集団授業だけでは成績が上がらない理由
2023/5/7
私は、大学受験の現役生・浪人生の2年間、代々木ゼミナールに通っていました。今でも覚えているぐらい、代ゼミの先生方の授業を聞いて感動を覚え、今では予備校講師という仕事に就いてしまいました。しかし、成績はというと途中から成績の伸びが悪くなり、低迷した時期もありました。予備校講師になった今、なぜ成績が思ったほど伸びなかったのか、その理由を考察します。
1.「分かったつもり」になりやすい。
大手塾で教鞭を取っている先生方の授業は本当に分かりやすいです。同業者として心の底からそう感じています。しかし、分かりやすいがゆえに、「わかったつもり」になりやすいのです。分かったつもりで一番怖いのは、自分で解けるようになったか確認もせず、ここはオッケーだから次に行こうと復習をおろそかにしてしまうことです。また、復習をしたとしても、分かったつもりでもう一度解いてみると、「あれ、先生はさらっと解いていたけど、自分でやるとできないなあ」となることが多いです。
ここで大事なのは、自力で問題が解けるようになることです。難しい問題を解けるようにする過程で大事なのは、自分が分かっていないことを一つ一つできるようにした積み重ねていくことなのです。
また、講師の先生が板書で見せてくれるような美しい解法は本番実行できない可能性が高いです。本番の試験は厳しい制限時間があります。難しい問題というのは、泥臭い試行錯誤の結果、汗水垂らしてどうにかこうにか答えに辿り着いたという人がほとんどです。美しい解法よりも泥臭い計算力が合否を左右するのです。
集団予備校で成績が上げられる子は、
①予習時点でしっかりと必要な知識を覚え、疑問点を洗い出す。
②授業内で疑問点を解決させる、もしくは授業後に先生に質問に行く。
③習った問題の類題を自力で解けるか、自分の手持ちの問題集でも確認する。
このようなことをしっかりと行っている子です。
2.予備校のカリキュラムは、自分専用のカリキュラムではない。
集団授業のカリキュラムというのは、当たり前ですが「固定のカリキュラム」です。授業を受ける層のレベルはこのぐらいで、最終目的地点に辿り着くまでにこのくらいのペースで行くということを前提に作られています。しかし、苦手な単元は人それぞれですし、どこまで分かっていて、どこから分かっていないのかについてはもはや十人十色です。効率面では、決して最善策ではありません。
上記の理由から、集団授業はあくまで「学習のペースメーカー」として活用すべきで、それ以上にはならないと理解すべきです。集団授業のカリキュラムとは別に「自分専用カリキュラム」も自分で持っていないと話になりません。
浪人生からくる依頼の一つとして、「自分の苦手単元は通っている塾では2学期にならないと入らないので不安です。」という依頼が挙げられます。
物理受験生は、だいたい「波動」や「電磁気」が苦手です。
ところが、集団従業では「1学期:力学・熱」、「2学期:波動・電磁気」というところも少なくないです。これでは不安に感じるのも無理はありません。
化学の場合、「2学期:無機・有機・高分子」となることが多いですが、暗記単元は先んじてやっておかないと、後半辛くなる部分も多いです。
個別指導で、本当に優秀な先生は「分かったつもり」にさせません。これまでの指導で「本当は理解していなかった」というのを何度か経験しました。このような経験から「自力で問題が解けるようになる」を重視した指導を行っています。また、個々の生徒の状況に合わせて個別のカリキュラムを組んでいます。
何かピンときたという方は、まずはお問合せから、よろしくお願いいたします。
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