「謎の自信」が一番大切
Rちゃんとの一年3ヶ月~
小学4年生から通ってくれていたRちゃんという生徒がいます。
最初の頃は固定の曜日は決めず 「来られるときだけ来る」というゆるやかなスタートでした。
10月頃 私のレッスン枠は争奪戦となりました。空き枠を通知してから、2時間以内にすべて埋まるのが受験まで続きました。「一分の差で予約が取れなかった」と涙をこぼされた保護者もいた程です。
Rちゃんの保護者も そんな中で欠かさずレッスンを取ってくださいました。なぜそこまでして通ってくださったのか?
それはRちゃんの大きな変化をお母様が感じ取ってくださったからでした。Rちゃんはレッスン中はほぼ喋らない子どもです。「おとなしい子やな」と思っていました。でも、実はそうではなかった。
レッスン後 私の話をすべて「完全コピー」して お母様に披露していたそうです。自分で描いた漫画まで添えて「なんでこうなるのか」「ここが面白かった」情熱を込めて 再現してくれていたのだとか。
もちろん どんなに工夫してもつまらない単元はあります。女の子の絵をノートに書き始めるような日もありました。
でも私は本人の目をみて こう聞きました。「このお話 今聞きたい?それとも将来にとっておく?」 Rちゃんは「今、聞いておきたいです」と答えました。だから私達は その日も勉強を止めませんでした。
塾ではまだ歴史をやっていないRちゃん。先日彼女はお母さんにこういったそうです。「9月になったら私は別人のように頑張れる!!!」
お母様が「なんで 今でなくて9月なの??」と聞くと「だって9月から塾で歴史がはじまるから!!!」と誇らしげに答えたそうです。
「謎の自信だなあ」とお母様は笑っておられましたが、私はこう返しました。「謎の自信が、一番大切なんです」
オモシロイと思ったことはもっと知りたくなり、自分で調べたりします。「良い点とりたいな」と他の教科より自分から努力してくれるかもしれません。
もちろん これからどうなるのかはわかりません。でもRちゃんはもう「歴史が楽しみ」になっている。「勉強って、つまらないだけじゃない」「やってて楽しいこともあるんだな」と、少しでも思ってくれた。
その芽がでたのなら、私達が一緒に過ごした時間は かけがえのないものだったと信じています。
※漫画画像は 皆様に披露して良いと保護者の許可をいただいています