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#18失敗の少ない目標設定のコツ

2023/12/20

今回の記事は

「失敗の少ない目標設定法」についてです。

冬休みに入りますので、今後の計画について考える時間を取りやすくなりますよね。これから受験勉強の計画を立てて本格始動する人向けに書きました。




① まずは結論です。

挑戦的な最終目標がある」そして、そこに至る

達成可能な中間目標がある」ことが「コツ」です。



そもそも「上手な目標設定」とは何でしょうか。

「目標を立てる目的は何なのか」という視点から見ると


  1. 希望の大学へ入学
  2. モチベ形成と維持


こう思うんですね。

受験勉強は年単位の準備になるので、高いモチベーションを長期間維持することが必要条件です。今回僕が重視したいのは「2.モチベ形成と維持」です。


では、そのためにはどんな目標設定が良いのか。




②目標の立て方を3パターンに分けてみます。


❶「挑戦的な最終目標」だけある
❷「達成可能な中間目標」だけある
❸「両方」ともにある。


極論、目標の立て方なんて人それぞれでいいのです。

上記のどのパターンでも結果を出せる人、納得して取り組める人はいます。ただ、結構多くの人がはまりがちな典型的な失敗例があるのも確かです。それが「モチベーション形成」「モチベーション維持」についてなんです。



具体的にはどんな失敗でしょう。


例えば

「模試とか受けてないけど、なんとなく憧れのMARCHに入りたい!」


いわゆる「根拠なき決め打ち」

これは非常に危ういです。


【原因】

  1. 学力の現状と目標、その差を未把握。
  2. 何故、その大学、学部なのか不透明。
  3. 十分な根拠なしに憧れや思い入れだけが膨れていく。


【失敗例】

学習がうまく進めばよいのですが、途中模試などで、思ったような結果がでなかったときに「志望校の下方修正」が必要になることもあります。


「下げなきゃいけないのか…」
「ここじゃないなら、勉強する意味ないじゃん…」


こういうメンタルは、オールシーズン、程度の差こそあれ多くの人が「モチベーションを下げます」。モチベーション維持に問題をきたした受験生を何人も見てきました。



「そんなの、頑張ればいいじゃないか」

そういう意見も聞こえてきそうですが、次のような考え方もあります。


❶競争相手がいない目標設定
❷競争相手がいる目標設定

これらは、一緒に考えてはいけません。


大学で単位を取る、などは❶ですね。失敗の原因は単に自分に甘いだけです。しかし、大学受験は❷で他者の影響を受ける目標設定です。自分が努力をしたからといって、全て必ず自分の思った成果につながるとは限りません。それを折り込んで、自分なりに最大限頑張るのが入試です。


こういう目標設定が合う人もいます。

実際僕自身はその質で、少年漫画を読みまくって育った世代だからなのか「不屈の闘志」みたいなものに酔っている節があります。負けても、結果がでなくても、ある意味無神経に立ち直れるなら、それはそれで良いかもしれません。(しかし、最後の合否は大学側が決めます。これは変わらない事実です。)




こちらの方は、失敗とうほどではないかもしれません。

むしろ「中間目標」の存在は極めて重要なことだと思います。


例えば

  1. 毎週の単語テスト
  2. 前回の授業の復習テスト
  3. 期限を決めての参考書演習
  4. 模試で偏差値2.5アップ


普通にやっていれば「きっと達成できるよね」みたいな目標を「当たり前に達成し続けること」っていうのは非常に重要なことです。


でも、それだけしかないとすると…。

「果たして、自分にとって大学入試は挑戦と言えるのだろうか。」

「この目標を追うことで、どこに到達するのだろうか。」


ワクワク感が弱い。見通しが効かない。

「受験勉強の本格始動!絶対合格するぞ!」というような「節目の演出」に弱いです。「強い意志」を形成するためには、目標は「ぎりぎり達成できるかどうか」というぐらいが丁度よいですね。



こういう目標設定が合う人もいます。

最終目標との「差」や「実現可能性」にメンタルを左右されたくないなら、自分の直近の目標をひたすらコツコツと追い続けていくのも、一つの正解だからですね。




③ まとめ

目標の立て方は人それぞれなのですが、

こういった理由から、失敗を避けるコツは

挑戦的な最終目標」がありそこに至る

達成可能な中間目標」を設けることです。


  1. まず、現状の自分の学力を知る。
  2. 自分がワクワクする挑戦校の必要偏差値を知る。
  3. 今の自分が到達できそうな偏差値や大学を中間目標とする。
  4. 2.5ポイント刻みぐらいで、複数の中間目標があるとよい。
  5. 期限を決め、近い中間目標から達成する。


こうすれば「目標の下方修正」ではなく「ステップアップ」が楽しめるでしょう。そんなの、下げるより、小さい歩幅でも上げていく方が楽しいに決まっているんだ。

(その点、英検なんかは最初からステップが存在し、追いやすいでしょ?)


ここまで読んでいただき「高い目標に果敢に取り組む事」を否定しているように思われた方がいるかもしれませんが、決してそういうつもりではありません。今回はあくまでも「モチベ形成+維持」という観点で失敗しがちな事を伝えたい記事になります。


受験生になる皆さんへ。


参考になりましたでしょうか。ではまた。


このブログを書いた先生

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