【集団指導】と【個別指導】の選び方&向いていないのに集団指導塾に通っている生徒さんはどうすればいいの?

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2023/9/18

中学生の数学・英語・理科を指導している講師の坂口です。

個別指導の経験と子供を集団指導塾に通わせた経験から、指導者の目で生徒さんが集団指導塾に向いているかどうか、また不向きな生徒さんの学力向上を図るためにはどうすればよいか、さらに集団指導に向いていないのに集団指導塾に通っている生徒さんはどうすべきかという点についてまとめました。


集団指導塾の特徴

集団指導塾の指導の特徴とはどのようなものでしょうか?

一般的には次のようなことが言えると思います。

①学校よりも授業スピードが速い。

②学校よりも難易度が高い発展問題や応用問題まで取り組ませる。

③授業中に生徒の一人ひとりのノートをチェックすることが難しい。

④生徒全員が問題を解き終えるまで解説を待つことができない。

⑤生徒全員が理解できるまで解説し続けることが難しい。


③については、自力では解けなくても、講師がヒントを出しながら最終的に本人が解答を導くといった小さな成功体験の積み上げ型の指導ができません。


④については、塾の授業レベルや生徒の学力レベルのばらつきによって違いがありますが、授業時間内に予定単元を終わらさなければならないことや、すでに問題を解き終えた生徒のモチベーション維持の点から生徒の60~70%が問題を解き終えたくらいのタイミングで解説に進むことが多いです。ですから、30%~40%くらいの生徒はいつも問題を自力で解き終えることができないことになります。


⑤については、理解できなかった問題が基本問題であった場合には、その類題、応用問題、発展問題、宿題まで理解できないため、生徒にとっては大きなストレスとなります。


集団指導塾に向いている生徒さんの特徴

それではこのような特徴をもった集団指導塾の指導に向いている生徒さんの特徴とはどのようなものでしょうか。

・学校の授業スピードに問題なくついていけている。

・学校の授業内容はかなり理解できている。

・学校のテストで安定して80点以上取れている。

・積極的に授業に参加し、わからないところは先生に聞くことができる。

・集団の中で成績上位であることやライバルと競争することで学習に対するモチベーションが保てている。


以上のような生徒さんは集団指導塾でも成績が伸びます。また、個別指導でレベルの高い指導を受けても伸びると思います。だから本人が好きな方を選べば良いと思います。


集団指導塾に向かない生徒さんの特徴

一方、集団指導塾に向いていない生徒さんの特徴は、集団指導塾に向いている生徒さんの特徴のおおむね反対のタイプということになりますが、

・学校の授業スピードについていけていない。

・学校の授業内容でも理解できていないところがよくある。

・学校のテストで安定して平均点以上が取れていない。

・わからないところを先生に積極的に聞くことができない。

・性格的に授業の内容をテキストに書き込むことに固執し、内容を理解する方に頭が使われていない


以上のような生徒さんは集団指導塾ではまず伸びないと思います。


このような生徒さんが集団指導塾で指導を受けると、「ついていけない学校の授業」+「ついていけない塾の授業」、「自分でするのが難しい学校の宿題」+「自分でするのが難しい塾の宿題」という状況が発生します。


この状況にある生徒さんは成績が伸びないだけでなく勉強嫌いになって、成績が低下するという負のスパイラルになることもあるので、集団指導塾はおすすめできません。


このような生徒さんには個別指導塾、対面の家庭教師、オンライン家庭教師のような個別指導を受けることをおすすめします。


個別指導塾、対面の家庭教師、オンライン家庭教師の指導の特徴

①授業スピードを生徒が理解できるスピードに合わせることができる。

②生徒に取り組ませる問題の難易度は、生徒の学力や目標にあった難易度の問題までとする。(無理に難易度が高い問題はしない)

③授業中に生徒との口頭確認や書画カメラによる手元確認をすることによって、生徒の理解度をチェックしながら授業ができる。

④自力では解けない問題も講師が出すヒントを手がかりに本人が解答を導くといった小さな成功体験の積み上げ型の指導ができる。

⑤その生徒に合わせて宿題の難易度と量を個別に設定することができる。


個別対応型の授業ではこのような指導法を通して、学校の授業で理解できなかった部分を理解できるようにする→学校の授業についていけるようにする→安定して平均点以上を取れるようにする。といった正のスパイラル(成績上昇のスパイラル)が期待できることから平均点以下の生徒さんにはおすすめです。


すでに集団指導塾にお子さんを通わせている保護者様にご確認いただきたいこと

お子さんが集団指導塾の指導が本当に向いていますか?これを確かめることが大切です。

その確認方法は、

①生徒さんから直接、授業に対する話を聞いてみる

②お子さんの許可を得て授業中のテキストやノートへの解答の書き込みの確認、宿題の実施状況の確認をしてみてください。

③集団指導塾のオンライン授業を見学する。最近では集団指導塾でも一部の授業をオンラインの集団指導授業(講師が一方的に解説する映像授業ではない、生徒が問題を解く時間が与えられる集団授業)として行われる場合もあります。


①でもお子さんの反応から本人自身が集団指導塾の指導が合っていると思っているかどうかはある程度わかります。


②ではテキストやノートへの解答が自力でできている部分が極端に少なかったり、宿題があまりできていなかったり、解答を写しているだけのような場合には集団指導の授業についていけていないと判断できます。


③のような機会があればぜひお子さんのそばで授業を見学してください。先生が解答のために区切った時間内にお子さんが問題が解き終えているか、理解しながら授業を受けることができているか確認できます。これを確認すれば、お子さんが集団指導に合っているかどうかの判断がかなり正確にできます。


すでに集団指導塾に通わせているお子さんが集団指導に向いていないとわかったときにどうすべきか?

入会金やテキスト代を支払っているからもったいない。その気持ちは痛いほどわかります。

でも、そのまま惰性で集団授業を続けさせてよいでしょうか?


集団指導塾にそのまま通わせた場合、先に述べた集団指導塾での負のスパイラルがさらに大きなものになってしまいます。


どういうことかというと、塾では授業中に生徒たちに季節講習などを強く勧めることもあり、通常授業以外に季節講習を取らないと集団指導塾では生徒さんが集団の一員ではないような気持ちになるため、通常授業に加えて季節講習も受講することが多いです。

ですが、その分上述の負担がさらに増大し、負のスパイラルが増幅する形となります。


さらに中3になると通常授業に加えて、中2までの総復習、夏期講習、秋期講習、冬期講習、受験直前講習など、一年中講習が加わるため、中1,中2の2倍量以上の集団指導授業を受けることになります。この負担はとても大きいもので、増幅された負のスパイラルに加え、「こんなにたくさんのテキストがあるのに」、「こんなにたくさん塾に通っているのに成績が上がらないどころか成績が低下する」といった状況に陥ることもあり、親も子も非常に苦しい思いをすることもあります。だから、すでに集団指導塾に通わせていたとしても、お子さんに合っている指導を受けさせるために退塾させる判断も必要だと思います。


もちろん退塾させる判断は、集団指導塾の指導が悪い訳からというわけではないです。塾は契約通りのテキストを配布し、契約通りに非常に多い時間お子さんを指導し、成績が上がるようにという思いを持って指導していると思います。ただ、その指導法がお子さんにあっていないだけなのです。

しかし、お子さんが自分から「集団指導塾は合っていないから個別指導にしたい」とはなかなか言わないし、集団指導塾も「お子様は個別に変わったほうが良い」ともあまり言わない。

だから、指導を受ける授業の内容とお子さんの理解度については親が見極めて判断する必要がありますし、お子さんと共に授業に対してもっと当事者としての意識が必要だと思います。


オンライン家庭教師という選択

さて、近年は個別指導の中でも、オンライン家庭教師という指導形態がとても注目されています。これは先程のお子さんの学習に関して、保護者様が指導を受ける授業の内容を知り、お子さんの理解度を把握することが非常に容易にできる授業形態です。

オンライン授業では画面に映らない近くの場所で授業の様子やお子さんの理解度を確認できます。ですから授業の内容を把握した上で、お子さんの指導方法や内容について、面談やチャットという形で講師に直接、相談や要望することができます。


◉私の授業コースのご紹介

●【集団塾に向いていないから】★理解しながら進める私だけの数学

●【集団塾に向いていないから】★理解しながら進める私だけの英語

●【すぐに受講可】★理科★は定期的に復習しておく科目です

その他 高校受験対策コースなど多数のコースあり。

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