中学受験・秋の面談で課題を指摘されたら読む作戦書

中学受験の秋の面談で、講師から計算力がまだ弱い、問題文が読めていない、と課題を指摘され、帰り道に気持ちが沈んだ保護者の方へ。結論から言うと、その指摘は成績表よりも価値のある情報です。
10月から11月は、四谷大塚、日能研、SAPIXをはじめ、多くの塾で保護者面談が行われる時期です。そして面談の帰り道に保護者が持ち帰るものは、大きく二つに分かれます。次の1か月の作戦か、傷ついた気持ちか。
前者を持ち帰った家庭は、冬に向けて着実に点を積み上げていきます。後者を持ち帰った家庭は、たいてい次の面談でも同じ課題を言われます。算数専門で数えきれないほど面談をしてきた僕の実感として、この差は子どもの能力差ではありません。面談の受け取り方の差です。
中学受験の秋の面談で、講師が課題を言う本当の理由
講師側の内情を少しだけ明かします。面談で講師が課題を口にするのは、その課題が解決可能だと判断したときだけです。
算数で言えば、計算の精度、問題文から図を描く手順、速さの単位換算。どれも、正しい手順で3〜4週間鍛えれば目に見えて変わる領域です。
逆に、解決できないことは言いません。お子さんは今、空を飛べませんね、と伝える講師がいないのと同じです。言っても状況が変わらないことを口にするのは、時間の浪費でしかありません。面談の時間は長くても30分ほど。その貴重な時間を使ってまで課題を伝えるのは、そこに得点の伸びしろがあるからです。
つまり課題の指摘とは、ここを直せば点が上がるという地図です。批判ではありません。
なぜ面談の指摘が批判に聞こえてしまうのか
それでも、面談で課題を聞いた瞬間に心がざわつくのは自然なことです。理由は単純で、子どもの成績表を、親が自分の通知表のように感じてしまうからです。
毎晩の丸つけ、送り迎え、週テストの直し。これだけ伴走していれば、子どもの弱点を指摘されたとき、自分の努力不足を責められたように聞こえるのは無理もありません。正直に言えば、僕たち講師の伝え方が足りず、そう聞こえさせてしまっている面もあります。
ただ、ここで防御に入ってしまうと損をします。面談でよく聞く反応に、次のようなものがあります。
家では解けているんです
うちの子は本番に強いタイプなので
忙しくて家庭学習の時間がとれなくて
どれも事実なのでしょう。しかし、できない理由が並び始めると、講師は解決策を出しにくくなります。出しても実行されない空気を感じると、提案を引っ込めてしまうのです。結果、面談は様子を見ましょうで終わり、1か月後に同じ課題が同じ形で残ります。
受験は残酷なほど公平なゲームで、守りに入った家庭の失点を誰も補填してはくれません。
面談で言われた課題を得点に変える1か月の作戦
では、課題を言われた家庭は、面談の翌日から何をすべきか。僕が勧める手順は3つです。
課題を単元名と失点の型に翻訳する
計算力が弱い、のままでは対策できません。分数の通分で落としているのか、小数の位取りなのか、途中式を書かずに暗算で崩れているのか。課題を単元名と失点の型まで細かくして、初めて打ち手が決まります。
面談の場でそこまで聞けなかったなら、直近の週テスト、組分けテスト、育成テスト、マンスリーのどれでもいいので答案を1枚出して、×がついた問題を計算ミス、読み違い、解き方が分からない、の3つに仕分けてください。これだけで、課題の正体はかなり見えてきます。
1日10分の固定枠を作る
課題の対策は、量より頻度で決まります。土日にまとめて2時間やるより、毎日10分を4週間続けるほうが確実に効きます。
計算が課題なら、予習シリーズの計算や塾の計算テキストから、失点の型に合った問題だけを1日5問。問題文の読み違いが課題なら、文章題を1問選び、式を書く前に線分図や面積図を描く練習だけをする。解き切らなくていいので、図を描くところまでで終わりにします。
次の面談で答え合わせをする
4週間後、同じ講師に、先月の課題がどう変わったかを聞いてください。
これは講師にとって最も嬉しい質問です。課題を受け取り、実行し、結果を確かめに来る家庭は、講師から見て一番手を貸したくなる家庭です。次の提案は、確実に一段深くなります。
秋の面談で指摘された課題は、冬までに埋まる穴です
秋の面談で言われた課題は、入試本番までの残り時間で埋められると講師が判断した穴です。小6でも、ここから2月までにはまだ3か月以上あります。小4・小5であれば、なおさら時間は十分です。
面談の帰り道に落ち込むのは、その日1日だけにしてください。翌日からは、指摘を地図として使う側に回りましょう。地図を燃やしたまま冬を迎える家庭も毎年一定数いらっしゃいますが、競争相手としては大変ありがたい存在なので、読者の皆さんにはぜひ地図を持って歩く側にいていただきたいと思います。
課題を失点の型で特定したいご家庭へ
面談で言われた課題を、言われたまま放置しないこと。これが秋の面談を得点に変える、いちばん確実な方法です。
課題の正体を家庭で仕分けるのが難しい場合は、僕のマナリンクのプロフィールにある「【お試し・算数】1ヶ月で失点の型を特定する診断コース」で、答案から失点の型を一緒に特定します。
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