偏差値の高い大学に行く意味とは

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2023/2/26

こんにちは、講師のあさむらです。


数年前のことになりますが、私が予備校で受験生を教えているときに生徒さんから

「偏差値の高い大学に行くことのメリットって何ですか?良い企業に就職するためですか?」

と聞かれたことがあります。


学校の先生も予備校の先生も、偏差値の高い大学に行かせようとすることが多いですね。

大学そして就職を経験していない高校生にとっては、その利点についてはたしかに実感の沸かないことでしょう。

多くの親御さんは「良い大学に行ったら、良い企業に入れて、高いお給料をもらえるよ」とお子さんに説明しているそうです。

私は九州大学から大学院に進み、保険会社の営業として就職し、今も現役で働いています。

同期は東大卒、京大卒、慶応卒、早稲田卒ばかりで、新入社員研修の際には少し肩身が狭い思いをしたものです。そういった経歴の中で、「偏差値の高い大学に行くことのメリット」を振り返ると、学生時代には想像していなかったものがありました。

大学受験は大変ですが、それを乗り越えた先に何があるのかをお伝えすることで、普段の皆さんの勉強のモチベーションを維持するきっかけにでもなれば嬉しく思います。


メリット1.良い企業に就職できる

これは言わずと知れた内容ですね。就活で人気の上場企業は、偏差値の高い大学の生徒を欲しています。理由は「優秀な人材が多いから」と言われていますが、実際のところ「慣例」のようなものです。毎年とてつもない応募数を篩(ふるい)にかける必要がある訳ですから、「どこの大学に在籍しているのか」で決めるのが一番容易なのです。そこから、面接などを通じて、人間性や学生時代の経験から判断し、採用となります。

俗に言われる「良い企業」は、福利厚生が整っており、収入も高く、労働時間も適切といったところでしょうか。最長40年もの歳月を過ごす会社になるので、環境の良い会社に誰でも行きたいですよね。


メリット2.人脈

さて、ここからが本題です。大学はもちろん講義があり学ぶところではありますが、「人脈を作る場所」とも言われています。偏差値の高い大学であれば、そこでできる友人も賢い人ばかりです。賢い人と過ごすとあらゆる刺激がもらえます。「なるほど、そういう考え方があるのか、鋭いな」や「効率を上げるためにそこまで考えているのか」など、自分の知性を高めてくれる刺激を受けるのです。

そして、あなたが良い企業に行くように、友人の多くもあらゆる業界の有名な企業に勤めることになります。そんなときに人脈があれば、いろんな業界について学べますし、その知識が自身の職種で活きることだってあります。あなたがもし営業部門であれば、友人の勤める会社が営業先になることだってありますし、その際には営業先の内部事情まで教えてくれることだってあるのです。


メリット3.身に付いた知性が生活の中で生きる

数学はよく「論理的思考力」が身につく学問と言われますが、まさにその通りだと私は思います。論理的な思考ができれば、物事を冷静に正しく判断することができますし、社会でもそれが活きてきます。

英語が話せたり読めたりするとどうでしょう。海外旅行も人一倍楽しめますし、今や国内でも海外出身の方がおり、海外の方とコミュニケーションをとることができますね。

私が大学院のときに在籍していた研究室は、学生のおよそ半分が留学生で、日常会話や会議がすべて英語でした。色んな国の人とのコミュニケーションが取れ、いろんな国の文化を知れたのはとても有意義でした。


メリット4.努力すれば成功するという経験

偏差値の高い大学は、行きたいと望む生徒さんも多いですので、合格する人よりも落ちる人の方が多いのです。したがって、生半可な努力では決して乗り越えることができません。

でも、部活が終わって眠たい日も頑張って勉強し、友達と遊ぶ時間を削って勉強し、YoutubeやTiktokを見たい気持ちを我慢して勉強する。こういった苦難の先に得られた「大学合格」はあなたの人生の中で、大きな自信につながるのです。

「私なら頑張れば何だってできるんだ」という自信を若いうちに持っておくことは、色んな挑戦の後押しになってくれます。一方で、「結局頑張ったって上手くいかない」「どうせ無理だ」というネガティブ思考は、あなたの行動を鈍化させ、新たに何かを得られることはありません。

ずっと無力感や劣等感を感じてしまうのです。したがって、高校生で得られるこの「成功体験」はあなたの人生に大きな意味をもたらすことになります。


いかがだったでしょうか。それでもまだイメージがぼやっとしていることでしょう。でも、これだけの人生を豊かにする意味を持つのが大学受験だと捉えてもらえればOKです。

成績が伸びなくて悲しくなったり、つらくなったり、焦ってしまったり、もはや勉強したくなくなったりするのは、多くの受験生が経験することです。その負の感情を乗り越えて、自分を律して努力を継続できたかどうかが、大学受験を制することができるかの分かれ道です。

「今」この瞬間を大切にしながら高校時代を過ごしてもらいたいと思います。

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