トップ層は“予習”じゃなく“基礎の復習”で差をつけている——その理由とは?
2025/7/10
「うちの子、予習もしっかりやっているのに、なぜか成績が伸びないんです…」そんな声をよく耳にします。
一方で、学年上位にいる生徒たちが口を揃えて言うのが、「予習よりも、まず“基礎の復習”を重視している」ということ。
実は、勉強ができる子ほど、“基礎”を何度も見直すという地味な作業を大切にしています。この「予習より復習」主義こそが、トップ層と中堅層の差を生む最大のポイントなのです。
◆ なぜ“予習重視”では成績が伸びにくいのか?
予習はもちろん大切です。しかし、予習だけで理解したつもりになると、次のような落とし穴にハマりやすくなります。
教科書や動画を見て「わかった気になっているだけ」で、自分では再現できない
難しい問題を予習で触れても、基本のパターンが身についていないため応用できない
間違えた原因が「基礎の抜け」なのに気づかず、応用に逃げてしまう
つまり、「基礎が曖昧なまま先に進んでも、土台がグラグラなので成績は安定しない」のです。
◆ トップ層の秘密は“基礎の徹底復習”にあった!
成績上位の生徒たちに共通するのは、「わかっている」ことを軽視しない姿勢です。
教科書の例題を何度も繰り返す
授業で解いた問題を“白紙で”もう一度解く
簡単な問題でも、答えにたどり着く“考え方”を説明できるようにしている
このように、トップ層の学習は「分かる」ではなく「できる」にこだわっています。彼らは“基礎の復習”を通して、「なぜその式になるのか」「どう考えるべきか」という思考の型を何度も体に染み込ませているのです。
◆ 基礎の復習が成績アップに効く3つの理由
1. 「自動化」されるから解くスピードが格段に上がる
同じ問題や類題を繰り返すことで、思考が自動化されます。例えば、一次方程式の解き方を完全に身につけた人は、迷わず正確に処理できます。この「迷いのなさ」が、難しい問題に挑む余裕を生むのです。
2. 応用問題の“正体”が見えてくる
応用問題とは、実は「基礎の複合問題」にすぎません。図形×方程式、確率×組み合わせ、二次関数×文字の範囲…すべて、基礎の延長線上にあります。基礎がしっかりしていれば、「これはあの型だな」と気づけるようになります。
3. 点数が安定する
テストでコンスタントに高得点を取れる子は、ミスが少なく、基礎問題で確実に得点します。応用で差がつくのではなく、基礎で落とさないことが最大の武器なのです。
◆ “基礎力強化メソッド”で土台から成績を変える
私が指導に取り入れている「基礎力強化メソッド」では、以下のような手法で“基礎の復習”を徹底しています。
「できた問題」こそ、解き方を言語化する → 自分の言葉で説明できるかが、理解の真のバロメーターです。
「式だけ書いた問題」はもう一度やり直す
→ 正解でも、思考の流れが残っていなければ意味がありません。
◆ まとめ:「予習より復習」が成績アップの近道
目新しい問題や先取りの学習に目が行きがちですが、成績を安定させ、伸ばすための最短ルートは“基礎の徹底”です。
「わかっているはずの問題を、あえてもう一度」「簡単すぎる問題を、あえて時間を計って解いてみる」こうした一見地味な学習こそが、後の大きな差につながります。
もし、今の勉強に伸び悩みを感じているなら、“予習中心”から“復習重視”へ学習スタイルを変えてみませんか?その一歩が、見える景色を変えてくれるはずです。
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