「分かっているのに、できない」子どもたちに、私たちができること~努力を見逃さない~
小学英語と中学英数を主に教えています、安芸(あき)です^^
私は「発達障害」の専門家でも、発達障害のお子さんを教える特別な訓練や資格を持っているわけではありません。そのような特性のお子さんと関わっていくときに、私もたくさん学び、授業の内容を変更し、改善し、一緒に成長させてもらっている気がします。
最近私が学んだ「待つ・見守る・即指摘しない」ことの大切さをつづりたいと思います。
発達障害のある子と、どう寄り添うか ― 理解があるからこそ「待つ」
発達障害のあるお子さんに見られる
「口では説明できるのに、問題になると解けない」
「分かっているはずなのに、応用がきかない」
という姿は、実は多くの専門家が指摘している特徴でもあります。
これは「理解力が低い」わけではなく、
ワーキングメモリ(作業記憶)や実行機能と呼ばれる力に負荷がかかりやすいためだと考えられています。
ワーキングメモリとは
「今考えていることを一時的に頭に置きながら、次の行動をする力」です。
たとえば英語の文章を書くとき、
文頭を大文字にする
疑問文の語順を考える
冠詞をつける
記号を忘れない
これらを同時に処理するには、かなりのワーキングメモリを使います。
発達障害のあるお子さんは、この同時処理の負担が非常に大きくなりやすいため、
「分かっているのにできない」という状態が起こります。
また、
「問い方が少し変わると解けなくなる」
という点についても、
抽象化や一般化が苦手という特性が関係しています。
一つの例として学んだことを、
「別の形の問題」に当てはめることが難しいため、
「さっき習った方法を使えばいい」という発想に結びつきにくいのです。
だからこそ大切にしたい「見守る支援」
こうした特性を踏まえると、
私が最近特に大切だと感じているのが、
すぐに間違いを指摘しない
書き終わるまで待つ
自分で気づく時間を確保する
という関わり方です。
発達障害のあるお子さんは、
すでに「間違えないようにしなければ」という緊張を強く抱えています。
そこに次々と指摘が入ると、
ワーキングメモリがさらに圧迫され、思考が止まってしまいます。
一方で、
最後まで書くことを許され、
「どこが違うか、一緒に見てみよう」と促されると、
自分の力で修正できる場面も増えていきます。
これは、
「失敗しても大丈夫」という安心感が、思考の余裕を生む
という心理的な根拠にも基づいています。
努力が「点数」に見えにくい子ほど、努力を言葉にする
発達障害のあるお子さんは、
成果よりもプロセスに多くのエネルギーを使っています。
何度も消して、書き直して、また挑戦する。
その姿は、実はとても高度な努力です。
だからこそ、
「最後まで書いたね」
「自分で気づこうとしたね」
「諦めなかったのがすごいよ」
こうした声かけが、
次の「やってみよう」を支えてくれます。
寄り添う授業とは、「できる形」に整えること
発達障害のある子に寄り添うというのは、
無理にハードルを下げることではありません。
一度に注意するポイントを減らす
視覚的に確認できるチェック項目を作る
成功体験を積み重ねられる順序で進める
こうして、
その子が力を発揮できる形に環境を整えることだと感じています。
私自身、
「正しく教える」よりも
「安心して取り組める状態をつくる」ことが、
結果的に学力につながるのだと、生徒さんから学びました。
これからも、一人ひとりの特性を理解しながら、
努力がきちんと認められる、あたたかい授業を続けていきたいと思います。
次回は「プロセスより結果を重視する中学の教育体制」と「プロセスを褒めて認めてあげたい」ジレンマについて書きたいなと思います。
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