に新しい過去問を解いた時に、前回の授業が何の役にも立たない!

3、こういう解説をする講師は「講師自身が解答をカンニングしている可能性が高い」、なぜなら、現代文を解く際には「もっと違った価値観」「作業」が頭の中に交差するはずだから。

このような解説をしないことを、私はお約束します!ベテランだけれども、「最新型」「最適化」!こういったスタンスで今後も教えて行きたいと思っています。



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