帰国子女の中学編入学は事前の準備がカギ!

帰国子女の中学編入学は事前の準備がカギ!

海外勤務から日本への帰国するとき、お子さんをどこの学校に通わせればよいのかとお悩みの方は多いでしょう。
中でも、多感な時期を過ごす場所であり、高校への大切なステップとなる場所でもある中学校への編入学については、事前にしっかりと情報収集を行い、早めに準備をしておく必要があります。
お子さんが安心して学べる環境を整えるために何をしておけばいいのかを、見ていきましょう。

公立の中学は帰国子女の編入が可能?


公立であれば、いつでも編入OK

公立中学校の場合


中学校までは義務教育なので、帰国後のお子さんは必ず中学校に通わせなければなりません。
そのため、地元の公立中学校へはいつでも編入学が可能です。
帰国生が多い地域では、個別指導を行ったり、英語力を保持できるように教室を開いたりしているところもあります。
原則的には住む場所によってどの中学校に通うことになるのかが決まっていますが、「学校選択制」を導入している自治体では、公立の中学校でも学校を選べるようになってきています。
編入学の手続きは、帰国後に住民登録を行ったのち、その自治体の教育委員会で行います。
手続きには在学証明書や成績証明書などが必要になりますので、帰国前に必ず教育委員会に確認しておきましょう。

また、最近人気が高まっている公立中高一貫校については、欠員があれば編入試験を行う場合があります。
教育委員会などに問い合わせをして、編入試験の予定を確認してみるとよいでしょう。

国立大学附属中学校の場合


国立大学の附属中学校でも、欠員がある場合には編入学が可能です。
実践的な教育研究を行うのが国立大学附属中学校の特色で、帰国生だけの学級を設ける学校や、普通学級に混合で受け入れる学校があります。
ただし、もともとの帰国子女枠の募集人数はかなり少ないうえに、通学区域制限がある学校が多いことや、編入学は欠員がある場合のみですので、注意が必要です。

私立中学校の場合


私立中学校には手厚い帰国生の受け入れ体制を取っている学校が多くあり、帰国後の選択肢として人気が高くなっています。
これらの学校では、学習のフォローや日本の学校生活への適応指導、海外で身につけた語学力などを伸ばす、国際理解の推進役として帰国生に期待する、などの方針を取っており、多くの帰国生が通っている点でも安心できるといえるでしょう。
編入学のための試験は、欠員がある場合に実施されます。
学期にあわせた9月編入(編入試験は7~8月頃)と4月編入(編入試験は3月頃)が多いですが、1月編入を実施している学校や、編入試験を随時行っている学校もあるなどさまざまです。
気になる学校については、帰国前にしっかりとリサーチしておくとよいでしょう。

いつ頃編入するのがオススメか


高校出願の数ヶ月前に編入すべき

日本と海外とで年度始めの時期にずれがあるため、編入学のタイミングは重要です。
特に、高校受験を目の前に控えた中学3年生ではしっかりとタイミングをはかる必要があります。
日本の高校は、原則として中学校を卒業していることが受験資格になりますので、高校出願の数ヶ月前までには帰国して中学3年生に編入し、日本の中学の卒業見込みで出願手続きを取るのがスムーズです。
その場合は、海外の在籍校の在学証明書や成績証明書などの提出も必要になるケースがありますので、帰国前の早い段階から志望校や教育委員会などと連絡を取ってどのような書類が必要になるのかを十分にリサーチし、手続きを進めておきましょう。

帰国のタイミングによっては日本の中学に編入できず、現地の中学も卒業していないという状態になることも考えられ、高校受験資格を失ってしまう場合もあります。
家族全員での帰国にこだわらず、学年のきりのよいところまで自己負担で海外に滞在する、または現地で仕事をする親を残して子どもたちは先に帰国する、という対応も考えた方がよいかもしれません。
海外での教育環境や日本での学校の受け入れ状況などを総合的に考えて、編入のタイミングを見極めましょう。

編入学には帰国前の情報収集がカギ


編入学には帰国前の情報収集がカギ

編入学する中学校を選ぶときには、海外で身につけた個性を伸ばしたいのか、日本の生活になじませたいのかといった点も重要です。
日頃からどんな学校がどんな教育を行っているのか、出願資格や応募条件はどのようになっているのかなどをしっかりと調べておき、帰国が決まったタイミングですぐに動けるようにしておくとよいでしょう。
一時帰国ができるなら、志望する中学校への体験入学や、オープンスクールなどへの参加を通して、実際にお子さんに合う学校かどうかを見ておくと安心です。
ただし、編入試験はあくまでも欠員募集が目的なので、実施されない年度もあることにご注意ください。

また、2020年9月現在は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための対策として、帰国後2週間は空港内や検疫所の指定施設などで待機の必要があり、学校選びや編入学試験のための一時帰国はもちろん、本帰国してからの諸手続きなどもすぐには行えない状況になっています。
コロナ対応のため、オンラインで入試説明会や出願、受験を可能にしている学校もありますので、さまざまな情報を集めて判断をしてください。

私立の編入試験を受ける時の対策方法


現地では学ばないことを重点的に

編入試験の科目は学校によって異なっています。
英語・数学・国語の3教科と面接、というのがよくあるパターンですが、作文を課すところもあります。
志望校の試験科目にあわせた対策をしていきましょう。
国語や日本語の作文など、現地校では学ばない科目がある場合には、帰国前から家庭での学習に取り入れておく必要があります。

面接では、その学校の志望理由や海外での体験、興味を持った最近のニュースなどについて聞かれることが多いので、あらかじめどんなことを話すか準備をしておくとスムーズに進みます。
志望理由については、その学校にしかないクラブ活動や課外学習などの特徴を調べておき、「この学校でこういうことをしたい」とアピールができるようにしておきましょう。
国際的な視野を持った生徒を求めている学校では、国際的なニュースについて聞かれることもあります。この場合は、多方面からの考え方を理解していることをアピールしたうえで、自分の考えや改善点などを伝えられるとよいでしょう。

作文が課される場合には、日頃から文章を書く練習をしておきましょう。
異なる世代間や文化間の考え方を知り、その中から自分なりの考えを展開し、まとめていく力は、親子の対話が土台となって作られていきますので、家庭での対話を大切にしてください。

海外で日本の試験対策をするには?


海外で日本の試験対策するならオンライン家庭教師

現地で通っているのが日本人学校か、あるいは現地校かによって状況は異なります。
現地校では習えない、国語や作文の試験対策が必要な場合には、通信講座やオンライン家庭教師などを利用するのもオススメです。
マナリンクには多くのオンライン家庭教師が登録しており、必要な科目だけをピンポイントで受講することもできます。

まとめ


帰国子女の中学編入学をスムーズにするためには、事前の情報収集が重要です。
編入学のタイミングや、試験科目、オンラインでの受験が可能かどうかなど、早めにいろいろな情報を集めて、よりよい学校選びにつなげてください。