【国語論】語彙力は親からのギフト
2024/3/24
「どうしたら語彙力はつきますか?」
よく聞かれる質問であり、
返答に困る度合いもトップクラスの質問です。
前回「小論文は一朝一夕では攻略できない」という話を書きましたが、
語彙力も「ローマは一日にして成らず」系の力です。
国語大得意な子からそもそも漢字読めませんという子まで
いろんなタイプの生徒さんを見てきましたが、
語彙力はその子がどれだけ多くの言葉に触れてきたかに比例しています。
それこそ幼少期からお家の方がどれだけ絵本を読み聞かせをしたか、
子どもとの会話をどれだけ幅広いジャンルで行ってきたか、
どれだけ多くの本を読んできたかーーの集大成なのです。
つまり高校3年生だったら約18年間で
出会って習得した言葉の数が語彙力の土台となります。
もちろん参考書で1年2年頑張って勉強すれば語彙力は上がりますが、
親御さんが積み重ねてきた18年には到底敵わない。
講師が伝授できるのは効率的な勉強法だけ。
豊かな語彙環境を与えてあげられるのは親御さんだけなのです。
語彙力=知っている言葉の多さ=表現力=読解力
この等式が成り立つと思います。
そして語彙力は国語の得点能力に大きく影響します。
知らない言葉が出てくるとそこで思考がストップし、
読解のスピードがダウンします。
つまづいたところからもう一度スピードを上げることは誰だって難しい。
ハードル走で例えると、語彙力が低い状態というのは
短い間隔でハードルがたくさんあるようなもの。
語彙力が高い国語が得意な人は、ハードルが少なくスイスイ走ることができます。
つまずきは少ない方がいいに決まっています。
だから小中学生の生徒さんには、
好きなジャンルでいいので読書をおすすめします。
勉強が忙しい高校生は、読書が苦手だと逆効果なので
参考書でがっつり勉強してもらう&知らない言葉は調べるの一択ですかね。
そしてご家族には、今まで以上に頻繁な会話をお願いします。
話題はなんでもいいですが、できれば社会の動きについて。
その日のニュースについて軽く意見を交わすくらいからはじめてほしいですね。
千里の道も一歩から!
語彙力は生まれたときから一緒にいる親だからこそ
与えてあげられるギフトです。
こと受験でいえばスムーズに問題を解くために
語彙力アップって思った以上に大事だと思います。
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