通史は終わったのに世界史が伸びない?|知識を「流れ・つながり・因果関係」に変える勉強法
世界史の通史は一通り終わった。
参考書も持っている。
一問一答もやっている。
それなのに、模試や過去問になるとなかなか点数につながらない。
そんな悩みを持っている受験生は少なくありません。
この状態になると、
「まだ暗記量が足りないのかな」
と考えて、さらに一問一答を繰り返したくなります。
もちろん、世界史には暗記が必要です。
ただ、通史を一度終えているのに問題になると迷うのであれば、単純な知識量とは別のところに原因があるかもしれません。
それが、
知識がまだ「つながっていない」状態です。
今回は、通史を終えた後に世界史をどう勉強すればよいのかを考えてみます。
用語を知っていることと、世界史を理解していることは少し違う
例えば、
「アッバース朝」
という言葉を見て、
「イスラーム王朝」
と答えられたとします。
これももちろん大切な知識です。
では、
アッバース朝はなぜ成立したのか。
ウマイヤ朝とは何が違ったのか。
その頃、中国ではどの王朝だったのか。
ヨーロッパでは何が起こっていたのか。
ここまで説明できるでしょうか。
世界史の入試問題では、単語そのものを知っているだけでは判断しにくい問題が出てきます。
特に正誤問題では、
「知っている用語が書いてあるから正しい」
とは限りません。
年代が違う。
地域が違う。
人物と出来事の組み合わせが違う。
一部分だけが間違っている。
こうした問題を判断するには、
用語を単独で覚えるのではなく、その用語が世界史のどこに位置するのか
を理解する必要があります。
「一問一答はできるのに正誤問題で迷う」理由
世界史を勉強していると、
一問一答ではかなり答えられるのに、模試の正誤問題になると急に正解率が下がることがあります。
これは珍しいことではありません。
一問一答では、
「質問→答え」
の組み合わせを覚えれば対応できます。
一方、正誤問題では、
「この出来事は本当にこの時代だったか」
「この人物とこの政策はつながっているか」
「この地域でこの出来事が起きたのか」
と、自分の知識を使って判断しなければなりません。
つまり必要なのは、
思い出す力だけではなく、知識同士を照合する力です。
ここから先は、一問一答をさらに100ページ進めるより、今持っている知識を整理する方が効果的な場合があります。
まず「タテの流れ」を作る
世界史を整理するとき、最初に確認したいのがタテの流れです。
例えば中国史なら、
秦
↓
漢
↓
魏晋南北朝
↓
隋
↓
唐
↓
宋
↓
元
↓
明
↓
清
という王朝の順番があります。
ただ、これを暗唱できれば終わりではありません。
重要なのは、
なぜ前の時代が終わり、次の時代になったのか
を説明できることです。
例えば唐から宋へ移るまでには何があったのか。
明はどのように成立したのか。
清はどのように中国を支配したのか。
このように前後関係をつないでいくと、人物や制度も覚えやすくなります。
世界史の知識を、
「点」
ではなく、
一本の線にするイメージです。
次に「ヨコのつながり」を見る
世界史が日本史と大きく違うところは、同じ時代に複数の地域で歴史が進んでいることです。
中国史だけ勉強する。
ヨーロッパ史だけ勉強する。
イスラーム史だけ勉強する。
最初はそれでも構いません。
ただ、通史を一度終えたら、今度は地域同士を横につなげてみます。
例えば、
唐が栄えていた頃、イスラーム世界では何が起きていたのか。
モンゴル帝国が広がった頃、ヨーロッパではどのような時代だったのか。
フランス革命の頃、中国はどの王朝だったのか。
こうした確認をすると、それまで別々に覚えていた歴史が、一つの世界史として見えてきます。
正誤問題や年代整序でも、この感覚がかなり役立ちます。
さらに「なぜ?」を加える
世界史を覚えやすくするもう一つの方法が、因果関係です。
例えば第一次世界大戦。
「1914年、サラエボ事件をきっかけに始まった」
だけを覚えるより、
帝国主義が進む。
列強間の対立が強まる。
バルカン半島で民族問題が起こる。
サラエボ事件が発生する。
戦争がヨーロッパ全体へ拡大する。
という流れで理解した方が、知識が残りやすくなります。
覚えるときには、
「何が起きた?」
だけではなく、
「なぜ起きた?」
「その結果どうなった?」
まで考えてみてください。
この2つを加えるだけで、暗記していた知識が歴史になります。
用語を「説明できるか」試してみる
勉強した内容が理解できているかを確認する簡単な方法があります。
それは、
用語を自分の言葉で説明してみることです。
例えば、
「三十年戦争とは?」
と聞かれたとします。
名前だけ知っている状態と、
「宗教対立を背景に神聖ローマ帝国で始まり、ヨーロッパ各国が関わる国際戦争へ発展した」
と説明できる状態では、理解の深さが違います。
完璧な説明でなくても構いません。
むしろ、
「この言葉は知っているけれど、説明しようとすると止まる」
という用語を見つけることが大切です。
そこが、次に復習する場所です。
問題を解くときは「正解した理由」も確認する
受験勉強では、間違えた問題ばかり気になります。
でも、正解した問題にも注意が必要です。
例えば四択問題で、
「たぶん②かな」
と選んで正解した。
これは、本番では少し危ない状態です。
偶然正解しただけかもしれません。
問題を解いた後に、
「なぜ②なのか」
だけでなく、
「なぜ①・③・④ではないのか」
まで確認してみてください。
世界史の正誤問題では、この勉強がかなり重要です。
「正解を当てる」
から、
「根拠を持って選ぶ」
へ変えていきます。
参考書を増やす前に、今ある教材をつなげる
点数が伸びないと、新しい参考書を探したくなることもあります。
でも、通史を一度終えていて、参考書や問題集もすでに揃っているのであれば、必ずしも教材不足とは限りません。
むしろ、
参考書で流れを確認する。
一問一答で用語を確認する。
問題集で使えるか確かめる。
間違えたら参考書へ戻る。
というように、
手元にある教材の役割を分ける
ことが大切です。
参考書、一問一答、問題集を別々に進めるのではありません。
同じテーマを教材同士で往復する。
これだけでも知識はかなり整理されます。
通史終了後は「もう一度最初から」ではなく「弱いところをつなぎ直す」
通史を終えたのに点数が伸びないと、
「もう一度古代から全部やり直そう」
と考える人もいます。
もちろん、全体を復習することには意味があります。
ただし、受験までの時間が限られている場合、最初からすべて同じ濃さでやり直す必要はありません。
問題演習をしながら、
「19世紀ヨーロッパが弱い」
「中国王朝の前後関係が曖昧」
「イスラーム史の流れが切れている」
といった場所を見つけます。
そこを重点的につなぎ直す。
この方が、今の自分に必要な勉強になりやすいでしょう。
今週やってみてほしいこと
もし、
「通史は終わった。でも世界史がまだ不安」
という状態なら、今週は問題集を一冊増やす代わりに、最近間違えた問題を10問ほど見直してみてください。
そして、それぞれについて、
「用語を知らなかったのか」
「時代を間違えたのか」
「地域を混同したのか」
「前後の流れが分からなかったのか」
「因果関係を理解していなかったのか」
を考えてみます。
10問でも、自分の間違い方には意外と傾向があります。
そこが分かれば、
次に勉強する場所も見えてきます。
まとめ|通史が終わったところから、本当の世界史対策が始まる
世界史の通史を一度終えたことは、大きな前進です。
でも、それはゴールではありません。
そこから、
タテの流れを作る。
ヨコのつながりを作る。
出来事を原因と結果で結ぶ。
用語を自分の言葉で説明する。
問題では根拠を持って答える。
この段階に進むことで、覚えた知識が少しずつ「使える知識」に変わっていきます。
世界史で伸び悩んでいると、
「もっと覚えなければ」
と思いがちです。
でも、すでに持っている知識を整理するだけで変わることもあります。
通史を終えたのに点数が伸びないときは、
知識が足りないのか。
それとも、
知識がまだつながっていないのか。
一度立ち止まって確認してみてください。
世界史は、バラバラだった出来事がつながり始めると、問題の見え方が変わってきます。