AI時代の「自分で考える力」で合格する
2025/2/14
近年、AIやChatGPTの発展により、仕事における知識の重要性が低下しています。プログラミングではChatGPTがコーディングの下書きを行い、作曲ではSUNO AIが一から仕上げるなど、AIは事務的な作業だけでなく、クリエイティブな分野にまで進出しています。これからその精度はさらに向上し、人間の関与はますます少なくなっていくでしょう。
同様に、受験においても単純暗記による高得点が期待できる問題は減少しています。例えば、英検では単語力の影響が大きい長文問題が減少し要約問題が追加され、大学共通テストではグラフや長文を総合的に読み取る形式が導入されています。また、大学個別試験ではエッセイ問題やスピーキング問題が増加しています。これらの試験に共通しているのは、その場で考え、予測する力が重視されている点です。問題作成者は、単なる暗記では解答できないよう工夫を凝らしているのです。
私が指導している生徒の中にも、努力しているのに成績が伸び悩む生徒がいます。彼らは、問題の答えが一つしかないと考える傾向があり、丸暗記をしがちです。そして、自分の解答が不正解だと自分を責めて落ち込んでしまいます。その原因は、「100か0」の二極的な考え方です。不正解だったとしても、途中や部分的に正解に近づいている場合は、それをポジティブに受け止めるべきです。「今回は不正解だったけれど、次回は正解に近づけそうだ」と前向きに考えることが重要です。ユーチューバーの「QuizKnock」の方たちもこの考え方に近いですよね。
選択問題であっても、予測する力を忘れてはいけません。「答えは複数考えられるが、この問題ではこの答えが最も適している」と考え直す力が求められています。その場で論理的に考え、自分なりに導き出した答えが選択問題では不正解だったとしても、ライティングなど部分的に点数をもらえる形式が増えています。現代の受験では、知識とその場の情報をもとに柔軟に考える力がより一層重要になってきました。
以上の理由から、わたしの授業では生徒の解答方法を尊重し、それぞれの問題における適切な部分と改善点を一緒に考えることを大切にしています。このプロセスを通じて、生徒たちがAI時代に求められる「考える力」を養えるようサポートしています。その際、重要なのが対等な対話です。講師からの考えを押し付けるのではなく、生徒のアイデアや意見を採用することもあります。そうすることで、「考える力」が伸びていく。それはテストや社会生活において、100点を取れなかったとしても、安定した点数を取る、合格することにつながります。
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