学力向上のポイント「見える学力見えない学力」【ギフテッド児④】
【単に学力向上では無く、基礎・基本から学ぶ】
児童・生徒の皆さんと接する中で、色々と気づいたことを書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
<ブログの題名について>
「見える学力見えない学力」とは、ずいぶん前にベストセラーとなった教育書の題名です。点数に表れるだけではない学力。それは何か?子どもに真に学力を身につけるには、どうすればいいのか?
当時、話題になったものです。
「勉強しても点数が上がらない」「どういう勉強をしたらいいのか分からない」「苦手意識を克服したい」そういう悩みを持っていませんか?
また、親御さんにとって、子どもが一生涯身につける学力を願うのは、親として当然の思いです。
その観点で、少し役立つ情報を発信していきたいと思います。
(プライバシーに配慮するため、複数の児童・生徒のお話を混ぜながらお伝えしています。特定の児童・生徒のお話では無く、事実と異なる架空のエピソードとなりますが、どうぞご了承ください。)
【今日の話題】(ギフテッド児④)
さて、Fくんの物語、続きです。
Fくんの学校での居場所については、様々な紆余曲折があり、ドラマチックな展開もありましたが、そのストーリーは後の機会にご紹介することにします。
実際に、Fくんがどのような学習で、その生き生きとした表情と姿を取り戻したか…その点についてご紹介します。
学校の学習内容は教科書、もっと遡ると文科省が作成して編成する「学習指導要領」に則っています。Fくんの新たな学習は、全くそれに依らないもの…
具体的には難関中学校の受験問題です。
つまり、シンプルに、Fくんにとって小学校の学習内容は簡単すぎたのです。
もちろん、保護者には私立中学校へ進学するお考えはありません。しかし、試しにその手の問題集から問題を出題したところ、今までに無かったFくんの瞳の輝きがあったのです。
そうして、数日が経った頃、お母さんから、
「今まで、家で勉強をしている姿を見たことがない。しかし、学校から帰って机に座り問題に取り組んでいる姿を初めて見てびっくりした」
との連絡が来ます。
Fくんは、難しい問題で初めて「やる気」に出会ったのです。
そうして、やがてFくんは「数学検定(実用数学技能検定)」の合格を目指して学習を始めることになります。
ここで、肝心な教育理念を再び述べます。
凹凸があるお子さんは、凸を伸ばすことを中心に考えた方が良い結果が得られるようです。もちろん、凹凸の凹の部分は、ソーシャルスキルトレーニング等で取り組みを続ける必要はあります。
凹に目を奪われて、「身につけないと本人が将来困る」という発想ばかりで取り組みを進めることは、かえって子どもの困難を増やすばかりと考えます。
(つづく)