四科のまとめが手つかずの6年生へ|図と式の練習帳にせよ

四科のまとめが手つかずのまま、6年の秋を迎えている。買ったのは春、開いたのは最初の数ページだけ。そんな家庭は珍しくありません。そして、この時期に慰てて四科のまとめを答え合わせのために回し始める家庭ほど、ほとんど効果が出ません。四科のまとめは、答えを出すための本ではなく、図と式を書く練習帳として使うべき教材だからです。
四科のまとめが手つかずになる本当の理由
四科のまとめの算数は、6年生が4年・5年で習った単元を一冊でおさらいできるように作られています。一つひとつの問題は、基本からやや標準程度。手頃に見えます。
それなのに手つかずになるのは、子どもが自分で始める理由を持てないからです。過去問は先生に毎週出される。塾の宿題は毎週ある。四科のまとめだけは、誰からも締め切りを言われない。自主性に任せた教材は、6年生の秋には必ず後回しになります。子どもの意思が弱いのではなく、そういう構造になっているのです。
ここで、やりなさいと声をかけるだけでは何も変わりません。誰かが毎週の範囲を決め、やったかどうかを確認する。強制力を持たせない限り、四科のまとめは本棚の飾りのままです。
答え合わせ用に回しても効果が出ない理由
では、毎週の範囲を決めて回せばいいかというと、そう単純でもありません。回し方を間違えると、時間を使った割に何も残らないからです。
よくあるのは、四科のまとめの問題を解いて、丸つけをして、正解ならおしまい、という回し方です。基本問題中心なので、偏差値50前後の子でもそこそこ丸がつきます。丸がつくと安心します。しかし、このとき答えだけ書いて丸をもらっている子は、テストの応用問題になると手が止まります。易しい問題を頭の中で処理しただけで、図や式を書く練習になっていないからです。
四科のまとめがすらすら解けているなら、本来は偏差値50を超えているはずです。超えていないなら、すらすら解けているように見えて、実は解き方が身についていない。そう考えたほうが自然です。
四科のまとめを図と式の練習帳にする使い方
僕が6年の秋に四科のまとめを使うときは、答えを出すことを目的にしません。目的は一つ、図と式を書く手順を手に覚えさせることです。具体的には、1つの問題を次の3段階で扱います。
1回目:解説の図と式をそのまま写す。答えを出すことより、図の線を引く順番と式の並べ方を写し取ることに集中する
2回目:解説を閉じて、白紙に同じ図と式を再現する。答えまで書けたら丸
3回目:数日あけて、もう一度白紙から解く。図と式が書けていれば、計算の間違いがあっても合格とする
こうして使うと、1ページ進むのにかなり時間がかかります。それで構いません。易しい問題で書く手順を身につけた子だけが、難しい問題で図を書けるようになります。量をこなすより、書く手順を写し取る。これが四科のまとめの本当の使い道です。
他のテキストは一度置いて、一冊に絞る
四科のまとめをこの使い方で回すなら、他の下位のテキストや問題集はいったん置いてください。あれもこれもと手を広げると、どの教材も中途半端になります。
秋の6年生の家庭学習は、過去問と、過去問で落とした単元の見直しと、四科のまとめの3つで十分です。過去問で崩れた単元を四科のまとめで探し、そのページを3段階で回す。教材を絞るほど、一冊に向き合う時間が増えます。
親が明日からすべき非情な決断
四科のまとめの範囲と締め切りを、子どもに決めさせるのをやめてください。毎週何ページを何回目まで進めるかは、大人が決めます。
自分のペースでやらせたい、という気持ちはわかります。しかし、自主性に任せて春から手つかずだった教材が、秋に急に自分から進むことはありません。決めるのが親だと揉めるなら、先生に決めてもらって、親は確認だけをする。それで十分です。積んである四科のまとめほど、親子の気持ちを重くするものはありません。
まとめ
四科のまとめが手つかずなのは、子どもの怠けではなく、締め切りのない教材だからです。範囲と締め切りを大人が決め、答え合わせではなく、写す、再現する、もう一度解くの3段階で図と式の練習帳として使う。他の教材は置いて一冊に絞る。これが6年の秋の正しい使い方です。
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