#24 古文単語の暗記術・弐
2025/7/7
この記事は、300語程度の古文単語帳を活かす方法の続きです。
「古文単語の暗記術・壱」も併せてご覧くださいね。
古文が苦手な人や、古文単語の意味がなかなか覚えられないという人向けに、受験にも役立つシンプルな暗記法を紹介します。
💬覚えにくい「古今異義語」に対抗しよう!
▶あからさまなり:現代語と違う意味に注意!
古語「あからさまなり」には、主に次のような意味があります。
- ちょっと
- 急なこと・にわか
- (まれに) はっきりしている、あからさまな
『源氏物語』などでは「あからさまに来たまへ(ちょっと来てください)」のように登場します。
三つ目の意味は現代語の「露骨だ」に近いですが、古文単語として問われやすいのは1つ目。2つ目も稀に出ます。
「現代語と同じ意味の選択肢は避けるべき」と言われるのは、主にこのようなパターンのためです。ただし、全ての意味が使われないわけではないので、注意しましょう。問題に無関係な文脈で、現代語と同じ意味が用いられる例はゼロではありません。
💡単語と意味に「何か」を挟む!
前回の記事で紹介した「シンプルにして反復」する方法で覚えられなかったものが対象です。それらには意味をただ丸暗記するのではなく、記憶を助ける「接着剤」を挟むのがおすすめです。
これは特に、古文が苦手で単語がなかなか覚えられない人に効果的な方法です。
🔍 記憶補助の例:「あからさまなり」
1️⃣ 単語:「あからさまなり」
2️⃣ 漢字:「明ら様なり」→ 明るい様子・明様
3️⃣ 明るいものが映えるのは夜空 → 暗い空で光るのは「雷⚡」
4️⃣ 雷は「急に」光るし、「ちょっと」の間しか見えない
5️⃣ 意味:「ちょっと」「急に」
❷は語源・漢字表記、❸❹はイメージ連想です。単語と意味を直接つなげるのが難しいときは、このような「意味の橋渡し」が記憶を助けてくれます。
🔑最終目標は「単語→意味」へ直結!
最終的には、❶→❺のように即答できる状態が理想です。 でも、その前段階では❷❸❹のような補助情報を活用することで、忘れにくく・思い出しやすい記憶になります。
▶「あたらし」≠「新しい」👀!
古語の「あたらし」は、「もったいない、惜しい」という意味。
「新しい」に似ていますが、それは「あらたし(新たし)」という別の単語です(こちらは重要古語として単語帳にのってないことが多いですね)。
🔍 記憶補助の例:「あたらし」
1️⃣ 単語:「あたらし」
2️⃣ シチュエーション:新しいiPhoneを買ったのに落として割った…「もったいない…」
3️⃣ 意味:「もったいない、惜しい」
このように、自分の体験に近いエピソードやストーリーを使うと記憶に残りやすくなります。
「惜し」と漢字で書く情報も、合わせて覚えておくとより効果的です。
⚠️間に挟む「接着剤」は人それぞれ!
さて、見てきたように記憶の補助として、追加の情報を活用することは有効です。「情報は少ない方が覚えやすい」という常識をアップデートしましょう。ケースバイケースで、やり方を変えていけるのが良いですね。接着剤はいろいろです。
- 漢字表記
- 語源情報
- 単語のコアイメージ
- 連想イメージ
- シチュエーション
- ストーリー
- 語呂合わせ
暗記の目的は「テストや受験で得点すること」。 語源の正確さや連想の妥当性はあまり気にせず、自分が覚えやすい方法を見つけることが大切です。
例えば:
- 携帯を割った経験がない人にはiPhoneの例は響かない
- 漢字が苦手な人にとっては、漢字表記の記憶は逆効果にもなり得る
このように、古文単語が苦手な人も、「単語と意味をつなぐ接着剤」をうまく使えば、記憶の引き出しからスッと取り出せるようになります。次回は、多義語対策についてまとめる予定です。
この夏、古文単語をなんとかしようという高校生、受験生!一緒に頑張ろう!
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