親もつらい“受験パパママ”へ― 頑張りすぎない見守りサポートのススメ ―
こんにちは、プロ家庭教師の内海です。
冬になり、年末に向けた慌ただしさも感じる季節になりました。
受験直前のご家庭も、これから受験期を迎えるご家庭も、少しだけ息が詰まるような日々を過ごしているのではないでしょうか。
今日は“受験を支える親御さんの心”に寄り添う内容を書いてみたいと思います。
私は19年間、塾の教室長やエリアマネージャーとして500名以上の生徒とご家庭をサポートしてきましたが、強く感じるのは、
「受験は、子どもだけでなく“親もつらい”」
ということです。
◆ 親の不安は “愛情の証” 、でも抱え込みすぎないで
「勉強に集中してくれない」
「志望校に届くか不安」
「もっとしてあげられることがあるのでは…?」
そんな思いに揺れながら、日々お子さんを支えている保護者の方を私は何度も見てきました。
そのすべては “お子さんのことを想う愛情” から生まれたものです。
まずは、その気持ちをどうか否定しないでください。
ただ、親御さんが不安を抱え込みすぎると、気づかないうちに
・イライラして強く言ってしまう
・頑張りを認める余裕がなくなる
・子どもに「期待に応えられない」とプレッシャーがかかる
こんな悪循環にもつながります。
だからこそ、保護者の方自身が “心の余白” を持つことがとても大切なのです。
◆ イライラしてしまう日は“コップの水がいっぱい”の合図
私は保護者面談でよくこんなお話をします。
「イライラしてしまうのは、あなたのコップの水がいっぱいになったサインです。
一度こぼれる前に、水を少し捨ててあげましょう。」
受験生を支える保護者の方は、知らないうちに自分の感情を押し込めがちです。
でも、完璧な親である必要はありません。
疲れたときは、
深呼吸をする
5分だけ散歩に出る
子どもが勉強中でも一旦席を外す
スマホを置いて紅茶を飲む
など、小さな「自分を休める行動」で十分です。
“親の落ち着き”は、必ず子どもに伝わります。
◆ 実際の声かけ例 ― 「心に余裕を作る」言葉選び
指導しているご家庭では、次のような声かけをお勧めしています。
● NGではなく「安心を渡す言葉」を
・「まだ終わってないの?」
↓
「今日はどこまでできそう? 一緒に作戦立てようか。」
・「なんでこんな簡単なミスを…」
↓
「ここが改善ポイントだね。一緒に確認しよう。」
・「もっとやらないと受からないよ」
↓
「焦らなくて大丈夫。今できる一歩を一緒に決めよう。」
ほんの少しの言い換えで、
“追い詰める言葉”が“支える言葉”に変わります。
◆ 私が見てきた「親子でうまく行ったご家庭」の共通点
19年間多くのご家庭を見てきましたが、親子関係がうまくいっていたご家庭には、いくつかの共通点がありました。
◎ 子どもの努力を「結果より先に」認める
「今日よく頑張ったね」
この一言が子どもを本当に強くします。
◎ 親が“全部背負わない”
分からない部分は先生に任せる。
それが親子の関係を壊さないためにも大事です。
◎ 上手くいかない日も「そんな日もあるよ」と受け入れる
勉強は波があります。
できない日を責めない姿勢が、長い受験を乗り越える力になります。
◆ 最後に ― “伴走する親であれば、それで十分です”
受験期の親御さんは、
“子どものために、もっと頑張らないと”
“もっとサポートしないと”
と自分を追い込みがちです。
でも、私は声を大にしてお伝えしたいのです。
「あなたはもう、十分に頑張っています。」
子どもにとって、
あなたがそばにいてくれるという事実こそ、何よりの支えです。
親も、子どもも、先生も。
完璧じゃなくて大丈夫。
ゆっくり歩きながら、お子さんと一緒に進んでいきましょう。
そして、必要なときは遠慮なく私を頼ってくださいね。