「文法」より先に「読める」を育てる ――聴覚優位の小学生と、英語の土台を作る2か月間
小中学生に英語を教えています、安芸(あき)です。
小学生の生徒さんを指導していて、
「英語は耳で覚えている。聞けば分かる単語もある」
けれど、
「その単語を文字で見せると読めない」
というお子さんによくお会いします。
おうちで幼少期英語を熱心に学んでいるお子さんほど、
学校やおうちで音楽や動画、ゲームなどで聞いたことある単語は多いようです。
でも実際に書き取りやスペル暗記授業は小学校ではしないため
字としては紐づいていないタイプが多い印象です。
今回一緒にお勉強している生徒さんにもそのタイプの子が数名いらっしゃいます。
耳から入った英語はある程度覚えている。
でも、音とスペルが結びついていない。
そのため、英検の問題を見ても、そもそも英文が読めない。
文法の勉強を始めても、問題集の例文や問題文に知らない単語が並んでいるため、
「文法が分からない」という以前に、
「問題文が読めない」
というところで苦戦してしまいます。
そこで今回、思い切って一度、
通常の「文法問題集→英検問題」という流れから離れてみることにしました。
まずは、
「スペル・音・意味」を結びつけて、単語を読めるようにする。
ここを最優先にして、約2か月間、英語の土台作りに集中することにしました。
「文法をやらない」のではなく、「文法に取り組める土台」を先に作る
英検を目指していると、
「そろそろ文法をやらなければ」
「過去問を解かなければ」
と考えます。
もちろん、それも必要です。
ただ、英文を見たときに、
単語を読めない
のであれば、文法問題集を開いてもかなりの負担になります。
例えば、
She is playing tennis.
という非常に基本的な英文でも、
「Sheは知っているけど、playingって何だろう?」
「tennisは聞いたことがあるけど、読めない……」
となれば、
「is playing=現在進行形」
という文法以前のところで止まってしまいます。
そこで今回は、
①単語を見て読める
↓
②読めた単語の意味が分かる
↓
③短い英文を読める
↓
④その中で文法にも触れる
という順番にしてみることにしました。
まずは「中学入学までに必要な最低限の単語」を150個
今回のプログラムでは、私のほうで
中学入学までに最低限覚えておきたい単語を150個
選びました。
英検5級にもよく登場する基本的な動詞や名詞を中心に、
動詞
名詞
月の名前
曜日
代名詞
序数
その他、今後の英語学習で頻繁に使う基本語
などを入れています。
そして、単語帳はカテゴリーごとに並べるのではなく、
あえてランダムにバラバラの順番にしました。
「月の名前を全部覚えた!」
というような、カテゴリーだけの暗記にならないようにするためです。
最終的には、この150個をしっかり覚えることを一つの目標にします。
小学生なので「ただ書く」勉強にはしない
もう一つ大切にしたのが、
できるだけアクティビティ要素を入れること。
小学生ですから、長時間ただ単語を書き続けるような学習では、集中力にも限界があります。
「書きなさい」
「覚えなさい」
「もう一回書いて」
だけでは、英語そのものが嫌になってしまう可能性もあります。
そこで、
見て、考えて、声に出して、当てて、読んでみて、空文字で書く。
できるだけ「ゲーム」のような要素を入れながら進めていくことにしました。
授業は大きく3つのパートに分ける
今回の授業は、大きく3つに分けています。
① フォニックスのルールを少しずつ学ぶ
毎週、少しずつフォニックスのルールを取り上げます。
例えば、
子音+母音から音を予想する
単語を見たときに、
「この文字なら、こんな音になりそう」
と予想できるようにしていきます。
また、
ay、ea、ee
などの母音の組み合わせや、
magic e(サイレントe)
など、
「このスペルなら、こういう音になることが多い」
というルールも少しずつ覚えていきます。
もちろん、一度に全部覚えるわけではありません。
毎週少しずつ。
そして大切なのは、
「ルールを暗記すること」そのものではなく、
実際の単語を読むときに使えるようにすること。
例えば初めて見る単語でも、
「この部分、前にやったルールが使えそう」
↓
「じゃあ、この音かな?」
と予想できるようになることを目指します。
② 20個の単語をフラッシュカードで覚える
毎週、家庭学習として20個の新しい単語を覚えてきてもらいます。
授業では、その20個をフラッシュカードなどを使って確認します。
ここで大切なのは、
ただ答えを教えて覚えるのではないこと。
まず単語のスペルを見てもらいます。
そして、
「この単語、どう読むと思う?」
と考えてもらいます。
学んだフォニックスのルールを使って、
スペル → 音を予想 → 実際に読む → 意味につなげる
という流れを作ります。
すでに耳で知っている単語なら、
「この音、知ってる!」
というところから、
音とスペルを結びつけるだけで、意味まで一緒に結びつく
ことがあります。
これは、今回の生徒さんにとって非常に大きなポイントです。
一方で、音も意味もまだ知らない単語については、語呂合わせなども使います。
例えば、
thing
なら、
「寝具(しんぐ)は寝るためのもの」
というように、知っている日本語を利用して記憶のきっかけを作ります。
「正しい暗記方法は一つ」と決めつけず、
その子が思い出しやすい方法を使う。
これも大切にしています。
③ 覚えた単語を「文章の中で読んでみる」
そして今回、特に力を入れたいのがここです。
覚えてきてもらった20個の単語について、
1つの単語につき3種類の短文
をあらかじめ用意します。
文章のレベルは、英検5級程度。
例えば、覚えた単語が文章の中に出てきたら、
英文を見る
↓
自分で読んでみる
↓
意味を考える
↓
日本語に訳してみる
という体験をします。
単語だけなら読めても、
「文章になると読めない」
ということがあります。
だからこそ、
単語 → 短文
へ少しずつ広げていきます。
短文には、いろいろな文法を「こっそり」入れる
ここも今回のプログラムのポイントです。
短文には、
be動詞
一般動詞
三単現
現在進行形
命令文
can
など、これまで学んできた文法をあえて混ぜていきます。
ただし、
「今日は三単現の勉強です!」
と文法問題として取り組むのではありません。
まずは、
「この英文、読めた!」
という体験。
そして、
「このisって何だっけ?」
「これは今していることだから~ingだね」
というように、文章を読む中で自然に文法を思い出してもらいます。
つまり、
単語・フォニックス・読解・文法を完全に別々にするのではなく、
短文の中で少しずつつなげていく。
そんなイメージです。
今回は2か月間、いったん「過去問」から離れる
今回のプログラムでは、約2か月間、
文法問題集を解くことや英検の過去問・予想問題を解くことを、いったん中心から外します。
やることは、
①フォニックス
②単語暗記
③短文を読む
この3つ。
そして、まずは150個の基本単語を覚える。
その土台ができたところで、再び英検の予想問題集や過去問に戻る予定です。
そのとき、
「以前より問題文が読めるようになった!」
と感じられることを期待しています。
第1回の授業で、早くも嬉しい変化があった
この方法に切り替えて、昨日が第1回目の授業でした。
まだ始まったばかりなので、もちろん大きな成果を判断できる段階ではありません。
それでも、嬉しい変化がありました。
以前よりもフォニックスのルールを覚えられていて、
「このスペルなら、この音かな?」
と、かなり近い音を予想できるようになっていました。
そして何より嬉しかったのが、
「読める!」という体験を楽しんでくれていたこと。
いつもなら授業開始から40分くらいすると、一度集中力が切れそうになることがありました。
ところが今回は、
1時間、集中力がほとんど切れることなく、どんどん読もうとしていました。
もちろん、たった1回の授業なので、これだけで「この方法が正解だった」と結論づけることはできません。
でも、
「読める」という体験が、次の「読んでみたい」を生んでいる。
その可能性は感じることができました。
子どもにとって「読めない」は、かなりのストレス
大人からすると、
「読めないなら練習すればいい」
と思うかもしれません。
でも子どもの立場になって考えてみると、
「この文章を読みなさい」
と言われた。
頑張って見てみる。
でも、
読めない。
単語の意味も分からない。
文章全体の意味も分からない。
そして、問題を解けと言われる。
これは、かなりイライラする状況だと思います。
一方で、
読める。
↓
意味が分かる。
↓
答えが分かる。
↓
先生に褒めてもらえる。
この経験は、次の学習への大きな力になります。
「また読んでみよう」
「これも読めるかな?」
という気持ちにつながるからです。
「勉強させる」より「できる」を増やしたい
今回のプログラムで一番大切にしたいのは、
「勉強した量」より、「できるようになったこと」を増やすこと。
です。
⭐20個の単語を覚える。
⭐フォニックスのルールを一つ覚える。
⭐昨日読めなかった単語が読めるようになる。
⭐短い英文を一人で読める。
そして、
「意味も分かった!」
となる。
こうした小さな「できた」を積み重ねていきたいと思っています。
家庭では毎週20個暗記宿題を義務化
家庭学習では、毎週新しい20個の単語を覚えてきてもらいます。
授業で一緒に確認するだけではなく、
「家で覚えてくる → 授業で使ってみる」
というサイクルを作ります。
150個すべてを覚えるまでには時間がかかります。
でも、
20個ずつなら、小学生でも取り組みやすい量です。
そして、覚えた単語が翌週の授業で実際に読めたり、文章の中に出てきたりすれば、
「家で覚えたことが授業で役立った!」
という実感も持ちやすくなります。
今後の進展を楽しみに
今回は、私自身にとっても新しい試みです。
「文法を教える」
「英検の問題を解く」
というところから少し離れて、
「そもそも英文を読めるようにするには、何が必要なのか?」
というところに戻ってみました。
耳から覚えている英語がある。
でも、それが文字と結びついていない。
そんなお子さんの場合、
文法を増やす前に、まず「音・スペル・意味」の3つをつなげる。
そして、
「単語が読める」→「短文が読める」→「英文が読める」
という階段を一段ずつ上っていく。
今回の2か月間が、そのための土台になればと思っています。
150個の単語を覚え終わったとき、もう一度英検の問題集を開いてみるつもりです。
そのときに、
「前より読める!」
という感覚を本人が持てたら、とても嬉しいです。
まだ始まったばかり。
これからどんな変化が出てくるのか、私自身も楽しみにしながら、一つ一つ記録していきたいと思います。
この先生のおすすめコース
- 英検5・4・3級の文法・単語・熟語を効率的に学習したい
- 過去問・予想問題集で雰囲気に慣れ一発合格を決めたい
- 小・中学生にも取り組みやすい、易しい説明で学びたい
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英検におすすめの指導コース
- 英検対策をしたい方
- 英検を受けたことがないが受けてみたい方
- 短期間で英検対策をしたい方
- 英検にチャレンジしたいが、自信がない方
- 英検の過去問を解いてみて、難しいと感じている方
- 英検に合格できずに悩んでいる方
- 英検の面接対策何をしたらいいのかわからない
- 音読、スピーキングに自信の無い人
- 面接対策の最終確認をしたい人
- 中学生で英検合格を目指している子
- 単語がなかなか覚えられない子
- 何から始めればいいかわからない子
- 二次面接対策をして本番に臨みたい
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- 面接合格基準を知って対策をしたい