オンライン家庭教師マナリンク

【実践記録】スペルが覚えられない子への指導法|発達特性のある生徒で効果が出た英単語学習法

2026/3/31

英単語のスペルがどうしても覚えられない——
特に発達特性のあるお子さんの指導では、よくある悩みのひとつです。

今回、ある生徒に対して行った取り組みが、短期間で明確な成果につながったため、備忘録も兼ねてまとめておきます。

■ ある生徒さんの状況

  • スペルテスト:2/10程度の正答率

  • 正解数にばらつきあり(再現性が低い)

  • フォニックスはある程度理解

  • 音からアルファベットを推測できるが
     → ローマ字的に並べてしまう傾向あり

つまり、
👉「音はわかるが、正しいスペルとして定着していない」状態

■ 方針転換:「単語だけ」に集中

文法や教科書の予習は一旦ストップし、
1時間まるごと単語練習に特化したプログラムを実施。

👉 ワーキングメモリや処理負荷を考えると
「一度に扱う情報を減らす」ことは有効とされています。

(参考:Cognitive Load Theory / Sweller, 1988)

■ 実践したトレーニング方法(1時間)

● 基本構成:10単語を5語×2セット

① インプット(見る+音)

  • 英単語 → 読む

  • 日本語訳 → 読む

  • 必ず音読

    👉 音読は記憶定着に有効

② アウトプット(思い出す)

  • 英単語 → 日本語を言う

 👉 「思い出す行為(リトリーバル)」が記憶を強化

③ 音とスペルの結びつけ

例:English

  • ing / li / sh に分解

  • 「イング3文字」「リ2文字」など
    👉 音+文字数で処理

さらに

  • 空中に書く(空書き)

 👉 マルチモーダル学習(視覚+運動)が有効

④ ルール単位での学習

  • ay → may / pay / stay

  • tion / sh など

 👉 パターン認識を促進

⑤ 書いて定着(最重要)

  • 音節ごとに言いながら書く

  • 書いたら隠す → もう一度

 👉 「隠す→思い出す」を繰り返す

  • 5回連続で正解できたら次へ

👉 分散+反復+想起の組み合わせ

⑥ 家庭学習(10分)

  • 毎日アウトプット中心

  • スタンプカードで可視化

👉 行動強化

■ 柔軟な記憶法も許容

フォニックスだけで難しい場合は:

  • science → 「寿司エンス」

  • often → 「tenが入ってる」

👉 意味がなくても“思い出せること”を優先

これは
👉 エピソード記憶・イメージ記憶の活用

■ 結果(1週間後)

  • スペルテスト:10/10正解

  • 複数回実施しても再現性あり

  • 明らかに「定着」

👉 まぐれではなく「学習方法の効果」と判断

■ なぜこの方法が効果的だったのか

ポイントは3つです:

① インプットよりアウトプット重視

→ 思い出す回数=記憶の強さ

② 音・視覚・運動の同時使用

→ 脳の複数経路を使う

③ 小さく区切る(認知負荷の軽減)

→ できる単位で成功体験を積む

■ 今後の課題

  • 長期記憶への定着(数週間後の保持)

  • 単語数が増えた時の維持

  • 自立学習への移行

■ まとめ

スペルが苦手な子に対しては

  • 「できない」ではなく

  • 「方法が合っていない」

可能性が高いです。

今回の方法は

✔ フォニックスを活かしつつ
✔ 記憶の仕組みに沿った設計

にすることで、短期間で成果が出ました。

今後も試行錯誤しながら、
その子に合った最適な方法を探っていきたいと思います。

📚安芸先生と学ぶコース📚

【中学英語】平均点脱出!80点以上目指す子向け定期テスト対策 

https://manalink.jp/teacher/12421/courses/14710 

【英検5・4・3級】イラスト&反復練習で易しく学習★楽しく合格 

https://manalink.jp/teacher/12421/courses/12840 

【小5.6】飽きずに楽しい!中学英語を無双状態にする準備講座 

https://manalink.jp/teacher/12421/courses/14707 

👇安芸先生のページの飛ぶQRコードはこちら✨

このブログを書いた先生

発達障害の指導が得意なオンライン家庭教師一覧

この先生の他のブログ

安芸の写真

「やる気が出たら勉強する」は危険? “やる気”スイッチは待っていても訪れない!

2026/5/18
こんにちは。小中学生を中心に英語を指導している安芸(あき)です。保護者の方から、よくこんなご相談をいただきます。「うちの子、やる気がなくて……」「やる気スイッチが入ればできると思うんですが……」ですが、家庭教師として多くのお子さんを見てきて感じるのは、“やる気が出たら始める”を待っていると、勉強習慣...
続きを読む
安芸の写真

家庭教師は「教え方」だけで選んで大丈夫? 〜生徒・保護者・先生、“三者の相性”がとても大切な理由〜

2026/5/11
小中学生を中心に指導しています、安芸(あき)です。家庭教師を探される際、多くの方がまず気にされるのは「教え方が上手か」「成績を上げてくれそうか」という点だと思います。もちろん、指導力はとても大切です。ですが、実際に長く指導をしていると、成績アップや学習継続に大きく関わるのは“相性”だと強く感じます。...
続きを読む
安芸の写真

なぜ“3月に習う単元”が高校入試で狙われるのか?家庭教師が見てきた“受験で差がつく最後の単元”とその対策」

2026/5/11
【数学】高校受験の罠!中学数学の高校入試問題を長く見ていると、ある共通点に気づきます。それは、次のような単元がかなり高い頻度で出題されることです。データの活用(ヒストグラム・箱ひげ図)三平方の定理円周角と中心角の関係多くの受験生が感じている通り、実際の入試問題でもよく見かけるテーマです。しかしここで...
続きを読む
安芸の写真

英単語は「思い出す回数」で決まる!1週間で定着させる最強ノート術

2026/4/29
小中学英語を主に教えています、安芸(あき)です。中学校の英語を伸ばすうえで避けて通れないのが【単語暗記】ですよね。英単語を覚えるときに一番大切なのは、「どれだけ思い出したか」です。ただ何度も見たり書いたりするだけでは、実はあまり効果はありません。ポイントは➡ 「何も見ずに思い出すこと」声に出すにして...
続きを読む