【現代文&小論文対策】すぐ書けるようになる「魔法の要約テクニック」5選
2024/9/26
例えば、神戸大学の現代文の最終問題は毎年、「著者の主張を要約せよ」です。
また、中堅国公立大学の総合型選抜ではしばしば、5000文字ほどの超長文を、その1割以下の300文字程度に要約させる問題が出されています。
というわけで、要約はできないよりできたほうが断然お得だと言えます。
では、要約ってどうすればいいのでしょうか。
文章の構造読解のプロである私が、その方法を端的に4つお伝えします。
ちなみに、英語も同じです。下線部和訳ができない人は「要約力」がないから、下線部の直訳しかできないのです。英語力と国語力は相関関係にある、とはそういうことなのです。
1,意味段落とは「問い」から次の問いの手前まで
5000文字ほどの超長文の場合、学校の先生はしばしば「意味段落で段落を分ければよい」と生徒に教えますが、意味段落は「文章が何を言ってるのか」がわからないと分けることができません(ホント学校の先生って無理なことを生徒に要求しますよね)。
そこでまず、ざっくりと意味段落を分けるテクを知っておく必要があります。
意味段落とは、問いから、次の問いの手前まで、と理解しましょう。
文章は(1)問い(2)主張(3)根拠 の3つの要素で成っています。これは問題文全体に言えることであり、同時に、各意味段落内に言えることでもあります。つまり、超長文は(1)~(3)のかたまりを3つほど持っている文章というわけ。
ちなみに、問いとは「〇〇とはなにか」とか「なぜ〇〇なのだろう」という疑問文のことです。
2,段落の冒頭の言い切っている文章に着目する
自分で文章を書けば即座に分かることですが、段落の冒頭には問いか自分の主張のいずれかを置く場合がほとんどです。
もちろん、例を示したい場合は、「例えば」から書き出しますが、そうではない場合、段落の冒頭には問いか主張のいずれかを「書きたくなる」でしょう。あなたが読んでいる文章を書いた著者も同じ思考回路を持っています。これは国語の勉強というより、ヒトの脳の思考のクセです。
3,接続詞に着目する
超長文は読むのがダルいと思いますので、接続詞を追っかけていこう。
基本的には、逆説の接続詞(しかし、一方で、など)や、つまり、といった結論を表す接続詞の後の文章を拾っていきます。
4,文中の言葉を積極的に使う
文中の言葉をそのまま使ってはいけないと指導する先生もいますが、例えば神戸大学の場合、文中の言葉をそのまま使うことなく、自分で好き勝手に言い換えれば、たいてい、点をくれません。文中の言葉と高校生が考える言い換え言葉の間には、どうしても乖離が生じるので、「著者はそのようなことは言っていない」という理由で点をくれないのです。
したがって、まずは、上記1から3のテクニックを使って本文から抜いた文章をそのまま繋げていきましょう。
5,問いと主張と根拠だけを抜き出す
上記1から4のことがよくわからない場合、問題文の中から、問いと主張と根拠だけを抜き出しましょう。5000文字を超える超長文の場合、問いと主張と根拠のセットは3つほどあるでしょう。
まずはそのレベルを目指すといいと思います。
上記のことがよくわからない場合は、私の講座を受講なさってください。要約とは「脳の運動」ですから、運動を静的記述言語で説明するのには限界があるからです。これはいわゆる参考書ルートの限界でもあります。参考書ルートの塾から私の指導へとシフトする生徒さんが多いのは、そういった理由もあるでしょう。
ではまた!
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