英単語の舞台裏 ㉛
2025/7/20
英単語の舞台裏 ㉛
Common
〜「共通」の奥行きとは〜
こんにちは、英語担当のバックスターです。
common は「共通の」と単語帳には最初に出ていますね
common sense(常識)、
common mistake(ありがちなミス)など、見慣れた表現も多いと思います
しかし、common、実はもっと奥行きのある言葉です。
たとえば common sense とは、ただの知識ではなく、
社会の中で共有されている感覚のこと。
sense(感覚)が common(共通)になっている、つまり「みんなと共有されている感覚」というわけです。
そしてもうひとつ。
イギリスでは “Wimbledon Common” のように、公園や土地の名前としても使われます。
この common は「共有地」という意味です
中世イギリスでは、村人が牛を放したり、薪を拾ったりできるみんなの土地があり、
それを the common と呼びました。
実際、ロンドン郊外に広がっているWimbledon Common に行くと、
とにかく広くて、大草原、森林のある大自然が広がっています。
乗馬をすることもできます。
「公園」というより、「地域に開かれた共通の自然」
それが common の本来の姿だと感じます。
最近では、
the digital commons(インターネット上の共有資源)、
the global commons(地球の共有財産)といった形でも使われています。
common
それは「ただの共通」ではなく、みんなが共有するためにみんなで守るもの。
言葉の奥には、そんな考え方が流れているのではないでしょうか。
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