概数の計算で答えがズレる|小4の四捨五入、順番の罠
概数の計算で答えがズレる。丁寧に四捨五入したのに、小4のお子さんが丸をもらえない。そんな悩みでこの記事にたどり着いた保護者の方に、先に結論をお伝えします。ズレた原因は、お子さんの計算力ではありません。問題文にある順番の指定を、読み飛ばしたことです。
概数の計算で答えがズレるのは、珍しいことではありません
まず、実際に確かめてみます。2449 + 2449 を、百の位までの概数で答える問題です。
やり方その1は、先に足してから四捨五入する方法です。2449 + 2449 = 4898。十の位を四捨五入して、4900になります。
やり方その2は、それぞれを先に四捨五入してから足す方法です。2449は2400になるので、2400 + 2400 = 4800です。
同じ問題で、答えが100も違います。引き算でも起きます。6449 - 3451 を先に計算すると2998で、百の位までの概数は3000です。それぞれ四捨五入してから引くと、6400 - 3500 = 2900になります。
算数は答えが一つに決まる教科のはずですが、概数の計算に限っては、順番によって答えが変わります。この歯切れの悪さが、小4の子どもを混乱させます。
なぜズレるのか。四捨五入は、毎回少しだけ嘘をつくからです
2449を2400にすると、49だけ小さく言い直したことになります。これを2回やれば、49 + 49 = 98だけ小さくなります。小さくなる向きが揃うと、ズレが足し算で膨らみます。
引き算では、引かれる数が切り捨てで小さくなり、引く数が切り上げで大きくなると、ズレが同じ向きに重なります。6449が6400に、3451が3500に変わった今回の例が、まさにそれです。
もちろん、いつもズレるわけではありません。ズレない場合もあります。先日、ある生徒が、四捨五入してから計算した方が0が増えて楽だから好きだと話してくれました。その感覚は正しいです。概数は、計算を楽にするための道具だからです。ただ、道具には使い方の決まりがあります。
中学受験算数の得点設計で、概数は落とせない小問です
小4のテストでは、概数は短い時間で解ける小問として並びやすい単元です。ここで点を落とすと、後半の大問で取り返す羽目になります。落とし方は、たいてい次の三つのどれかです。
・位の読み違い。百の位までの概数なら、見るのは一つ下の十の位です。百の位そのものを見ている子が、想像以上に多いです。
・順番の指定の読み飛ばし。それぞれを四捨五入してから計算するのか、計算してから四捨五入するのか。問題文に書いてあります。
・範囲の問題で、答えを一つしか出さない。何千より大きく、何千より小さい、と聞かれたら、答えは二つ必要です。
明日から使える、三つの型
型1は、四捨五入する位の一つ下の数字に、下線を引くことです。百の位までの概数なら、十の位に線を引きます。線を引いた数字が、0から4なら切り捨て、5から9なら切り上げです。判断の材料が目に見えると、位の読み違いは減ります。
型2は、問題文の「先に」「それぞれ」「全部で」の言葉に、丸を付けることです。答えを出す前に、順番の指定を目で拾います。指定がなければ、見積もりの問題は、先に四捨五入してから計算する流れが基本です。
型3は、範囲を聞かれたら、必ず二回計算することです。例を挙げます。2480 + 3520 を、千の位まで考えて、何千より大きく何千より小さいかを答える問題です。
全部を切り捨てて足すと、2000 + 3000 = 5000です。全部を切り上げて足すと、3000 + 4000 = 7000です。実際の答えは6000なので、5000より大きく、7000より小さい範囲に、きちんと収まっています。下の枠と上の枠で挟む。この考え方を覚えれば、範囲の問題は怖くありません。
ただし、引き算では向きが逆になります。下の枠は、引かれる数を切り捨てて、引く数を切り上げて出します。上の枠は、その反対です。6449 - 3451 で確かめます。千の位で考えると、下の枠は 6000 - 4000 = 2000、上の枠は 7000 - 3000 = 4000です。実際の答え2998は、きちんと2000と4000の間に入っています。足し算の感覚で切り捨てと切り上げを揃えると、枠が逆になります。ここが最後の罠です。
今夜、親がすべき非情な決断
お子さんが答えを出したら、合っているかを確かめる前に、問題文の順番の指定に丸が付いているかを確かめてください。電卓が一瞬で答えを出す時代に、人間が概数を学ぶ意味は、計算の速さではなく、指示を読む力にあります。答えがズレて泣いている子には、計算力が足りないのではなく、読み飛ばす癖があるだけです。この癖は、型で矯正できます。気合いで直そうとする親子は、残念ながら、良質な養分になってしまいます。
概数の計算でズレるのは、順番の指定を読む型がまだ身についていないだけです。予習シリーズで学ぶ4年生のお子さんなら、この型を早めに固めておくと、後の単元が楽になります。マナリンクの僕のプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」では、こうした得点の型を一緒に作ります。体験授業や無料相談も用意していますので、必要なときに声をかけてください。
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