オンライン家庭教師マナリンク
国語

現代文のキーワード ①「身体」は踊る💃

2025/10/10

はじめまして。高校国語を教えています島田です。

今年の共通テストの評論では、「『ともに踊る』身体」などという表現がでてきましたが、この表現に含まれているニュアンスはわかりますでしょうか??

身体というと、単純にからだ、人体、というものが辞書的な意味ですが、

現代文のなかで出てくる「身体」はすこし違うイメージを持ちます。

それは、「踊ってしまうもの」だということです。

もっと細かく言うと、普段人間は、理性や精神といった知性でものごとを考え、行動しています。

わたしたちは危ないと頭で考えて、横断歩道をわたるときは注意して渡るし、カラスが近くに飛び立ってきたら、もしかしてこの近くに子育ての巣があるかもしれないと考えて警戒しながら進むでしょう。

これらは、頭で考えて(知性=理性=精神=意識=ロゴス)行動している人間の姿です。

でも本当にそれだけか。私たちは、意識外のところで、無意識に反応してしまうものがあるのではないか、なぜあんな夢を見るのだろう、なぜあのときとっさにあんな言葉をいってしまったのだろう・・・。

そんなことを説明するために、召喚されるのが「身体」という言葉です。

だから「身体」は私たちの理性では統御できない「他者」でもあります。自分の体なのに、他者であるもの。それが「身体」という言葉が持つイメージです。

じゃあなぜ、身体が大切なのか。それはフロイトが無意識を発見したからです。

人間には無意識があり、それが夢を見させ、見えない欲望を充足させています。

人間をもっとよく理解するために、人間が人間をより守るために、人間をもっと説明するために、簡単に理性では説明できない「身体」を近代の研究者は考えるようになったのでした。

共通テスト後半の問題は実はそんな文脈ともつながりそうな文章だったのです(^^♪

みなさんもよかったらほかの文章で出てきた「身体」という言葉を見返してみてはいかがでしょうか(^^♪

このブログを書いた先生

国語のオンライン家庭教師一覧

国語のブログ

共通テスト国語で正答率9割を出す方法とは?

高いお月謝を払ってくださっている親御さんにはまことに申し訳ないのですが、共通テストの国語の問題は情報処理問題であって、論理的思考を養うものではありません。お子様は情報処理技術を磨いています。いや、文科省の学習指導要領をある見方で解釈すれば論理的思考力を養っていると言うことができるのかもしれません。しかし、私のように、毎日共通テストの過去問を解き、さまざまな大学の過去問も解き、なんなら東大の国語の過去問も解いている者からすれば、共通テストは情報処理問題です。やや具体的には、共通テストの問題文とは、まったく興味の持てない商品の商品説明パンフレットです。設問は、どこに何が書かれているのかを正確に読み...続きを見る
人見の写真
人見オンライン家庭教師
2025/9/5

【高1、2生】現代文は1週間に“1題”を本気で解読せよ。

みなさんこんにちは!講師の富岡です◎私は大学入試のいろいろな科目を指導していますが、本職(?)は国語です。教員免許も国語で取得しています。色々と謎深き国語の中でも、現代文は多くの人が勉強の仕方に悩む科目だと感じています。そこで、今回は高1、2生のあなたが、現代文をどのように勉強するかについてお話ししたいと思います。①そもそも現代文とは?まず、現代文についての認識をここで目線合わせしておきたいと思います。以下は、東京大学が求める国語の力です。この考えに私もかなり近いので、ちょっと長いですが引用してみます。国語の入試問題は,「自国の歴史や文化に深い理解を示す」人材の育成という東京大学の教育理念に基...続きを見る
富岡の写真
富岡オンライン家庭教師
2025/8/16

夏だ!記述だ!

こんにちは、講師のニシオカです。夏休みに入っている人も多いと思います。さぁ、夏休みこそ、普段できない勉強にも励むときです!!大学受験で記述解答が課されるみなさん、対策は始めているでしょうか。求められる作業を見抜き、実際に記述していくのは、きちんとした勉強のルートが必要です。ただたくさんの問題を解くのではなく、効果的に力をつけて行きましょう!毎年多くの受験生に受講してもらっているコースがあります。国立難関大、有名私大をはじめ、過去問にも対応していますので、まだ高1,2の人も志望大学の問題にチャレンジするよい機会ですよ!〔現代文〕記述でしっかり得点!講座 | 現代文 | オンライン家庭教師マナリン...続きを見る
ニシオカの写真
ニシオカオンライン家庭教師
2025/7/24

あなたは本当に“対比”を理解していますか…?

みなさんこんにちは!講師の富岡です◎今回は、国語の中でも重要な“対比”について述べていきたいと思います。ところでみなさん“対比”はご存知ですか?「何だよ、そんなん知ってるよ〜」という人、本当ですか??もし、次のように“対比”を捉えている人は、本当の意味での“対比”をご存知ないということです。「対比は、AとBが反対。」まあもちろん、間違っている、まではいきません。ですが、次の3つの要素が考えられていますか?①対比は共通を土台にしている。②筆者はどちらに軸足を置いているのか。③AとBよりも「AとAでない」の比較。①対比は共通を土台にしている。例を挙げてみましょう。「このお店のカレーは、あのお店のカ...続きを見る
富岡の写真
富岡オンライン家庭教師
2025/7/23

【指導論】令和7年度の全国学力・学習状況調査の結果から思いついたこと

先日、令和7年度の全国学力・学習状況調査の結果が発表されました。国語の講師として気になったのはやはり中学校の国語の平均正答率で記述式は25.6%と、3割を下回ったこと。記述式の中でも、物語に関して「自分の考えとそのように考えた理由」を書く問題では、無解答率が27.7%にもなったこと。記述力の問題が深刻だとあっちこっちで言われています。私も今年は中学生の生徒がたくさんいるのでこのニュースを聞いて震えました。そして思い当たることも・・・。だけど逆に考えればこの世代の子たちが今から記述対策をしっかりすれば3年後の大学受験で有利になるのでは?と思うようにもなりました。むしろ調査よ、ありがとう!という気...続きを見る
柴山の写真
柴山オンライン家庭教師
2025/7/22

この先生の他のブログ