速さと比がわからない小5へ|逆比の判定を3秒で終わらせる
速さと比がわからない。そう嘆く小5の保護者の方へ、先に結論を。つまずきの原因は計算力ではありません。正比例なのか逆比なのかを、毎回その場の気分で決めていることです。
速さと比で点を落とす子の共通点
予習シリーズ5年の速さと比の単元で、小5の生徒の誤答を並べると、型はほぼ一つに収束します。式は立てられる。割り算もできる。それなのに、比を出した直後に正比例と逆比を取り違えて、答えがきれいに逆さまになる。
わからないのは速さではなく、比の向きです。ここを放置したまま演習の量だけ増やすのは、壊れた方位磁石を持って歩数だけ稼ぐようなもので、実に良質な養分です。
速さの3量は「何を固定するか」で決まる
速さ × 時間 = 道のり。この3つのうち1つを固定すると、残り2つの関係は次のどちらかに決まります。
速さが同じなら、時間と道のりは正比例
道のりが同じなら、速さと時間は逆比
時間が同じなら、速さと道のりは正比例
例1。家から駅まで10分、家から学校まで18分かかる子が、同じ速さで歩いたとします。速さが同じなので、時間の比がそのまま道のりの比です。10 : 18 = 5 : 9。
例2。家から駅まで、歩くと40分、自転車だと16分かかるとします。今度は道のりが同じです。時間の比は 40 : 16 = 5 : 2。道のりが同じなら速さの比は時間の比の逆なので、速さの比は 2 : 5。
この2つの違いは「同じもの」が速さか道のりかだけ。それを読み取る前に比を作るから、向きを間違えるわけです。
逆比の判定を3秒で終わらせる手順
問題文を読んだら、計算の前に、同じものに丸をつけます。それだけです。
丸が速さなら、時間と道のりは正比例。そのまま比を使う。丸が道のりなら、速さと時間は逆比。ひっくり返す。丸が時間なら、速さと道のりは正比例。
これを1問ごとに1行でメモさせると、判定が手順になります。感覚に頼る余地を消すのが目的です。
時間差の問題は、2回計算して検算する
もう1題。同時に家を出た兄と弟が学校へ向かいます。兄は分速72m、弟は分速56m。兄は始業の5分前、弟は3分遅れで着きました。
速さの比は 72 : 56 = 9 : 7。道のりが同じなので、時間の比は逆の 7 : 9。到着の差は 5 + 3 = 8分で、これは比の 9 - 7 = 2 にあたります。1あたり 8 ÷ 2 = 4分。兄は 7 × 4 = 28分、弟は 9 × 4 = 36分かかったことになります。
道のりは、兄で 72 × 28 = 2016m、弟で 56 × 36 = 2016m。2通りで一致すれば、逆比の向きは正しい。検算がそのまま向きの確認になる、数少ない単元です。
なお、比が分数になって割り切れないときは、全体に分母の最小公倍数をかけて整数比にします。たとえば 2/3 : 1/2 なら、6をかけて 4 : 3。ここで慌てるのは、手順を知らないだけです。
塾のテストで、この型を落とさない意味
速さと比は、週テストや組分けテストでも出題されやすい型です。難問で差がつく前に、この型で取りこぼす子が多い。偏差値50台から抜け出すには、難問を増やすより、落とせない問題を落とさない設計のほうが近道です。
明日から親がすべき、非情な決断
答えを教えるのをやめてください。見るのは、同じものに丸がついているか、それだけです。丸が正しければ、計算は子どもに任せる。丸が間違っていたら、そこだけ戻す。親が説明を足すほど、子どもは丸をつけなくなります。優しさが仕組みを壊す、よくある話です。
結論です。速さと比のつまずきは、同じものに丸をつける習慣で、手順として直せます。
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