過去問は「仕上げの武器」――取り組むタイミングを見極めよう
過去問は「仕上げの武器」――取り組むタイミングを見極めよう
こんにちは、教師の津田です。
今回のテーマは「過去問」。
高校受験を控えた受験生にとって、「過去問をいつ始めるか」は大きな関心事です。
過去問は志望校の出題傾向を知り、本番を想定した実戦練習ができる大切な教材ですが、タイミングを間違えると十分な効果を発揮できなくなってしまいます。
では、いつ、どのように過去問学習を始めるのがよいのでしょうか。
まず知っておきたいのは、
過去問は「自分の力を試すもの」であると同時に「弱点を明らかにする道具」でもある
ということです。
基本事項がまだ定着していない段階で解いても、「できなかった」という結果ばかりが目立ち、自信をなくしてしまいかねません。
そのため、過去問に本格的に取り組むのは、基礎学習がある程度固まってからが理想です。
一般的な目安は(私立、公立校で時期は1,2か月前後しますが)11月から年始にかけてです。
夏休みまでに主要教科の総復習を終え、定期テストがひと段落した10月ごろから実践的な問題演習に移ります。
そして、11月頃から過去問を解き始めると、入試までの数か月を使って自分の弱点を洗い出し、重点的に補強することができます。
ただし、まったく過去問を見ないまま秋まで過ごすのももったいない話です。
定期テストがひと段落下敷きに一度だけでも過去問を解いてみると、
「志望校の入試はこんな形式なんだ」「時間配分はこれくらい必要なんだ」
と実感でき、勉強の方向性が見えてきます。
そのうえで、「自分には英作文が弱い」「図形問題に時間がかかる」などの課題を意識して、日々の学習に取り組むと効果的です。
過去問に取り組むときは、極力「本番と同じ条件」で解きましょう。
時間を計り、静かな環境で、辞書や参考書に頼らずに解くことが大切です。
終わったらすぐに答え合わせをし、間違えた問題を徹底的に復習します。
過去問は解くだけで終わらせるのではなく、
傾向を把握して「できなかった問題をできるようにする」ことに意味があります。
過去問は受験勉強の総仕上げにあたる大切なステップです。
しかし、「早すぎても遅すぎても効果が薄れる」という点を忘れてはいけません。
基礎学習をしっかり固め、秋から本格的に取り組むことで、過去問は最大の効果を発揮します。
「過去問は最後の武器」。
そのタイミングを見極めて使いこなすことが、志望校合格への近道になるでしょう。