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私大現代文の解法②武蔵野美術大濁2023を例に

2026/1/7

みなさんこんにちは。今回は武蔵野美術大学の過去問を例に私大現代文のレッスンをしてみましょう(^^♪

まず、問と選択肢をざっと見てみてください。(なんのこっちゃと思うかもしれませんが(;^_^A

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問 「フロネーシス」とあるが、「フロネーシス」のあり方について筆者はどのように考えているか。最も適当と思われるものを次の中から一つ選べ。

①科学技術と社会が不調和な状態にある現代において、フロネーシスは調和を回復するための新たなソフィアとなる。

②優れたソフィアとテクネ―を身に付けた人間だけが、人類に貢献するような信頼に足るフロネーシスの担い手となる。

③高度な人工知能が可能にする自律的メガテクノソフィアは、意図せざる結果を可能か限りなくすためのフロネーシスとなる。

④自律的メガテクノソフィアが人類にとって最善の選択をおこなう価値のプログラムをデザインするためにはフロネーシスが求められる。

⑤巨大ネットワークとしての人工知能は自律的な行為選択の機能を備えた疑似フロネーシスとなる、人類の生きる環境に望ましい影響を与える。

⑤現代のフロネーシスは、想定外の結果を予測できないという近代テクノソフィアに限界を自覚したうえで、行為選択の帰趨すべてを視野に入れる。

⑥現代のフロネーシスは、想定外の結果を予測できないという近代テクノソフィアの限界を自覚したうえで、行為選択の帰趨すべてを視野に入れる。

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専門語彙ばかりなのでなんのこっちゃという感じかもしれませんね。こうやって並べてみると小難しい言葉たちの連なりで辟易してしまいそうです(;^_^A

解法①(未読の方々へのヒント💡)

ここで、三つの重要な語彙が出ているのはわかるでしょうか。

それはソフィアとテクネ―とフロネーシスです。

ソフィアは知性、テクネ―は技術、フロネーシスは倫理と本文では書かれています。

解法②(未読の方々へのヒント💡)

本文では、これら三つの関係について、次のような関係があります。

(1)テクネーとソフィアは融合することがある。

(2)テクネ―やソフィアをただすのはフロネーシスである。

(3)テクネ―やソフィアと、フロネーシスは融合することがない。(してはいけない)

つまりテクネーとソフィア/フロネーシスは区別された言葉だということです。しかもフロネーシスはテクネーやソフィアの暴走を止めることができます。

さて。

ここまで読んで、この選択肢の「作り方」「間違わせ方」がわかるでしょうか?

包含関係について整理しながら語彙の関係についてどのように選択肢が作られているかというと、、、、

【選択肢の分解】

①科学技術と社会が不調和な状態にある現代において、フロネーシスは調和を回復するための新たなソフィアとなる⇒フロネーシスはソフィアの中にあることに!

②優れたソフィアとテクネ―を身に付けた人間だけが、人類に貢献するような信頼に足るフロネーシスの担い手となる⇒ソフィア+テクネー=フロネーシスになってしまっている!

③高度な人工知能が可能にする自律的メガテクノソフィアは、意図せざる結果を可能か限りなくすためのフロネーシスとなる。⇒(メガ)テクノソフィア→フロネーシスになってしまっている!

④自律的メガテクノソフィアが人類にとって最善の選択をおこなう価値のプログラムをデザインするためにはフロネーシスが求められる。⇒(メガ)テクノソフィアとフロネーシスが分けられて書かれている!

⑤巨大ネットワークとしての人工知能は自律的な行為選択の機能を備えた疑似フロネーシスとなり、人類の生きる環境に望ましい影響を与える。⇒技術(テクネー)⇒フロネーシスになってしまっている!

⑥現代のフロネーシスは、想定外の結果を予測できないという近代テクノソフィアの限界を自覚したうえで、行為選択の帰趨すべてを視野に入れる。⇒テクノソフィアとフロネーシスが分けられて書かれている!

①②③⑤はテクネー・ソフィア/フロネーシスの区別が無効化されていることに気が付きますか??

包含関係であったり、テクネーやソフィアがいずれフロネーシスになってしまっている。これでは本文の内容に相違してしまいます。

そして残る選択肢は④⑥ですが、ここで⑥に「すべて」なんていう極端な語彙が入っていますね。これは正解に選びづらい。(本文にすべてと書かれている場合は別です!)

よって答えは④となります。

今回みなさんにお伝えしたいのは、難しい語彙たちが並んでいて一見厄介そうに見えるこの問いでも、結局は語彙の関係【テクネー・ソフィア/フロネーシス】を押さえておけば解くことができるということです。

選択肢がどのような意図で作られているのかぜひ考えながら問題をじっくり解いてくださいね。

ちなみに私の授業では、このような解説をした後の次の授業では、この選択肢はどうして間違っていたか、どうしてその選択肢を正解にしたのかを確認する復習テストを自作で作っています。じっくり納得のいく学習をしたい人はぜひ一緒に勉強してサポートできると嬉しく思います(^^♪

ぜひお気軽にお声掛けください。

長文ご一読ありがとうございました(^^♪

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