東大の有名問題!君はどう解く?
2020/3/25
みなさんこんにちは!あしまるです。
突然ですがみなさん、こちらの問題を見たことがありますか?
円周率が3.05よりも大きいことを示せ
この問題は、2003年に東京大学の入学試験で出題された数学の問題です。この問題、みなさんはどう考えますか?
私は初めてこの問題に出会って何の前情報もなしに解いた時、「小学校の時に習った知識」を使って解きました!
...東大の問題やぞ?小学校の時の記憶で解けるわけないじゃん!そう思うのは自然なことでしょう。
どうせいいとこの小学校で習ったことやろ?と思うかもしれません。しかし、私は至って普通のどこにでもある公立小学校の出身です。
では、私は小学校の時に何を習ったのでしょうか、そして初めて解いた時の私はその知識をどう生かしたのでしょうか?
円周率ってどうやって求めたんだ?
小学校で最初に習う円の周の長さと面積。「直径×3.14=円周の長さ」とか「半径×半径×3.14=円の面積」とか。みなさんリズムよく覚えたのではないでしょうか?
しかし、この「3.14」という数字、なんなんでしょうか?
私は初めて見たとき「なんだこの数字、急に出てきやがって!誰が決めたんだ!」って思いました。割と周りも疑問に思ってる人が多かったようで、私の小学校の先生は丁寧に調べて、私たちに次のように説明しました。
「大昔の人が、円の中に円に近い図形をはめ込んで、この中に入ってる図形の周よりも長い!という方法で調べていったんだ」
「円に近い図形?」
「正96角形とか」
「96!?」
大体こんな感じだったような気がします。小学生なので、円周率を求めるときに利用される「はさみうちの原理」なんてわかるわけがありません。大切だったのは「円の中に円に近い図形をはめ込んだ」という事実でした。しかも、はめ込んだ図形が「正96角形」。正五角形でも小学生の自分にはよくわからないのに、96ってなんじゃそら!?と衝撃的な記憶になっていました。(気になる人は、アルキメデス・円周率で検索してみよう。紀元前の人がとんでもないことをしているぞ!)
至って普通の公立小学校で、ここまで説明してくれる先生に出会えたのはきっと奇跡かもしれません。
大きくなったあしまるくん、思い出す
さて、それからしばらくして「円周率が3.05よりも大きいことを示せ」という問題に出会ったあしまるくんです。
しばらく考え、小学校の時のことを思い出します。
「円周率って円の中に円に近い図形をはめ込んでできた数字だったような...?ということは適当な正多角形を詰め込んで、円周率が3.05だと仮定したときの円周の長さが、その正多角形より短くなったら証明できるんじゃないか...?」
つまり、円周率についての周辺知識として、小学校の時に知った「円の中に円に近い図形をはめ込んで」を思い出し、それを活用したわけです。
具体的には、半径1の円に正八角形を内接させて、その正八角形の周の長さを求めることで証明しました。最初、正六角形でやって、見事に失敗していますが、それでも実験していけばどこかでいい数字が出るだろうという推測で解き進めました。かなりめんどくさい計算が入ってきますが、所詮は計算するだけだったので気合で計算しつくしました。これを解いた時は、正八角形でうまくいったので、そこでストップしましたが、うまくいかなければ次は正12角形、正24角形と時間の許す限り実験するつもりでいました。
「なぜ」を問い、「知識」に触れ、「活用」する
この経験談はぜひ「何度も問題を解いているのに、成績が上がらない」という人にはよく読んで考えてほしいお話です。
とにかく演習を繰り返している人は、「平方完成しろと言われれば解けるし、加法定理を使えと言われれば使える」という基本の利用自体はできているはずです。繰り返し演習することは、その問題を解く上での自分の自信につながりますし、これを疎かにして上達はありません。ぜひ、このままあなたの努力はしっかりと続けてください。そのうえで、平方完成が「なぜ」できるのかや、自分の解いている問題が「なぜ」この説明で解けるのかを考えてほしいわけです。この時考えることは、「自分のできる範囲」で構いません。これらの「なぜ」には絶対的な正解はありませんし、突き詰めればさらにドツボにはまってしまうことも事実です。しかし、私が小学生レベルの理解で得た円周率の知識で東大の問題を解くことができたように、ほんの少しでも「なぜ」を考えるだけで、見える世界はさらに広がるはずなのです。このことは数学に限った話ではありません。
こうした「なぜ」は一人だけで考えるのは難しいかもしれません。実際、私も周りのクラスメイト達と話し合って考えた経験もあります。私の授業では、この「なぜ」を一緒に考えていくことを大切にしています!成績が上がらず行き詰っている人や、何が重要なのかよくわからない人は、まずは私に質問してみてください。ぜひ一緒に「なぜ」を考えていきましょう!
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