受験攻略2.0:③“アウトプット学習”から逃げるな(後編)
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2025/6/8
まずは、インプット学習とアウトプット学習の違いからご説明します。
インプット学習は、新たな情報を脳内に入れ込む学習となります。これまでアウトプット学習が大切とお伝えしてきましたが、インプット学習も勿論大切であり、すべての学習はインプット学習から始まります。
アウトプット学習は、インプット学習によって脳内に蓄積された情報を、“能動的に思い出す”学習となります。なぜ、わざわざこのような学習をするのかというと、人は覚えたことを定期的に思い出しておかないと忘れてしまうからです。
インプット学習とアウトプット学習の関係性については、[タンスの引き出し]を考えると分かりやすいと思います。
あらゆる引き出しに様々な知識を収納していくことがインプット、収納した知識を的確に引き出しから取り出すことがアウトプットとなります。
このアウトプットを怠ると、肝心の模試や入試の際に、引き出しが錆で開かなくなったり、どこに収納したか分からず、必要な知識を引き出せなくなるのです。
また、インプットの際にも注意が必要で、適当に知識を入れ込むのではなく、体系的で分かりやすい形で知識を入れ込むことが求められます。これは、タンスの引き出しにおいて
・2段目には数学の知識を
・5段目には有機化学の知識を
と後で“どこに何を収納したかを思い出しやすくする”工夫であると考えると、イメージがつきやすいかもしれません。
では、インプット学習とアウトプット学習の具体例を述べましょう。
[インプット学習の例]
●教科書を眺める
●テキストにマーカーを引く
●声に出して読む
●問題の解説を読む
●学習内容をわかりやすくまとめる
[アウトプット学習の例]
●問題を解く
●テストを受ける
●昨日の授業内容を自発的に思い出す
●特定の暗記事項について暗唱する
●人に教える
最後になりますが、改めて成績が伸びない阻害要因の多くは[アウトプット不足]です。
そもそもどちらの学習量も足りていない方は、猛省して環境を変えて学習すること。それが無理なら受験を諦めて下さい。
そして、『頑張っているけれど、成績が伸びない』という方は、インプット学習を減らし、アウトプット学習を増やすように、心がけて下さい。
先んじて申し上げますが、アウトプット学習はキツいです。長時間は続けられないぐらいに疲弊します。したがって、アウトプット学習に重点を置く場合は、総勉強時間は少なくなっても構いません。それを継続して、無意識にアウトプット学習をしようと体が動くまで続けられるようになれば、皆さんの成績は驚くほど変わりますよ。
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