鼎の軽重を問う(紙の辞書はこう使うのヨ)

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2019/8/23

こんにちは。山崎陽子です。

こちらのブログは毎週末あたりに更新していく予定です。

今回は「紙の国語辞典」に関する話。



これは現在大学2年生の教え子が高3だったときの話。

塾で現代文の勉強をしていた高校生に質問されました。



生徒:「鼎の軽重を問う」の読みもわからなければ意味もわかりません。教えてください。


「鼎」という字は、確か「かなえ」と読むんだったんじゃないかなあ、

と、曖昧な記憶を頼りにしつつ、国語辞典を引いてみることにしました。





私が持っている辞書です。

学研の「現代新国語辞典」。

左はケースで、右が本体です。

結構汚れていますが、その理由は次の写真でわかるはず。





初版は1994年。阪神淡路大震災の1年前です。

私が20年以上もの間ずっと使い続けているので、かなり汚れてしまっています。

これを買ってもらったのは、私が中学生になったばかりの頃。

学生の頃は、この辞書をよく活用していました(年齢がばれる…( ̄▽ ̄;)


この辞書、表紙がスウェードでできていて手触り抜群なんです。

その触り心地がとても気に入っていて、長い間使っています。


さて、本題に入って、

「鼎の軽重を問う」がどういう意味なのか、高校生と一緒に20年以上前の辞書を引いてみることにします。





生徒:あっ、先生、赤線引かれてますよ!


あらら、ほんとうだ( ̄▽ ̄;)

記憶にはないけれど、きっと、当時高校生だった私が引いたんだと思うよ( ̄▽ ̄;)

私は辞書を引くたびに、こうやって調べたものの横に線を引いていたからね。


生徒:なぜ、線を引くのですか?


線を引いておくことによって、

次に全く同じ言葉を辞書で調べたときに、前にも調べたことがあるな、

ってわかるでしょ?


同じ言葉を辞書で引くと、

その言葉は調べたけれど、私の頭には入っていない。

つまり私が忘れている、ってことが辞書を引くたびにわかるからね。


私が電子辞書を使わないのは、これが一番大きな理由。


こうやってチェックを入れておくと、

前に引いたのに覚えていない言葉だ、というのが目で見てすぐわかるから、

そういう意味でも紙の辞書はとても便利なんだよ。

重いから持ち運びには向かないけれど。


一度調べて、確認して、意味を知ることができたら、

もう二度とここには戻ってこない、この言葉がわからなくて辞書を引くことはない、

という気持ちを込めて、

その言葉の意味を心に刻みながら、線を引くの。

それでもたまに、今日みたいに、前に引いたところを引くことになるんだけど。

そんなときは、今回みたいに、あーあ( ̄▽ ̄;) ってなっちゃう。


生徒:先生はこうやって勉強してたんですね!


みたいな話をしていました。

ふたりで辞書を覗き込みながら。



このように、

引いた言葉にチェックを入れておくと、

あとになって同じ言葉を偶然引いたときに

過去の自分に出会えるような感覚があります。


電子機器が普及している現在、

多くの方は、最近は紙の辞書ではなく電子辞書を使用していると思います。

もしくは、英語ならweblioなどのネット辞書を活用しているのではないでしょうか。



ベネッセの商品開発部に在籍している山田さんは、紙の辞書についてこう述べています。


ネットで引いて意味を見つけることは、「他人の持っている情報を見せてもらった」ことと同じです。

でも、紙の辞書ならば、情報と情報を結びつけて、自分のものにする力もつけてくれます。

紙の辞書を繰り返し使うことによって、探す過程で間違ったり、思わぬ発見をしたり、

行ったり戻ったりしながら、知識を自分のものにすることができます。


中学生の英語辞書選び。紙の辞書と電子辞書の違い|ベネッセ教育情報サイト

【ベネッセ|語学】紙の辞書は重い!厚い!だったら電子辞書や翻訳サイトで十分でしょうか。答えは、「紙の辞書にも電子辞書にも、メリットとデメリットがある」です。長年「中学生の英語学習にぴったりな辞書」をテーマに英語の辞書を作り続けてきた、株式会社ベネッセコーポレーション 中学生商品開発部 英語課の山田裕子さんに、お話をうかがいました。



私個人としては、できれば、

英和辞典、漢和辞典と国語辞典の3冊くらいは、

紙の辞書があってもいいんじゃないかなあ、と思います。

(高校生以上で英語が得意なら、英英辞典もオススメ)


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