受験攻略2.0:①やる気を上げるな、"本能"を利用せよ(後編)
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2025/2/15
※前編をまだご覧でない方は、前編からご覧ください。
後編では
①勉強を妨げる[本能]とは?
②[本能]の利用方法とは?
について解説しましょう。
①勉強を妨げる[本能]とは?
現代における、勉強を妨げる[本能]の正体とは何か。
それは、ホメオスタシス(恒常性ホルモン)です。
ホメオスタシスは、いわゆる“変化を嫌う本能”です。
勉強を妨げるホメオスタシスは、[行動の変化]と[脳への負担の変化]の2つに分類できると考えています。
●[行動の変化]を嫌う
たとえば、休日の朝にゴロゴロしていて、ふと「そろそろ勉強しないとな」と勉強しようかどうか迷うときを想像してください。
たいてい迷った挙句「午後からでいいや」と後回しにしてしまう方が多いかと思います。
これは俗に言う“後回し癖”ですが、これは[今の行動を変化させたくない]という本能が働くために起こっているのです。
他にも、朝ベッドから起きるのは憂鬱なのに、夜はついつい夜更かししてしまう、というのも同じ本能が働いています。人は、寝ているときは寝続けたくなり、起きている間は起き続けたいのです。
●[脳への負担の変化]を嫌う
次は、定期考査1週間前を想像しましょう。学校から帰ってすぐに机に向かい勉強すべきなのに、「部屋の掃除から始めよう」と思い立つことはありませんか?
普段は決して部屋の掃除を自らしようとしないのに、この機に及んで掃除を始める。
これは[いきなり勉強は脳に負担がかかるから、負担の少ない掃除から始めたい]という本能が働くために起こっているのです。
② [本能]の利用方法とは?
このホメオスタシスは上手く利用することで、[勉強を促進させる本能]に変えることができます。
私自身実践している利用方法の1つをここでは紹介します。それは【5分チャレンジ】です。
内容は非常に簡単で、勉強をしようか迷った時に[5分だけ勉強する、その後は辞めてもOK]というものです。
5分だけであれば、上述の[行動の変化]と[脳への負担の変化]を小さくすることができます。
そして、ポイントなのは[5分やってみて、辞めたかったら本当に辞めてもいい]とすることです。
そうしないと、【5分チャレンジ】が名ばかりになり、【5分チャレンジ】の意味がありません。
この目的はそもそも、[勉強しようと思ったらすぐに勉強に取り掛かるという習慣]付けなのです。
実際に長時間勉強することは目的ではありません。とは言え、実践してみるとわかると思いますが、【5分チャレンジ】では5分で終わることの方が少ないです。これこそがホメオスタシスであり、勉強という行動を変化させたくないという本能になりやすいのです。
したがって、ホメオスタシスは敵ではなく、工夫によって味方にもなりうるということを理解して、本能と上手く付き合っていきましょう。
《本章のまとめ》
・やる気を上げようとせず、本能を利用する
・ホメオスタシスを味方につける工夫をする
・【5分チャレンジ】をまずは1週間継続してみる
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