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「頑張っているのに点数が取れない」――発達特性と中学テストのすれ違いとジレンマ

2026/1/15

小学英語・中学英数を教えています、安芸(あき)です。

発達障害のあるお子さんのご家庭から、こんな声をよく聞きます。

「内容は理解しているはずなのに、テストになると30点前後から伸びない」
「授業では答えられるのに、成績に反映されない」

これは努力不足でも、理解力不足でもないケースが多く、
実はお子さんの特性と、中学校の評価方法の間にズレがあることが原因です。

■ なぜ「わかっているのに点数が取れない」のか

① ワーキングメモリの特性

発達障害(特にADHD・ASD・LD)のあるお子さんは、
複数の情報を同時に処理・保持することが苦手な傾向があります。

例えば英語のテストでは、

  • 文の最初を大文字にする

  • be動詞の位置を入れ替える

  • 単数・複数を判断する

  • a / the をつける

  • 疑問符をつける

など、一問の中で同時に気をつけることが非常に多いですよね。

一つひとつは理解できていても、
👉 同時にすべてを処理する負荷が大きすぎるため、
結果としてどこかが抜けてしまいます。

これは文部科学省や特別支援教育の分野でも指摘されている
ワーキングメモリの負荷の問題です。

② 「知識を使う力」を測るテスト形式

中学校のテストは、

  • 高校入試

  • その先の大学入試

を見据えた出題形式になっています。

つまり
👉 「知っているか」ではなく
👉 「指示された形で正確に使えるか」
を測っています。

そのため、

  • 8割合っていても1か所ミスがあれば×

  • 書き直しが多く、時間が足りない

  • 問い方が少し変わると対応できない

ということが起きやすくなります。

これは能力の問題ではなく、
評価方法が合っていない状態です。

■ 小学校とのギャップが保護者を苦しめる

小学校、特に英語では、

  • 通じればOK

  • 楽しめていればOK

  • 努力を認めてもらえる

という評価が中心でした。

ところが中学校では突然、

「聞かれた通りに書けていなければ不正解」

に切り替わります。

その結果、

  • 子どもは「頑張っているのに評価されない」

  • 保護者は「できていないのでは?」と不安になる

この評価と実態のギャップが、大きなジレンマを生みます。

■ では、どう改善すればいいのか

① 「できていない」ではなく「負荷が高すぎる」と捉える

まず大切なのは、

点数が低い = 理解していない

と即判断しないことです。

✔ 説明できる
✔ 口頭なら答えられる
✔ ヒントがあれば解ける

これらが当てはまる場合、
理解はできている可能性が高いです。

② 一気に直さず「最後まで書かせる」

間違いを見つけると、つい

「ここ違うよ」
「ここも直して」

と声をかけたくなります。

でも発達特性のあるお子さんの場合、
途中で指摘が入ると

  • 思考が止まる

  • 書く意欲が下がる

  • 何を書いていたかわからなくなる

ことが多いです。

まずは最後まで書ききらせる。
その後で一緒に確認する。

この「見守る姿勢」が、
学ぶ力と自信を守ります。

③ 評価の「ものさし」を家庭では変える

学校の評価は変えられません。
でも、家庭での評価は変えられます。

  • 前より消しゴムが減った

  • 文の形を意識しようとしている

  • 書くスピードが少し上がった

こうしたプロセスの成長を言葉にして認めることで、
「点数=自分の価値」にならないよう支えることができます。

■ 発達障害のある子に必要なのは「見守る力」

発達障害のあるお子さんは、

  • できないから苦しんでいる

  • さぼっているのではなく、必死に処理している

ということがとても多いです。

点数だけを見ると見えませんが、
ノートの消し跡、考えた時間、その粘り強さは
立派な努力の証です。

「できていない」のではなく、
「今はこのやり方が合っていないだけ」。

そう捉えて見守ることが、
学びを続ける力につながります。

まとめ

私も学校のテストの評価方法、出題方法を変えることはできません。

引き続きこのタイプのテストを受け続けてもらわないといけません。

社会の評価法もおそらく今後も変わることはないでしょう。「合否」「点数」「数字」これが手っ取り早くその人を評価できる指標だからです。

でも

●点数取れない=本当に理解していないのか?「背後を見る」こと

●間違いに問題文を解ききった後に気づいて自分で直すかもしれない「最後まで見守る」こと

●数字で判断して「できてないレッテル」を貼らない「物差しを変える」こと

を日々の授業の中で学んでいます。

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