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旅人算のダイヤグラムが書けない子は直角三角形に戻れ

2026/10/26

旅人算のダイヤグラムが書けない。書いても線の意味が読めない。小5、小6の保護者から、この相談は途切れません。結論から言います。原因は才能でも根気でもなく、出発点の選び方です。

ダイヤグラムを「絵」として描かせるから、子どもは迷子になる

ダイヤグラムを習うと、多くの子は「きれいなグラフを描くこと」が目的になります。縦軸に距離、横軸に時間、線を引いて交わったところが出会い。ここまでは覚えられます。ところが、問題が少しひねられた途端に手が止まります。

理由は単純で、線を「覚えた形」として描いているからです。形を覚えた子は、形が変わると対応できません。きれいなグラフを何枚も量産して安心している親子は、僕から見ると良質な養分です。非効率な努力ほど、本人たちは頑張っている実感があるので厄介です。

基本はたった1つ。直角三角形を1個描く

ダイヤグラムの線は、全部「直角三角形の斜めの辺」だと考えてください。縦が距離、横が時間。斜めの線の急さが速さです。

たとえば、12分間で900m進む線があるとします。縦900、横12の直角三角形です。ここから速さは900 ÷ 12 = 75で、分速75mと読めます。さらに、この三角形は大きさを変えても形が同じです。横が6分の小さい三角形なら、縦は450mになります。

ダイヤグラムの問題の多くは、この「同じ形の三角形をどこに見つけるか」で解けます。式を立てる前に、まず三角形を1つ描く。順序を逆にしないことが肝心です。

追いかけ算で実際に使ってみる

例題です。妹が家を出て、分速60mで歩きます。姉は8分遅れて出発し、分速100mで追いかけます。姉が追いつくのは、姉が出発して何分後で、家から何mの地点でしょうか。

まず、姉が出発した時点で、妹はすでに60 × 8 = 480m進んでいます。ここで描く三角形は、2人の間の距離が縮んでいく様子です。縦が480m。この距離が1分あたり100 - 60 = 40mずつ縮みます。

縦480mを、1分で40mずつ減らす三角形ですから、横の長さは480 ÷ 40 = 12分。姉が出発して12分後に追いつきます。地点は、姉の速さで考えて100 × 12 = 1200m。確認として妹側も計算すると、妹は8 + 12 = 20分歩いているので、60 × 20 = 1200m。一致します。

この確認の習慣も、あわせて身につけさせてください。答えが合っているかを自分で検算できる子は、模試の後半で崩れにくくなります。

つるかめ算で固まったら、計算を止めて三角形に戻る

走る、休む、歩く、が混ざるタイプの問題では、つるかめ算を使って時間を出す場面があります。ここで多い失敗が、時間が出た瞬間に満足して、本当に求めたい量への変換で混乱するパターンです。

そういうときの指示は1つだけです。計算をやめて、三角形に戻る。時間がわかったなら、その時間を横にした三角形を描いて、縦、つまり距離を読めばいい。僕の授業でも、数字が出たのに最後で止まる子には、三角形に戻らせます。迷ったら戻る場所を決めておくだけで、混乱はかなり減ります。

詰まったときの戻る順番を、親が決めておく

誤答が出たとき、最悪なのは親が横から答えを言うことです。代わりに、戻る順番を固定してください。

  • 問題文をもう一度、声に出して読む

  • 状況を線分図で描く(誰がいつ、どこにいるか)

  • 線分図をダイヤグラムにして、三角形を1つ描く

この順番を守ると、誤答の原因が「読み違い」なのか「図の描き違い」なのか「計算ミス」なのかが見えてきます。たとえば線分図を描かせた途端に、出発時刻のずれに気づく子は少なくありません。誤答は、情報がどこで落ちたかを教えてくれる貴重なデータです。

塾のテキストの解説が読めないときの使い方

塾の解説は、三角形の存在を前提に、いきなり式から始まっていることが多いものです。解説を読んで「なぜその式になるのか」がわからないときは、解説の式の横に、縦と横が何かを書き込んでください。縦が距離、横が時間。ここが埋まれば、式の意味はかなり読み取れます。逆に埋まらない式は、まだ理解していない部分として印をつけておけば、次の授業で質問する材料になります。

明日から親がすべき、少しだけ非情な決断

きれいなグラフを描かせる宿題チェックをやめてください。代わりに、問題を1問選んで、三角形だけを描かせる。縦、横、斜めがそれぞれ何を表すか言わせる。これだけで十分です。

旅人算のダイヤグラムは、三角形が読めるようになれば、追いかけ算、出会い算、つるかめ算との融合問題まで、同じ道具で戦えます。逆に言えば、三角形を飛ばしてグラフの形だけ覚えさせるのは、地図を暗記して道に迷う訓練です。

ダイヤグラムを三角形から組み立て直す練習は、マナリンクのプロフィールにある【予習シリーズ5年算数】割合・比・速さを先取り攻略 というコースで扱っています。無料相談もありますので、お子さんの図がどこで止まっているか、気軽に見せてください。

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