定期考査が終わった後に

私が非常勤講師として勤務している高校は、現在中間考査の真っ最中です。私の担当する高校1年生の数学Aの試験が本日実施され、採点が終了しました。高校に入学して最初の試験ということで、生徒たちもしっかりと勉強して試験に臨んでくれていました。

中間考査期間が終了すれば、最初の授業で試験を返却することになりますが、生徒たちの関心事はクラス内順位や点数だけになりがちです。もちろん、「他の生徒と比べて良かった／悪かった」ということも大切ですし、「クラス平均点より良かった」などは生徒たちにとっては大きな指標の1つであることは間違いありません。ただ順位については、1つの集団の中には必ず1位から最下位までいるわけです。頑張っても順位が上がらなかったり、頑張らなくても順位が良かったりというようなことが起こるので、絶対的な指標にはなり難いでしょう。

そもそも定期考査は通過点の1つに過ぎませんので、むしろ、

「考査の結果を受けて、この後どうするか」

の方が大切になります。定期考査は、「受験前の準備と結果」より、「受験後の振り返りとその後の行動」がずっと大切なんです。

久しぶりに自転車屋さんに行って点検を受けて調整してもらうと、「自転車ってこんなに乗りやすかったんだ！」と新鮮な気持ちになったことはありませんか？知らず知らずのうちにタイヤの空気が抜けていたり、ネジが緩んでいたりして、必死に漕いでもまったくスピードが出ずに疲れてしまう、という状態になっていたりします。場合によってはそれが大きな事故に繋がることもあるでしょう。

学習面でも、この「メンテナンス」が重要であることは言うまでもありません。メンテナンスなく学習を続けていると、必死に漕いだ自転車が思うように進まないように、成績も思うように向上しません。点数に一喜一憂している生徒に、そのことを意識させることが私の大切な役割です。

現在、テスト返却後に生徒に記載してもらう「振り返りシート」を作成中ですが、その中で、以下のような問いかけを生徒にしたいと考えています。

①　入学から中間考査までの自身の取り組みについて振り返り、良かったところと改善点を探してみよう

• 授業内での自分の取り組み姿勢とその良かったところ・改善点
• 家庭学習に関しての自分の取り組み姿勢とその良かったところ・改善点
• 中間考査に向けての学習についての自分の取り組み姿勢とその良かったところ・改善点

②　期末考査までの目標を立てましょう

結果を受けて、次回の試験までの行動目標を設定します。

目標設定の際に重要なことは

• アウトプットではなく、インプットの目標を立てる
• できるかぎり、達成したかどうかが計測可能な目標にする

ということです。「次回のテストは平均点以上を取るぞ！」といったアウトプットの目標ではなく、「毎回の授業後は30分以上復習する」とか、「授業では先生の言うことをメモしながら集中して取り組む」など、インプットの（自分の行動次第で必ず達成できる）目標の方が良いでしょう。自分がコントロールできる部分で目標を設定をし、その達成度合いを自分で確認しながら学習を継続していくことが大切だと考えています。

生徒に振り返りシートを記載してもらい、場合によっては個別で面談をしながら、生徒一人一人が期末考査では少しでも向上できるよう、サポートしていきたいと考えています。この「自分の現状を把握し、改善を繰り返す」という姿勢は、社会に出ればあらゆる場面で必要になります。数学の授業を通して、将来の人生に役立つ力を少しでも育むことができれば、と思っています。

オンライン家庭教師であるマナリンクでは、「点数」という結果を出すことが最も重要だと思っていますので、これにはとことんこだわっていきたいです。ただし、私が学校で取り組んでいるような支援を1対1で更に手厚く行うことで、人間的にも大きく成長してもらえるよう、サポートできればと考えています。