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円環的因果律の観点で生徒様を支える

2025/2/14

「円環的因果律」とは相互に原因であり、かつ結果でもあるという関係を指します。これは、卵と鶏の関係に例えられます。卵が原因で鶏が結果であるとは断定できず、お互いが循環的に繰り返される関係です。家族療法では、クライエントの問題を家族の構成員間、または家族システム内における円環的因果律の観点から捉えます。

教育現場において、生徒の素行が悪かったり成績が伸び悩んでいる場合、その原因をすべて生徒のせいにしてしまいがちです。しかし、実際には教師、塾講師、家族、友人などとの人間関係が大きな影響を及ぼしています。問題の原因と結果が円のように相互に影響し合っているため、当事者は生徒本人だけではありません。このような考え方から、できるだけ多くの利害関係者から情報を収集し、生徒が前に進めるようサポートしていく必要があります。たとえば、成績が伸び悩んでいる生徒がいるとします。その生徒が親から「毎日勉強しなさい」と言われ続けている場合、かえって成績が伸びないことがよくあります。「勉強しなさい」と言われて気持ちよく勉強できている生徒を見たことがありません。そのため、まずはそのような言葉をやめることが必要だと思います。ただし、円環的因果律の観点では、その親だけが原因と考えることはしません。親にそう言わせている人間関係――たとえば夫、祖母、友人など――が関係しており、それらが連鎖して循環しているのです。この負の因果律を完全に解消することは難しいですが、利害関係者が責任感を持つことで、それを緩和することは可能です。私は家族の因果律に直接関与する立場ではありませんが、間接的な利害関係者として、ご家族に迷惑をかけないよう細心の注意を払いながら、可能であれば支援できるよう努めています。チャットサービスでいつでもお話を伺いますので、ご活用ください。


 これは「心が整えば勉強が捗る」という考え方につながります。家庭環境が安定し、生徒の人間関係がうまくいっていれば、進捗に差はあれど、才能にかかわらず成績は伸びていきます。

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