【海外子女向け】日本に帰国する前にやっておきたい算数・数学の準備3選
【海外子女向け】日本に帰国する前にやっておきたい算数・数学の準備3選

海外で学んでいるお子さんが日本に帰国する際、意外と多いのが「算数・数学のギャップ」に戸惑うケースです。
海外の教育では、学ぶ順番や内容、教え方が日本と異なることがよくあります。
「日本に帰ったら、もうその単元が終わっていた」「計算は得意だけど文章題になると手が止まる」――そんな声をこれまで数多く聞いてきました。
私は日本初のスタジオティーチャーとして、海外子女・帰国子女の算数・数学を30年以上サポートしてきました。
その経験から、帰国前に少し意識しておくだけでスムーズに日本の学習に戻れる“3つの準備”をお伝えします。
① 日本の教科書で「単元の順番」を確認する
まず最初に確認したいのは、日本の教科書で学ぶ単元の順番と内容です。
海外のカリキュラムでは、「分数」「小数」「割合」「速さ」などの扱い方が大きく違うことがあります。
たとえば、アメリカやインターナショナルスクールでは、図形やデータ分析に力を入れる一方、日本では計算の正確さや文章題の読解力を重視します。
そのため、帰国してから「もうその単元が終わっていた…」ということも少なくありません。
帰国予定の学年より前後1年分の教科書を入手して、どんな単元が出てくるかをざっと確認しておくと安心です。
特に、小学5年から中学1年にかけての「割合・速さ・比例反比例」は、海外と日本で進度がズレやすい重要単元です。
② 計算だけでなく「文章題・読解」に慣れておく
海外の算数は「答えを出すこと」に重点を置く傾向があり、日本のように文章を読んで考える問題は比較的少ないです。
そのため、帰国後に「日本語の文章題が読めない」「何を聞かれているのか分からない」と感じるお子さんも多いのです。
対策としては、
日本の文章題問題集を週1回でも解いてみる
図を描いて整理する練習をする
親子で「なぜそうなるのか」を話し合う
このような取り組みが効果的です。
特に「読む・考える・説明する」という3ステップを意識することで、単なる計算力ではなく考える力が育ちます。
③ “日本語での説明力”を育てておく
海外で育ったお子さんの多くは、英語や現地語ではスラスラ話せても、日本語で説明する力が弱くなりがちです。
算数・数学の授業では「説明できない=わかっていない」と判断されることもあります。
そのため、帰国前に日本語で自分の考えを言葉にする練習をしておくことがとても大切です。
たとえば、
家で「今日の算数で面白かったこと」を日本語で話す
ノートに簡単な「算数日記」をつける
親が「どうしてそう思ったの?」と聞いてみる
これだけで、日本語での思考力がしっかり育ちます。
また、「正しい答え」よりも「どう考えたか」を大事にしてあげると、お子さんは安心して言葉を使えるようになります。
🎯 まとめ
日本の算数・数学にスムーズに戻るためには、
1️⃣ 教科書で単元の順番を確認する
2️⃣ 文章題に慣れておく
3️⃣ 日本語での説明力を育てる
この3つが大切なポイントです。
海外で学んできた経験は、お子さんにとって大きな財産です。
発想力や表現力、英語での理解など、日本の子どもたちにはない強みを持っています。
その強みを活かすためにも、少しの準備で「日本の算数に強い海外子女」へと変わることができます。