【必須】万が一の帰国に備えて海外在住でも「日本の授業」を受け続けるメリット
2024/2/21
中学英数を教えています、安芸(あき)です。私はここ数年で数人の海外子女(帰国子女)の授業に携わらせていただきました。
時差があっても両者が相談し納得できれば、どこからでも授業を受け続けられるのがオンライン家庭教師・マナリンクの強みだと思います。私もおかげ様でアメリカや中国などの生徒たちとオンラインを通して知り合うことができ、楽しい授業時間を過ごすことができてきました。
その中にアメリカにご両親のお仕事の関係でアメリカにお住まいで、帰国の予定は特にないにも関わらず、日本の指導要領に基づいた「数学」の授業をマナリンクで受けられてきた生徒さんに出会いました。
帰国の予定なし。日本の授業はまだ必要?
現地校の授業だけで日本の高校入試は可能?
海外に引っ越すと、現地の学校に通う選択をする方も多いでしょう。日本人学校が必ずしも近くにあるとは限りませんし、現地の学校に通うことによって現地語に早くなじめたり、現地の友人も増え、子供たちの世界観も広がっていきます。
仮に現地校に行くとすれば、その国が定めた指導要領にもどついた授業が展開されるので、日本にはなかった教科が増えたり、逆に学ぶ予定だった教科を学ばなくてよくなることもあります。
「数学」と一言に言っても、内容は日本のそれとは進む速さや内容は変わってきます。多くの国に住む日本人が認めているように、日本の数学のレベルは高く、進むスピードは少し(時には1年ほど)速いです。つまり現地校の授業だけで日本の高校入試に臨むのはかなり困難だということ。
では海外に引っ越した後、日本の授業は引き続き「受けるべき」でしょうか?それとも「受けなくてもいい」でしょうか?
状況は急に変わる!その時高校受験の準備はできている?
日本の授業は引き続き「受けるべき」か「受けなくてもいい」かに関しては、その家族の状況によって答えは様々です。もしご両親の赴任先の現地校卒業後も、引き続きその国に住み続けられるご予定であれば、その国の教育に集中した方がいいかもしれません。
ではいつかは日本に帰ってくることが「確実」な場合はどうしますか?この答えを私は受け持ったマナリンクの生徒さんご家族から学びました。
家族の先見の明が子供を急な事態変化から救う
その生徒さんは中学3年生の秋まで帰国のご予定はありませんでした。このまま現地の高校へ進まれるつもりでしたので、受験というよりも日本の教科書の内容をしっかり理解できるように備えておくことに集中して授業を進めておりました。
そして中学3年生の秋。事態は一変!ご家族の帰国が決定し、急に「高校受験」を受ける必要が生じました。残された時間はたったの4か月。ここで試練になるのは以下の5つ。
- 日本の高校の情報を海外からご自身で探す必要がある
- 学校からの三者面談や学力テストのサポートはなし
- 周りの友達は受験生ではないため、一人で孤独に受験勉強する必要がある
- 入試に合格できるレベルに引き上げる必要がある
- ご自身が「受験生である」という意識改革が必要になる
現地校にいながらにして『日本の高校の情報を入手すること』『説明会に参加すること』『海外子女枠の入試にはどんな教科が求められるか調べる』必要があり、それは大きな試練だったと思います。でもそれだけではありません。急に決まった事態に生徒さん自身が適応し、受験生としての意識改革が必要になりました。そう、【受験勉強】を秋から始める必要が出てきたのです。
しかしご家族が海外赴任が決まった時から、赴任先からお子さんにオンラインでずっと授業を受けさせていたため、数学の基礎はできていました。日本語で問われる問題に対応することもできておられました。あとは受験対策をすればいいだけ。もしこれが何も日本の数学を学んでいらっしゃらない子だったとしたら…と考えると恐ろしい限りです…
現地校&日本の勉強Wで行うには本人の努力が必須
現地校に通いつつ、日本の勉強も引き続き学び続けるのは、決して簡単ではありません。二つの学校の授業をダブルで学ぶ必要があり、時間と努力が必要になります。
本当にその生徒さんはよくやられたと思います。現地校の課題やテストも当然あったはずです。それに加えて週末は日本人学校に行かれて日本の教科書でお勉強。テストだって二校分。二倍です。さらにマナリンクから補習を受け、部活だって頑張っていらっしゃいました。ですがやる価値は大いにありました。
ご家族の先見の明と、生徒さんご本人の努力のたまもので、急な状況の変化があってもご家族で対応され、見事難関大学の付属高校に合格されました。4月から日本での新生活をスタートされます。
海外子女への教訓
状況は、ご両親の会社の都合・ご家族の体調などの都合・日本で待つご親戚の都合なので急にかわることがあります。現に私も帰国子女ですが、帰国の宣告は急に突然に訪れました。いつどんな状況に変化しても対応できるよう、できる備えはしておくのが賢明です。
もし帰国することにならず、そのまま現地校の高校・大学に進学することになったとしても、マナリンクや日本人学校で学んだことは無駄にはなりません。正しい日本語や歴史、レベルの高い数学はその先の教育にも必ず役に立ちます。
万が一に備えて、今からできる勉強はできるだけ惜しまずにしておきましょう。あとで後悔しないような、さきを見据えた計画が大切です!
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