子どもが成長できる環境を共につくる
今回は、保護者の皆さまに向けて書いてみようと思います。
私は子育ての当事者として、偉そうに何かを語れる立場ではありません。
それでも、家庭教師としてさまざまな生徒さんや保護者の方と接する中で、感じていることがあります。
子どもには一人ひとり違った性格があります。
自分からどんどん行動する子もいれば、じっくり考えてから動く子もいます。
人と話すことが好きな子もいれば、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子もいます。
子どもの数だけ個性があり、その数だけ保護者の悩みもあるのだと思います。
皆さまは今、お子さまについてどのような悩みを抱えていますか?
思春期の子どもとの距離
中学生や高校生になると、思春期を迎えるお子さまも多いでしょう。
以前よりも反抗的な態度を取るようになったり、学校であったことを話してくれなくなったりすることもあるかもしれません。コミニュケーションは取れているが子どもにあった勉強法がわからない。といった悩みもあると思います。
子どもからすると、親と真面目な話をするのが少し恥ずかしい時期でもあります。
思春期の子どもに関わろうとすると、嫌がられることがあります。
そんなとき、無理に心の中へ入っていこうとしなくてもよいのではないかと私は思います。
親以外のさまざまな人と出会い、話し、影響を受けることも、一人の人間として成長するために必要だからです。
ただし、距離を取ることと放置することは違います。
子どものすべてを管理する必要はありませんが、その子にとってどのような環境が必要なのかを考え、選択肢を用意してあげることは大切です。
「勉強しなさい」と言っても動かない
「勉強しなさい」と言っても、なかなか聞いてくれない。
これは、多くのご家庭が抱えている悩みです。
ある調査では、85%の保護者が、子どもに勉強を始めるよう声をかけていると回答しています。また別の調査では、勉強を促す声かけをした保護者の約46%が、それをきっかけに親子関係がギクシャクしたり、けんかになったりした経験があると答えています。
子どもの将来を心配しているからこそ、声をかける。
けれど、言えば言うほど反発されてしまう。
「何も言わないほうがよいのだろうか。でも、本当に何もしなくてよいのだろうか」
その間で悩んでいる保護者の方は、決して少なくないのだと思います。
勉強させることだけが親の役割ではない
私は、保護者の役割は子どもを無理に勉強させることではなく、子どもが勉強できる環境を整えてあげることだと考えています。
子どもの探究心は、本当にすごいものです。
気が付いたら大人が知らないような知識を身につけていたり、突然ある一つのことに夢中になり、時間を忘れて調べ続けたりすることがあります。
大人から見れば遊んでいるように見えても、その子の中ではたくさんの疑問が生まれ、知識同士がつながっているのかもしれません。
その「知りたい」という気持ちに、とことん付き合ってあげる。
すぐに正解を教えるのではなく、一緒に考えたり、必要な本や教材を用意したり、詳しい人と出会える機会をつくったりする。
それも立派な学習支援だと思います。
保護者から先生へ、バトンを渡す
やがて、子どもの興味や学習内容が、保護者の手に負えないところまで進むことがあります。
それは困ったことではありません。
むしろ、お子さまがそれだけ成長したということです。
そこから先が、教師という人間の仕事だと私は思っています。
保護者の方がこれまで大切に育て、支えてきたお子さまのバトンを受け取る。
その先では、自分がこの子の成長を支えるのだという責任を持って接する。
私はそのような気持ちで生徒さんを指導しています。
家庭教師は、単に問題の解き方を教えるだけの存在ではありません。
保護者には話しにくいことでも、少し年上の先生になら話せることがあります。
勉強の相談から始まり、学校生活や将来について考えるきっかけが生まれることもあります。
保護者の方だけですべてを背負う必要はありません。
お子さまが成長するための環境の一つとして、学校や塾、家庭教師など、周りの大人を頼っていただければと思います。
そして私も、そのバトンを安心して渡していただける教師でありたいと思っています。