小論文の本当の基礎|最低限これだけができればOK!
2024/9/26
市販の小論文の参考書にはさまざまなことが書かれていますが、小論文ってじつは簡単なのです。小論文とは論文の小さなものですから、論文の構成を模して書くとOKです。
しかし、論文をまだ読んだことのない高校生にそう言っても伝わらないでしょうから、以下に簡単にまとめました。
ちなみに、以下は私の受講生に配布しているレジュメのコピペです(無論、私が作成しました)。それを知ったからといって即座に小論文が書けるようになるわけではないので、知識は無料で放出する。これが私のスタイルです。小論文は繰り返し、他人に読んでもらって修正する、そうすることではじめて書けるようになります。
では、以下に、コピペの資料を見ていきましょう。
はじめに
すべての文章は問いと主張とその根拠の3つの情報を内包しています。
文章は著者の問いからしか生まれないからです。
問いとは「●●とは何か?」「なぜ××なのか?」といった短文で表すことのできるものです。空はなぜ青いのだろうという問いを抱いた人が「空はなぜ青いのか」というタイトルの本を書くのです。したがって、小論文に書くべきことは、
1 問い
2 主張
3 根拠
となります。が、多くの場合、問いは与えられているので、問いに対する主張とその根拠をまず考えます。
主張を導く方法
「●●とは何か? 1000文字くらいで論ぜよ」といきなり言われて、即座に「●●とは△△です」と言える受験生はいません。したがって、なんらかをフックとして思考するしかありません。例えば、
1 身近なところから例を引っ張ってくる
例えば「本物とは何か」という問いに対して、「では偽物とはなんだろう」と思考してみる。すると、ブランドの鞄の偽物など、卑近な例がいくつか思い浮かぶでしょう。では、それはなぜ偽物と言われているのか? 信用できる機関が偽物と言っているからだ。とすれば……というふうに思考するとか。
これは当たり前の思考のように見えて、できる人があまりいません。受験生は難しい言葉で賢そうなことを論じなくてはならないと気負っているからです。
自分に下駄を履かせるというか、自分を上げ底気味に見せようとした時点で落ちると思ってください。そんな小手先のテクニックなど、大学の先生は即座に見抜くのです。トコトン誠実に書け!
2 そのことについて知っている情報を全部箇条書きにする
例えば、多様性について多角的に論ぜよという問いの場合、多様性について知っていることを箇条書きにしてみる(こういうのをアイデアフラッシュといいます)。それらをじっと眺めつつ、何か論じるフックがないか検討する。
3 偉い人がそのことについて何を言っていたのかを思い出す
要するに他人のアイデアを拝借する。パクる。
小論文の書き方
基本的には以下。
まず結論を書く。「●●とは××だと私は考える」
次にその理由(根拠)を書く「なぜなら●●とは△△だからだ」
最後に再び結論を書く。「以上のことから●●とは××と私は考える(冒頭部の繰り返しでOKです)」
理由が複数ある場合は「その理由を5つ、以下に論じる」などと書き、「第1に~」「第2に~」という段落構成にする。
いかがでしょうか。
基礎はこれだけです。ぜひ参考にしていただき、すぐれた小論文をお書きになってください。
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