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英語

英検英作文

2022/3/29

山崎です。

英検英作文はどうにかこうにか31/32を取れました。(準1級までは、素点が16点満点ですが、1級は32点満点なのです)もともと英作文はそこまで苦手ではなく、むしろ英検の語彙パートのような問題よりも、自分の意見を自由に紙の上で表現することは大好きなのですが。

今回は31/32を取れた英作文を公開しようと思います。級は異なるかもしれませんが、どのような構成でどのようなことを、どのくらいの難易度の語彙を使って表現すれば点が取れるのか、ぜひ参考にしていただければと思います。

なお、ここで挙げる英作文は、「正しい英文」とは言えないことを付記しておきます。というのは、できるだけ「原文ママ」をお見せしたかったので、今見ると明らかに不自然なところもちょこちょこあるからです。


英検1級というと、さぞかし難しい語彙をふんだんに使って英文を書くのだろう、と思われるかもしれません。ところが私は英検1級取得者…のみならず、英検準1級取得者の中でも語彙の幅は狭い方でして、おそらく受動語彙(見たり聞いたりしてわかる語彙)は2022年始めあたりで8000語あるかどうか…というところです。1万語はありません。英検1級合格ラインは10,000~15,000語レベルと言われていますが、私の英語はまだその域に達していません。

じゃあどうやって書いたかと言うと、英検で言えば2級の長文くらいのレベル感で英作文をしました。数カ所準1級レベルの語彙を使ってはいますが、1級の単語帳に掲載されている語彙は一切使っていません。使っている構文も非常にシンプルですし、凝った表現なども使っていません。なんなら英検英作文対策の問題集や参考書も使いませんでした。

私の書く英語は「できるだけ、教科書に忠実に」をモットーにしています。英語の教科書、とりわけ中学校や高校の英語教科書の英文が、私の英作文のベースになっています。教科書の英語は不自然だ、という人もいますが、私は、教科書の英文はネイティブにとってはもちろん、非ネイティブにとってもわかりやすく読みやすく書かれていると思っています。われわれ非ネイティブはどう転んでもネイティブにはなれません。そこは受け入れた上で、自分の考えを自由にのびのびと、かつ論理的に述べるのに、教科書の英文をお手本にする、というのは優れた方法のひとつではないかと思っています。


私の書く英語は接続表現を多用しません。日本語で文を書くときに、「だから」とか「しかし」とか「また」とか、接続表現を多用してしまうと非常に読みづらくなるからです。英語と日本語はもちろん異なる言語ですが、「読みやすさ」「読みづらさ」には言語に関わらず共通項が多い(いわゆるcommon senseのようなものがある)と私は思っています。だから接続表現は「ここぞ」というときにのみ使用し、他のところではあまり使いません。

また、First / Second は、現在教わっている英語の先生から禁止令を出されているため使っていません。日本語の論説文で、「理由は2つある。第一に…。第二に…」と書かれているようなものはあまりみかけません。英語の長文を読んでいても、このような書き方をしている論説文や説明文はあまりありません。ということは、First, Secondを使うのはやや不自然(私の英語の先生に言わせると「小学生の作文」)だということですので、使用は避けています。ちなみに、First, Secondを書かなくても、ちゃんと段落分けすれば読み手には伝わります。(英語のエッセーでは、1段落1テーマが鉄則のため、段落が変わると内容が変わるのは自明)


さて前置きが非常に長くなりましたが、以下は私の再現答案です。

一応先に評価を記しておきます。

内容:7/8

構成:8/8

語彙:8/8

文法:8/8

合計:31/32

英検1級では、イントロ(導入)、理由3つ、結論の3部構成(全5段落)で書く必要があります。準2級から準1級までは「POINTS」という名のヒントが提示されますが、1級にはPOINTSが存在せず、ゼロから全部自分で組み立てる必要があります。ここが他の級との大きな差です。

語数の目安は200~240語と、英検準1級の倍程度の量になります。語数をいちいち数えている時間などはないので、私自身はとりあえず紙の最後の行まで全部書けばOK、という感覚でいます。


TOPIC: Should investment in technology be a bigger priority for governments?

(政府にとって技術への投資はもっと優先されるべきか?)


With the development of science and technology, human life has become more convenient. However, I disagree that investment in technology should be a bigger priority for governments.

It is essential for the government to more focus on improving educational systems. Having a well-educational background is the only way for their citizens to better their lives. According to an article I read before, an African boy from a poor family found an excellent job because he could go to a university to get out of poverty. Education makes people's lives much better.

It is also becoming a public concern that the measures against the aging problem are not sufficient. For example, some senior citizens in our country tend to commit crimes to get the places where they can stay for free because they do not have enough money to live. Also, the aging population forces young generations to have a heavy burden in terms of tax imposition.

Lastly, the government should pay more attention to addressing environmental problems. Recently, severe droughts and floods have occasionally occurred here and there because of climate change. This is caused by grave environmental destruction such as deforestation. Dealing with environmental problems, in other words, leads to protecting not only all animals but also human future generations.

All in all, I do not think it is a better way for governments to invest more in technology. Rather, the government should more focus on solving those three issues I mentioned above.


筆者注)

2段落目

・better(他動詞)=improve ~をよりよくする

・get out of ~ ~から逃れる

3段落目

・measure 対策

・burden 負担

・tax imposition 課税(imposition:課すこと)

4段落目

・destruction 破壊

・deforestation 森林破壊(森林伐採)

5段落目

・all in all 要するに(結論部で使いやすい表現)


何が問題で内容点を引かれているのかは英検のみぞ知るというところですが、おそらく第4段落(理由3つ目)の論旨がちょっとまずかったのだろうと私は思っています。環境問題は技術の導入によりかなり改善が望める分野もあるからです。エネルギー問題などに関しては、最先端の技術によって水力や風力、地熱、太陽光…あるいは、東京だったかどこかの街にある「人が踏むこと」で発電できるような設備…などを利用すれば、化石燃料を使う必要がなく、CO2を発生させにくくなります(太陽光などは個人的には議論の余地ありだと思っていますがそれはさておき)。読み手にこのような疑念を抱かせてしまうと、どうしても内容点が低くなりますので注意が必要です。

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