夏の勉強と過去問 ──「逆算」で差をつける夏。
「先生、過去問っていつやるのがいいですか?」
よく聞かれます。
私の答えはいつも同じ。
「夏のうちに、最低3年分(3回分)やっておこう」
できれば7月中。
遅くともお盆までに。
なぜ夏にやるのか?3つの理由
① 出題形式とレベル感がつかめる
大学ごとに出題のクセは違います。
・記述?選択式?
・長文中心?文法もバリバリ?
・読みやすい?激ムズ?
実際に解いてみると、
その大学の“空気感”が、手に取るようにわかってきます。
② 今の自分との距離が見える
夏時点で合格点に届かないのは当然です。
大事なのはそこじゃない。
「何がどれだけ足りないか」
を、肌で感じること。
自分の課題が明確になると、勉強は一気に効率化します。
③ 苦手な問題タイプが浮き彫りになる
3年分やれば、自分の苦手が浮かび上がります。
「〇〇医科大の第3問が苦手なんですけど、どうしたらいいですか?」
そんな具体的な質問が出てくる時点で、すでに成長中。
あとはそこをピンポイントで対策すればOK。
よくある不安:「今やっちゃったら直前に使えないのでは?」
気持ちはよくわかります。
でも、私はこう伝えています。
「志望校の問題を《実感として》把握することのほうが大事」
戦う相手の顔が見えないと、戦略は立てられません。
どうしても残したいなら?
1〜2回分だけ残すのもアリ。
ただし──
傾向が変わってきているなら、最新の年度こそ夏に解くべきです。
ちなみに私は、必要があれば本番そっくりの模擬問題をオリジナルで作ります。
ですから、うちの生徒たちはガンガン過去問を使い切っています。
私も「問題集」として過去問を使っていました
1日1年分。
時間を計って解き、丸付け、分析。
わからない単語を調べ、構造を確認し、100%理解するまで読み込む。
そして知らなかった単語を覚える。
これが“1セット”。
夏の間、ずっとこれを続けたら「読む力」が目に見えて伸びていきました。
実力が足りない今こそ、やる価値がある
「今はできないから…」と躊躇する必要はありません。
できない今こそ、過去問が〈道〉を示してくれます。
夏の過去問は、「未来の自分への投資」
今、過去問に取り組めば、
この先の勉強の《地図》が手に入る。
秋からの加速は、その地図があるかどうかで決まります。
「まだ自信がないから」じゃない。
「だからこそ、今やる」。
それが、合格への最短ルートです。