【英語・古文・漢文・現代文】文脈判断とはなにか?「文脈を<想像>したら落ちる」
2024/6/25
古文で「ああ、これは文脈判断だから」と学校の先生に言われて「またかよ」と思った人も多いと思います。
今回は、「文脈判断とはじつは何か?」についてお話したいと思います。
「北大の英語」を例にとります
「北大の英語(第八版)」の大問4の長文読解問題を例にとりましょう。
例によって、ふつうに読んだのでは何を言ってるのか判然としない問題文です。問題文に出てくるキーワード「自由至上主義的家父長主義」をそれと和訳できれば、まあまあ救いがありますが、おそらく多くの生徒はそう訳せないはずです。「そもそも家父長制とは何ぞ」。
ある一定レベル以上の国公立大学の長文読解問題は、しばしばこのように何を言ってるのか判然としない文章が出てきます。したがって、多くの受験生は「例えば」という言葉にすがるように読んでいます。例示は読みやすいし理解しやすいからです。
論の構造はどうなっているのか?
しかしじつは、こういうものは読み方があります。
まず、最終段落が著者の主張を表しているのではないかと推理して、最終段落(この場合なら6段落目)を読みます。
すると、「支持派はこうです」それに対し「反対派はこうです」と書かれています。
ここが最大のポイントです。
英語も現代文も古文も漢文も、すべからく論というものは、自分の主張と正反対の主張を置かないと「論じられない」という特性があります。
簡単に言えば、「これは白です」ということを証明しようと思えば、黒いものを持ってこないと、「これは白だ」と論じられないでしょう? 白いものを100個見せようと1万個見せようと、「なぜそれが白と言えるのか?」を論証できないですよね?
こういうのは人間の脳(思考)の特性みたいなもので、ほとんどすべての文章は、自分の主張と反対の主張を「仮想敵」として論を展開します。
というわけで、まず6段落目で対立構造が取れれば、まあまあラッキーです。
その後どうするのか?
しかたないから1段落目から順番に読んでいきます。
すると、各段落に逆接の接続詞があることが分かります。
当たり前のことですが、逆接の接続詞の前と後で論が変わっています。
つまり、問題文の中から対立する二つの言葉や文章を見つけだせば、それがその問題文の構造になっているということです。
対立表現は1つしかないわけではなく、ふつう、複数ありますから、見つければ見つけるほど、あなたの脳内における問題文の構造は強固なものとなり、論の展開がすっきり見えてくるようになります。
そうなれば細かいところが読めなくても、特に気にすることはありません(国公立の2次試験の英語って全部読めなくても合格するよ、と言っている人は、つまりこういうことを言っているのです)。
文脈判断とはなにか?
論の構造は絶対に揺るがないものですから、それにしがみついて読んでいけばいいのです。
そうすると、問2~5はすらっと解けるでしょう。完全解答できなくても「論旨」は押さえられているわけですから、部分点はくれるはずです。
問1と6は空欄補充問題です。わたしはまだ解いていません。ごめんね。
文脈判断というのは、文章における対立構造に依拠して「推論する」ことを言います。
古文も漢文も現代文も同じです。
古文の場合は、順接の接続詞と逆接の接続詞に着目して読むことによって、問題文の構造が見えてきます。
漢文はしばしば接続詞が省略されますが、今読んでる文章と前の文章が同じことを言ってるのか、違うことを言ってるのか? 白について論じているのか? 黒について論じているのか? が分かれば、おのずと構造が取れます。あとは対句表現を「意識して」読むとか。
繰り返します。文脈判断とは、文章の構造に依拠して推論することを言います。
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