【受験論】受験生に“なる”ということ
2024/5/4
ほぼ毎日ブログを読み漁っているとある塾の先生の
「受験生にいつ“なる”か」という話を読んで激しく同意しました。
高校3年生になれば、自動的に受験生に“なる”ものではないんだなと。
自分の内側に受験生としてのベーシックを築くことができるかどうか。
そのベーシックとはいろいろあるのですが
要になるのは「継続する力」です。
いろいろなタイプの生徒さんを見てきましたが、
難関大学に合格する子は“当たり前”のように
毎日何時間も勉強をしています。
”やる気”に左右されている間はペースにムラがあるので、まだまだ。
意志の強さで続けている状態も、まだダメです。
“勉強をやらないと落ち着かない”状態までいかないと。
ドラゴン桜の名言「歯を磨くように勉強せよ」は
まさにその通りだと思います。
努力を努力と感じないほどの習慣化。
これに勝るものはありません。
大人が何も言わなくても勝手に毎日勉強する。
そうして続けられている勉強は、“能動的”であると言えます。
勉強は量だ、質だという議論があり、
私も“量”推し勢で生徒さんによくそう言いますが、
やみくもにやれば学力がアップするわけではありません。
“能動的に勉強した量”が学力に反映されます。
受験生としてレベルの高い生徒さんは、
能動的に勉強した量が圧倒的に多いのです。
だから塾や家庭教師が「これやったら大丈夫です!」
というのはナンセンスだし
言うべきではないと思っています。
逆に生徒さんの成長を遅らせてしまうやり方。
私たちが伝授した勉強のやり方や目標の目安を
自分なりにかみ砕いで、どうすればいいか自分で考えて
実行するようにサポートしないといけません。
以前体験授業を受けてくれた生徒さんから
通っている集団塾の先生が
「(今やっていることを続けて)ついてきたらいいよ」と
言っていると聞いて違和感を感じました。
学力がアップしないなら塾のテキストをやっているだけではダメだし、
勉強とは学んだことを生かしてレベルアップしていくもので、
学びを生かせる環境にないなら変えないといけない。
それにいつ気づくのか……。
「私についてきたら大丈夫」なんて言っていたら
いつまで経っても生徒さんは受験生になれません。
私が渡すテキスト以外に
「この問題集に取り組んでいるんですけど、どう思いますか?」
「次は何をやったらいいですか?」
「どうしても分からないから解説してほしい」
と生徒さんが言ってきてくれたら、
華麗にさなぎから蝶に変化しつつある証拠です。
本当はあれこれ口出ししたいけど、
我慢して受験生に“なる”まで見守っています。
無理に変化させても続きません。
日々の継続こそが、合格という成果につながるので
続けられるペースで取り組んでいくことが大事なのです。
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