#06「合否」を見える化すると
2022/7/16
大学受験をするなら「模擬試験の判定」についてある程度理解しておきたいですね。「各判定の合格可能性は?」「A判定は必ず合格?」「E判定ってどうなの?」この記事では、模試の成績表の見方をおさらいしながら、合否を見える化します。そして大学合格に必要な受験勉強が二種類に分類できることを、まとめておきます。
❏まず、このグラフを見て下さい。
①基本的な見方
縦軸は受験者数、横軸は判定(合格可能性)で「山型」に分布します。当然ですが、合格者の分布は右寄りになりますね。判定が一つ好転するために必要な偏差値は2.5ポイントです。
②注意しておきたいこと
「50%」というところを縦に見ると「赤線:合格者」と「青線:不合格者」の比率がちょうど半分になっています。偏差値があがり、右に移動すればするほど、相対的に赤線が長くなり、青線が短くなります。つまり、合格しやすくなります。
しかし、A判定は80%以上の合格率が見込めるというだけで100%合格するわけではありません。単純化して80%の合格率なら5回に1回は不合格になります。また、A判定とE判定には「幅」があります。限りなくB判定に近いギリギリのA判定もあれば、余裕のA判定もあります。
E判定は20%以下の合格率です。楽観的に20%は合格する、などと考えてはダメです。グラフを見るとわかるように、E判定から合格する人は一握りです。だからこそ、逆転合格という言葉がインパクトを持っています。挑戦校とはいえ、最低でもD判定を確保して臨みたいですね。
❏合格確率を高める3の方法
ここまでを踏まえて、合格確率を高める方法は「二種類の受験勉強と受験校調整」だと言うことができます。単純に学力(偏差値)が低いと合格率は上がらず、仮に学力が高くても入試問題の傾向と対策を軽視すると合格しません。
もう一度グラフを見て下さい。
①基礎学力アップ(オレンジ矢印)
純粋に学力を高めることです。古文で言うなら、単語・古文常識・文学史を覚え、長文読解の解法を知って、実際に予行演習を繰り返す事です。これは志望校、受験校が決まっていなくても、文理さえ決まっていれば高1からスタートできます。
②傾向把握と対策(グリーン矢印)
過去問を解いて志望校に必要な学習を手厚くすることです。出題形式や頻出の出題内容を重点的に強化していきます。同じ偏差値でも、落ちる側に入らないようにします。「新傾向」の問題がでる可能性は常にありますが、過去問対策をしない理由にはなりません。
③受験校調整
合格を固めるための最終手段です。合否判定は2.5ポイントで一つ好転します。C判定に必要な偏差値が57.5という大学・学部から52.5という大学に変更することで、例えばD判定がB判定に好転します。
▷大学より簡単な方へ変更する
▷必要偏差が低い他の学部へ変更する
▷郊外型のキャンパスは必要偏差が低め
❏大学受験はこの3つを組み合わせた勝負事
受験勉強で学力を高めて、志望校に進学するというのが王道です。しかし、競争相手がいる以上は、思い通りに行かないことも十分にあり得ます。現実的に進学の可能性をあげるために、受験校の調整が必要になる場合もあるわけです。でも、できることならそんな妥協はしなくて済むに越したことはない。受験指導をする先生は、総じて皆さん厳しいです。それは何故か。
受験生より一足先に厳しい現実を直視しているからです。受験校調整ではなく、学力アップで合格を勝ち取って欲しいという気持ちが、厳しさになって現れるんですね。模試成績を通して、合否を見える化するお話は以上です。
参考になりましたでしょうか。ではまた。
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