英語だけで受験できる大学はある?
英語だけで受験できる大学は、全国にいくつもあります。
筆者自身、数年前に大学受験を経験していますが、今回記事を書くにあたって調べていくなかで、多くの大学で1教科での入試形態を採用していることを知りかなり驚きました。
英語が好きで英語力を伸ばしたい方、苦手科目を省いて自信のある英語のみで受験を突破したい方は、英語だけの受験も視野に入れてみるといいでしょう。
英語のみの受験方法は、
・一般入試の英語科目を選択する
・共通テスト利用入試の英語を選択する
以上の2つの方法があります。
それぞれについて一緒に確認していきましょう。
一般入試の英語科目を選択
一般入試とは、各大学独自の個別学力試験です。
それぞれの大学が求める学力を身に付けているか測るテストで、もっとも一般的な受験方法です。
共通テストの受験は必要なく、試験日が重ならない限り複数の大学、同一大学内でも異なる学部を受験することもできます。
共通テスト利用入試の英語を選択
共通テスト利用入試とは、共通テスト(旧センター試験)の得点を利用する受験方法です。
共通テストは、毎年1月に全国一斉で行われるマークシート方式の大学入学試験です。
国公立大学の志願者は必ず受験する他、私立大学を志望する受験生も共通テスト利用入試に出願するためには、共通テストを受けなければなりません。
共通テスト利用入試のメリットには、
・共通テストの得点のみで、大学に合格できる
・複数の大学・学部・学科に併願できる
・受験回数を増やせる
ことが挙げられます。
また、共通テスト利用入試には、「共通テスト前出願」と「共通テスト後出願」があります。
この2つの出願形態についても確認していきましょう。
共通テスト前出願
共通テスト前出願とは、実際に共通テストを受ける前に出願する方法です。
共通テストが行われた後に、各大学の合格ボーダーに達している場合、合格となります。
合格ボーダーラインは、過去の数値を各大学や大手予備校が公表していることも多いです。
受験者は、事前に受けてきた模擬試験の結果などから、合格ラインに達することができるか、自分の得点率と照らし合わせてみることをお勧めします。
過去問を解き、解いた年のボーダーだと合格圏内なのかなどを確認することも有効な手段の1つです。
共通テストの自己採点結果が予想より低い結果となってしまった場合には、不合格となってしまうため、2月から始まる一般入試に再挑戦というかたちになります。
共通テスト後出願
共通テスト後出願も、得点率のボーダーラインが予想されます。
大手予備校ではかなり信頼度の高いボーダーラインを発表してくれるため、一般入試の方に出願するかなどの判断材料にすることも出来ます。
受験生は、自己採点の得点率をボーダーラインと比べて、共通テスト利用入試に出願するか否かを判断できます。
例えば、志望する学科のボーダーラインが得点率80%で、自己採点が85%の場合は、合格できる可能性が高いと言えます。
例年、ボーダーラインは、共通テスト前出願に比べて共通テスト後出願の方が上がる傾向にあります。
また、特に私立大学では「複線入試」と言って、A方式(3教科型)の他に、B方式(1教科型)、C方式(小論文重視型)、D方式(英語外部試験利用型)など、同じ大学・学部・学科の複数の入試を併願できる方法もあります。
英語のみの受験の場合は、TOEICなどの英語外部試験利用型のある大学を受験することも一つの手です。自分の有利な方式を選択することで、合格の可能性をさらに高められます。
偏差値別の大学紹介
ここからは実際に、英語のみで受験できる大学を偏差値別にご紹介します。
()内の数値は、マナビジョン調査による受験偏差値を示しています。
偏差値70以上
【慶応義塾大学 総合政策学部】 一般入試(83)
【慶応義塾大学 環境情報学部】 一般入試(72)
【青山学院大学 文学部英米学科】 個別学部日程B方式(79)
【同志社大学 文学部英文学科】 共通テスト利用A方式(79)
【立命館大学 国際関係学部】 IR方式(英語外部資格試験利用型)(78)
【関西大学 外国語学部】 共通テスト利用中期(78)
【関西学院大学 国際学部 国際学科】 一般入試(78)
偏差値65~70
【同志社大学 神学部】 共通テスト利用A方式(69)
【関西外国語大学 外国語学部】前期日程S方式(66)
【関西外国語大学 英語キャリア学部】(69)前期日程S方式
【獨協大学 外国語学部】A方式 (63~70)
【近畿大学 国際学部】 一般入試後期(67~68)
【二松学舎大学 文学部】 一般入試B(67)
【龍谷大学 国際学部 国際文化学科】 共通テスト利用方式(67)
【専修大学 文学部 英語英米文学科】 前期入試英語単独E方式(65)
偏差値60~65
【文教大学 文学部 英米語英米文学科・外国語学科】 一般C方式2(60~64)
【文教大学 国際学部 国際理解学科・国際観光学科】 一般C方式2(60~61)
【関西外国語大学 英語国際学部】 前期日程S方式(62)
【拓殖大学 外国語学部】 共通試験利用型(62)
【大妻女子大学 文学部 英語英文学科】 一般入試A方式Ⅱ期(62)
【京都外国語大学 国際貢献学部】 一般入試B1教科型(61)
偏差値55~60
【フェリス女学院大学 文学部 英語英米文化科】 一般入試3月期(54~60)
【フェリス女学院大学 国際交流学部 国際交流科】 一般入試3月期(56~60)
【大妻女子大学 文学部 コミュニケーション文化学科】 一般入試A方式Ⅱ期(58)
【流通経済大学 全学部】 得意科目型(49~55)
【獨協医科大学 看護学部】 一般入試B(57)
【京都外国語大学 外国語学部】 一般入試B1教科型(56)
偏差値55未満
【国際医療福祉大学 保険医療学部】 一般入試後期(50)
【大東文化大学 外国語学部 英語学科】 共通入試1教科型(54)
【東京福祉大学 全学部】 一般入試1科目型(49)
【愛知淑徳大学 全学部】 一般入試C(54~67)
【桜美林大学 芸術文化学部】 共通テスト利用中期・後期(52~56)
【麗澤大学 国際学部・外国語学部】 共通テスト利用Ⅱ期(51~54)
英語のレベルはどれくらい必要?
必要な英語のレベルは一概にはいえず、受験する志望校によってピンきりと言えます。
ですが、他の教科をやらずに、英語一本に絞るためかなり高い英語力が必要になってくるでしょう。
ライバルの受験生の中には、帰国子女の生徒たちも多くいることが想定されます、なので、3教科や5教科での受験に比べて受かりやすいというわけではないということは念頭に置いていくと良いでしょう。
いわゆるMARCH以上のレベルでは、一概には言えませんが、少なくとも共通テスト9割〜満点レベル、英検準一級レベルの英語力は必要になってくるかと思います。
英語単科入試で受かる勉強法
それでは具体的にこれだけの高い英語力を身につけるためにはどのような勉強が必要になるのでしょうか?
・単語
・文法
・読解
・リスニング
・志望校独自の傾向への対策
重要なポイントとしてはこの5つが挙げられるかと思います。
志望校のレベルに応じてになるので一概には言えませんが、今回は英語1科目のみでの入試でMARCHレベルを目指すと仮定して、1つ1つみていきましょう。
これがないと始まらない
まずは単語です、これが充分でないと受験英語はまずはじまりませんね…
まずは市販の1800〜2300語程度の単語帳を完璧にしましょう。
単語の複数掲載の意味や、その他の派生後、イディオムなど、とにかく一冊に載っている知識を徹底的に自分のものにしましょう。
そこから実際に問題を解いたりしてわからない単語や知らない意味などは1つのノートなどにまとめて記載するなどして、更に自分のわからない単語だけを集めた単語帳を作る方法が効率的です。
よくあるのが、一冊を完璧にしていないのに次から次へと新しいものに手を出してしまうパターンですが、これではやった気になっているだけになってしまうので、しっかりと1つの単語帳を何周も繰り返して完璧に仕上げましょう。
ロジックは必要です…
つぎに文法ですね。
よくネイティブの人は文法なんて気にして話していないなど言う人がいますが、文法も最重要項目の1つです、少なくとも受験英語に関しては。
受験では文法を問う問題がほぼ確実に問われます、そして出題される長文などもしっかりと練り上げられた問題として完成度の高い文章です。
作者の意図としてはなんとなく理解しているのではなく、しっかりと文法を理解してそれを長文読解に落とし込んで正確な答えを導き出せているかということを判断することです。
英作文などを作る場合でも、言わんとすることが伝わったとしても、文法がおかしいと減点されるわけです。
なので、少なくとも受験英語でみられるアカデミックな英語においては文法もしっかりと徹底的に勉強する必要があります。
おすすめの勉強法としては、基本的には単語と同じで、ボリュームが多めの文法書を一冊完璧にして、文法の問題集や過去問をどんどん解き、わからないものをノートにまとめましょう。
最大の得点源
さて、いよいよ長文読解ですね。
長文読解は最大の得点源であり、いわば英語の総合力を発揮する問題です。
とにかく数を読みましょう、そしてどんどんとワード数の多く長い文章にチャレンジしていくことが大切です。
また精読も重要です、難解な文章を時間をかけてしっかりと文法を確認しながら理解していきましょう。
速度を意識する読解と、しっかりと時間をかけて理解する精読のどちらもしっかりと数をこなしていくことが大切です。
なるべく単語や文法を早期に仕上げて、長文読解に時間をかけることをおすすめします。
英字新聞などを読むのもかなりおすすめの方法です。
ここで差がつく
正直な所、英語単科での受験の場合受験生のレベルが高く、上記の部分ではなかなか差がつきにくい事が多いです。
そこで意外と差がつきやすいのがリスニングです。
特に帰国子女の受験生はここで多く点をとってきます、そこで負けないだけのリスニング力が必要になってきます。
とにかく多くの英語を聞きましょう、ですが1つポイントとしては大学受験で出題されるリスニングの問題はアクセントなどがクセのないものがほとんどです。
そして、英語もかなりクセがあります、有名所で言うとアメリカ英語とイギリス英語のようなものです、日本語で言う関西弁とか博多弁とかみたいなものですね。
なので、クセのない英語を聞いて受験のリスニング用の耳を育てましょう。
特化の対策は大きな武器に
最後は受験する大学や学科独自の問題傾向に対する対策です。
例えば経済学部なら経済系の話が多いとか、ミッション系の大学ではキリスト教関連の問題がでやすいなどの傾向がある場合が多いです。
また、年度によって問題数が変わる場合や、学部によって長文の占める割合が大きく変わるなどの場合も多くあるのでしっかりと分析して傾向を掴んで対策しましょう。
この対策ができるかで大きく得点率が変わってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は大学受験における英語の単科入試についてお話してきました。
受験科目が1教科だからといって合格が楽になるかと言うとそうとも言えませんが、英語に自信が有る生徒さんなどは利用を検討してみると良いかもしれません。
記事内でご紹介した勉強法も是非試してみてください!
筆者は上記の方法でほぼ独学ながらセンター最終年度の英語で198点とっているのでご紹介した方法に間違いはないかと思います…笑
しっかりと対策をして志望校合格をつかみ取りましょう!