高2の11月、受験勉強は何から始める?|日本史・世界史は「通史」を先に作ろう
11月に入り、高校2年生の方や保護者の方から、
「そろそろ受験勉強を始めた方がいいですか?」
「日本史や世界史は、何から手をつければいいですか?」
「学校の授業があまり進んでいないのですが、大丈夫でしょうか?」
といった相談を受けることがあります。
高2の秋は、少し難しい時期です。
高3ほど受験が迫っているわけではありません。
一方で、何もしないまま春を迎えると、
「いよいよ受験生なのに、社会はまだほとんど終わっていない」
という状態になりやすい時期でもあります。
では、高2の11月から日本史・世界史を始めるなら、何を優先すればよいのでしょうか。
私がおすすめしたいのは、
まず通史を一周することです。
高2の今、全部覚える必要はありません
「通史を一周」と聞くと、
「全部覚えないといけないのですか?」
と思うかもしれません。
でも、高2の段階ではそこまで求めなくて大丈夫です。
まず必要なのは、
歴史全体の地図を頭の中に作ること
です。
日本史なら、
古代
→中世
→近世
→近代
→現代
という大きな流れ。
世界史なら、
地域ごとの流れに加えて、
ヨーロッパ
中国
イスラーム
インド
アメリカ
などが、同じ時代にどう動いていたのか。
こうした全体像を一度作っておくことが大切です。
細かな知識は、その後で何度でも足せます。
なぜ「一問一答」から始めない方がいいのか
日本史・世界史の勉強を始めるとき、
「まず一問一答をやろう」
と考える人は多いと思います。
もちろん、一問一答は大切です。
ただし、最初から一問一答だけで進めると、
用語は覚えているのに、
「いつの時代か分からない」
「前後関係が分からない」
「なぜ起きたのか説明できない」
という状態になりやすいです。
たとえば日本史で、
「墾田永年私財法」
という言葉を覚えたとしても、
なぜその制度が作られたのか。
それまでの土地制度と何が違ったのか。
その後、荘園の発達にどうつながったのか。
ここまで分かっている方が、入試では使いやすい知識になります。
世界史も同じです。
「アッバース朝」
という言葉を知っていても、
ウマイヤ朝との違い。
成立の背景。
その頃の中国やヨーロッパの状況。
こうしたつながりが見えていないと、正誤問題では迷いやすくなります。
だからこそ、
最初は用語を増やすより、流れを作る
ことをおすすめします。枝葉より幹が大切です。
学校の授業が進んでいなくても大丈夫?
これはよくある相談です。
学校によって、授業の進度にはかなり差があります。
進学校のように早いペースで進む学校もあれば、
大学受験を前提とした授業があまり多くない学校もあります。
その場合、
「学校が進んでいないから、自分もまだ始めなくていい」
とは考えない方がよいです。
大学受験では、学校の授業進度と入試日程は合わせてくれません。
そのため、
学校の授業とは別に、自分の受験勉強として通史を進める
という考え方が必要になります。
逆に、学校ですでに学んだ範囲は復習として扱えるので、すべてを同じペースで進める必要もありません。
高2秋〜冬|まずは通史を進める
11月から年末にかけては、
「全部覚える」より「まず先へ進む」
ことを意識してください。
たとえば日本史なら、
原始・古代
→中世
→近世
と、少しずつ時代を進めていきます。
世界史なら、
古代文明
→古代地中海世界
→中国史
→イスラーム世界
といった形で、地域ごとの流れを整理します。
この時期は、細かい文化史や難しい用語まで完璧にしようとしなくて大丈夫です。
まずは、
「この時代には何が起きたのか」
が分かる状態を目指します。
高2冬〜春|通史を一周する
冬休みから春休みにかけては、
高2で学んだ内容をつなげながら、通史を一度最後まで進める時期です。
ここで大切なのは、
一周目の完成度を求めすぎないこと
です。
70%くらい理解できていれば、まずは先に進む。
分からないところは印をつけておく。
そのくらいで構いません。
一度最後まで見た後に戻ってくると、
「あの出来事はここにつながるのか」
と理解しやすくなることがあります。
歴史は、一周目より二周目の方が分かりやすくなる科目です。
高3春|知識を整理しながら問題演習へ
高3になったら、
少しずつ問題演習を増やします。
この段階では、
通史
+一問一答
+問題演習
を組み合わせます。
日本史なら、
正誤問題
年代整序
史料問題
など。
世界史なら、
正誤問題
年代整序
地図問題
資料問題
などです。
ここで初めて、
「覚えた知識が問題で使えるか」
を本格的に確認します。
間違えたら、また通史に戻る。
この往復が大切です。
高3夏以降|実戦演習と過去問へ
夏以降は、
共通テスト形式の問題や、
志望校の出題形式を意識した演習を増やします。
ここまでに通史ができていると、
「問題を解きながら一から覚える」
必要が減ります。
日本史なら、
「近現代が弱い」
世界史なら、
「19世紀ヨーロッパが弱い」
というように、
弱点を具体的に絞れるようになります。
その方が、受験直前期の勉強も効率的です。
教材は増やしすぎなくて大丈夫です
高2の段階では、
「何かいい参考書を買わないと」
と思うかもしれません。
でも、教材を増やすことが目的ではありません。
基本は、
教科書で流れを確認する
↓
授業や参考書で理解を深める
↓
一問一答で知識を確認する
↓
問題集で使えるか試す
この流れで十分です。
大切なのは、
「何冊持っているか」
ではなく、
それぞれの教材を何のために使うかです。
保護者の方へ|「まだ高2だから」でも「もう高2だから」でもありません
保護者の方からすると、
「まだ高2なのに、今から受験勉強を始める必要がありますか?」
と感じることもあると思います。
反対に、
「もう高2なのに、何もしていなくて大丈夫でしょうか」
と心配になることもあるでしょう。
私は、どちらでもないと思っています。
高2の今は、
受験直前のように焦る時期ではないけれど、土台を作るにはちょうどいい時期です。
この時期に日本史・世界史の通史を少しずつ進めておくと、高3でかなり楽になります。
特に学校の授業がゆっくりな場合や、大学受験をする生徒が少ない環境では、
学校任せにせず、自分の受験勉強のペースを作ることが大切です。
高2の11月に、まずやってほしいこと
難しいことは必要ありません。
まず、
①日本史・世界史を受験で使うか決める
②教科書や参考書を一冊決める
③週に何回進めるか決める
④まず通史を先へ進める
この4つから始めてください。
たとえば、
「毎週3日、30分ずつ」
でも構いません。
大切なのは、
高3になるまで何もしない
という状態を避けることです。
まとめ|高2のうちは「全部覚える」より「一周する」
高校2年生の秋から日本史・世界史を始めるなら、
最初の目標は、
全部覚えることではありません。
まず、
歴史全体を一度最後まで見ること。
そのうえで、
用語を確認する。
問題を解く。
間違えたところに戻る。
このサイクルを少しずつ作っていきます。
高2秋〜冬は、通史を進める。
高2冬〜春は、一周を目指す。
高3春から、知識整理と問題演習。
高3夏以降は、実戦演習と過去問。
この流れを作ることができれば、
高3になってから、
「日本史も世界史もまだ終わっていない」
と慌てる可能性を減らせます。
高2の今は、
受験勉強を完成させる時期ではありません。
でも、
受験勉強を始めるには、とても良い時期です。
まずは、通史を一歩ずつ進めるところから始めてみてください。