旅人算のダイヤグラムが書けない子は直角三角形に戻れ
旅人算のダイヤグラムが書けない。書いても線の意味が読めない。小5、小6の保護者から、この相談は途切れません。結論から言います。原因は才能でも根気でもなく、出発点の選び方です。
ダイヤグラムを「絵」として描かせるから、子どもは迷子になる
ダイヤグラムを習うと、多くの子は「きれいなグラフを描くこと」が目的になります。縦軸に距離、横軸に時間、線を引いて交わったところが出会い。ここまでは覚えられます。ところが、問題が少しひねられた途端に手が止まります。
理由は単純で、線を「覚えた形」として描いているからです。形を覚えた子は、形が変わると対応できません。きれいなグラフを何枚も量産して安心している親子は、僕から見ると良質な養分です。非効率な努力ほど、本人たちは頑張っている実感があるので厄介です。
基本はたった1つ。直角三角形を1個描く
ダイヤグラムの線は、全部「直角三角形の斜めの辺」だと考えてください。縦が距離、横が時間。斜めの線の急さが速さです。
たとえば、12分間で900m進む線があるとします。縦900、横12の直角三角形です。ここから速さは900 ÷ 12 = 75で、分速75mと読めます。さらに、この三角形は大きさを変えても形が同じです。横が6分の小さい三角形なら、縦は450mになります。
ダイヤグラムの問題の多くは、この「同じ形の三角形をどこに見つけるか」で解けます。式を立てる前に、まず三角形を1つ描く。順序を逆にしないことが肝心です。
追いかけ算で実際に使ってみる
例題です。妹が家を出て、分速60mで歩きます。姉は8分遅れて出発し、分速100mで追いかけます。姉が追いつくのは、姉が出発して何分後で、家から何mの地点でしょうか。
まず、姉が出発した時点で、妹はすでに60 × 8 = 480m進んでいます。ここで描く三角形は、2人の間の距離が縮んでいく様子です。縦が480m。この距離が1分あたり100 - 60 = 40mずつ縮みます。
縦480mを、1分で40mずつ減らす三角形ですから、横の長さは480 ÷ 40 = 12分。姉が出発して12分後に追いつきます。地点は、姉の速さで考えて100 × 12 = 1200m。確認として妹側も計算すると、妹は8 + 12 = 20分歩いているので、60 × 20 = 1200m。一致します。
この確認の習慣も、あわせて身につけさせてください。答えが合っているかを自分で検算できる子は、模試の後半で崩れにくくなります。
つるかめ算で固まったら、計算を止めて三角形に戻る
走る、休む、歩く、が混ざるタイプの問題では、つるかめ算を使って時間を出す場面があります。ここで多い失敗が、時間が出た瞬間に満足して、本当に求めたい量への変換で混乱するパターンです。
そういうときの指示は1つだけです。計算をやめて、三角形に戻る。時間がわかったなら、その時間を横にした三角形を描いて、縦、つまり距離を読めばいい。僕の授業でも、数字が出たのに最後で止まる子には、三角形に戻らせます。迷ったら戻る場所を決めておくだけで、混乱はかなり減ります。
詰まったときの戻る順番を、親が決めておく
誤答が出たとき、最悪なのは親が横から答えを言うことです。代わりに、戻る順番を固定してください。
問題文をもう一度、声に出して読む
状況を線分図で描く(誰がいつ、どこにいるか)
線分図をダイヤグラムにして、三角形を1つ描く
この順番を守ると、誤答の原因が「読み違い」なのか「図の描き違い」なのか「計算ミス」なのかが見えてきます。たとえば線分図を描かせた途端に、出発時刻のずれに気づく子は少なくありません。誤答は、情報がどこで落ちたかを教えてくれる貴重なデータです。
塾のテキストの解説が読めないときの使い方
塾の解説は、三角形の存在を前提に、いきなり式から始まっていることが多いものです。解説を読んで「なぜその式になるのか」がわからないときは、解説の式の横に、縦と横が何かを書き込んでください。縦が距離、横が時間。ここが埋まれば、式の意味はかなり読み取れます。逆に埋まらない式は、まだ理解していない部分として印をつけておけば、次の授業で質問する材料になります。
明日から親がすべき、少しだけ非情な決断
きれいなグラフを描かせる宿題チェックをやめてください。代わりに、問題を1問選んで、三角形だけを描かせる。縦、横、斜めがそれぞれ何を表すか言わせる。これだけで十分です。
旅人算のダイヤグラムは、三角形が読めるようになれば、追いかけ算、出会い算、つるかめ算との融合問題まで、同じ道具で戦えます。逆に言えば、三角形を飛ばしてグラフの形だけ覚えさせるのは、地図を暗記して道に迷う訓練です。
ダイヤグラムを三角形から組み立て直す練習は、マナリンクのプロフィールにある【予習シリーズ5年算数】割合・比・速さを先取り攻略 というコースで扱っています。無料相談もありますので、お子さんの図がどこで止まっているか、気軽に見せてください。
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
中学受験におすすめの指導コース
- 特殊算を基礎から勉強したい方
- 特殊算が理解出来ていないまま暗記してしまっている方
- 特殊算の中に理解出来ていない単元がある方
- 進学塾の学習のペースについていけないと感じている方
- 塾でクラスアップをめざす方
- 志望校合格に向けて学習のペースを上げていきたい方
- 中学受験新演習で学習を進めている全ての中学入試を受験する生徒様
- 塾で中学受験新演習の内容がわからないので、コーチングをしてほしい生徒様
- 模試などでしっかりと点数を取って志望校に合格したい生徒様
- 「学習のきっかけづくり、受検戦略、学習進捗管理」に苦手意識のあるご家庭
- 都立中高一貫校(適性検査受検)の対策
- 先生とのコミュニケーションを楽しめる生徒さん
- 同じ漢字を何回も間違える
- 知らない言葉がたくさん出てきてわけが分からない
- 国語の「基礎」を作りたい