英検は早く取れば取るほど得? 小中学生から考えておきたい「英検の取り方」
「中学生のうちに英検準2級を取ろう!」
「できれば2級まで取っておこう!」
最近は、こうした目標を掲げる中学校やご家庭も珍しくありません。
高校入試では、英検などの外部英語資格を入試で活用できるケースがあるためです。
例えば大阪府では、令和10年度以降の公立高校入試から、英検については2級で英語学力検査の70%、準1級・1級で90%に相当する点数保障が示されています。
そのため、
「中学校卒業までに英検2級を取っておけば、高校受験で有利になる」
という考え方には、確かに理由があります。
では、
「英検は早ければ早いほどいい」
のでしょうか?
実は、大学入試まで考えると、少し複雑です。
英検の資格そのものには「全国共通の2年期限」はない
まず、ここは誤解されやすいところです。
「大学入試で使える英検は2年以内に取得したものだけ」
という話を聞くことがあります。
しかし、これは英検そのものの全国共通ルールではありません。
英検協会は、英検の資格について、留学で利用する場合には合格証明書発行日から2年間という期限を設けていますが、留学以外であれば、取得した資格は半永久的としています。
つまり、
「英検2級を中学2年生で取ったら、高校3年生では絶対に使えない」
というルールがあるわけではありません。
問題になるのは、
大学ごと・入試方式ごとの利用条件です。
大学が「○年以内に取得したもの」「○年○月以降に取得したもの」と条件をつけている場合には、その条件に従わなければなりません。
実際、大学入試では、取得時期を問わない大学もあります。
例えば関西学院大学の2026年度入試の案内では、外国語資格について「取得時期は問いません」と明記されている入試があります。一方で、各検定試験に有効期限がある場合は、その期限内のものに限るとしています。
一方、別の入試やプログラムでは、一定期間内に取得した資格だけを認める例もあります。
つまり、
「英検は○年間しか使えない」ではなく、
「その入試がどのような条件を設定しているかを確認する必要がある」
ということです。
では、早く英検2級を取ることに意味はある?
もちろんあります。
特に高校入試で英検を利用できる地域・高校を受験する場合、早く取得しておくことで、中3になってから英検対策ばかりに時間を取られず、受験勉強に集中できるというメリットがあります。
例えば、
中1 英検3級
↓
中2 英検準2級
↓
中3 英検2級
というように、学校の進度より少し先を学習していくことは、英語力を伸ばす一つの方法です。
そして、早い段階で2級まで取れれば、
「高校受験で英語資格を利用する」
という選択肢も持てます。
ここまでは、とても合理的です。
ところが「大学受験」になると話が変わってくる
問題はその先です。
例えば、
中2で英検2級に合格した。
その後、英語力が順調に伸びて、
高校生になって準1級、1級を目指す。
これなら、とても理想的です。
ところが、すべての子がそうなるとは限りません。
例えば、
中2 英検2級合格
↓
高校では数学・国語・理科・社会などの受験勉強が忙しくなる
↓
「準1級まで勉強する時間がない」
↓
大学受験では「英検2級を利用できるなら使いたい」
という状況になったとします。
このとき、志望大学・入試方式が
「2級を取得した時期は問わない」
のであれば、そのまま中2で取得した2級を利用できる可能性があります。
しかし、
「○年以内に取得したもの」
「○年○月以降に取得したもの」
などの条件が設定されていれば、古い2級が使えない可能性があります。
その場合には、
すでに合格している2級を、もう一度受験する
というケースも考えられます。
これは「2級の実力がないから受け直す」のではありません。
大学入試で利用できる条件を満たすために、取得時期を新しくする
という意味です。
「同じ2級をもう一度受ける」は本当にできる?
できます。
英検は、一度2級に合格したからといって、二度と2級を受験できないという制度ではありません。英検の受験案内にも、同一検定回に同一級を2回受験する「重願受験」の案内があります。
ですから、
「すでに2級を持っているけれど、もう一度2級を受ける」
こと自体は可能です。
ただし、
「将来大学入試で使うために、わざわざ同じ級を取り直す」ことが最初から分かっているなら、時間や受験料を考えると少しもったいないですよね。
では、どうすれば無駄が少ない?
ここで大切なのは、
「何歳で何級」という数字だけを目標にしないこと
だと思います。
例えば、
小学生~中学生
英検を利用できる高校を受験する予定があるなら、
高校入試で必要になる級を一つの目安にする。
↓
高校生
2級を取ったら、
「2級を取ったから英語は終了」ではなく、その先の英語力を伸ばしていく。
↓
大学受験が近づいたら、
志望大学・学部・入試方式を確認する。
↓
その大学で、
何級が必要なのか
CSEスコアはいくつ必要なのか
取得時期の条件はあるのか
英検以外の資格でもよいのか
そもそも英語外部検定を使うメリットがあるのか
を確認する。
これが一番無駄が少ない方法だと思います。
「早く2級を取る」ことと「早く英語を終わらせる」ことは違う
ここは、ぜひ小中学生の保護者の方に知っておいてほしいところです。
中学生で英検2級を取れたら、とても素晴らしいことです。
でも、
「2級を取ったから、もう英語は十分」
ではありません。
むしろ、
「中学生で2級まで到達できたなら、高校ではその先の英語力を育てられる」
と考えてほしいと思います。
英検には級だけでなくCSEスコアもあります。
例えば英検2級に合格した人でも、CSEスコアには差があります。「2級合格」という同じ資格でも、4技能の力には違いがあります。英検には2級合格かつ4技能合計CSEスコア2150以上の「2級A」という区分もあります。
ですから、
「2級に合格した!」
で終わるのではなく、
「読む力はどうかな?」
「聞く力は?」
「話す力は?」
「英作文は?」
と、その先の英語力を育てていくことが大切です。
英検は「資格取得のゲーム」にならないように
小学生や中学生のうちから英検を受けることには、たくさんのメリットがあります。
目標ができる。
学習のペースを作れる。
合格という成功体験を得られる。
高校入試で活用できる可能性がある。
そして何より、早くから英語に触れるきっかけになります。
一方で、
「とにかく早く2級!」
だけが目的になると、
「合格したら次の級」
「また次の級」
と、資格そのものを集めることが目的になってしまうことがあります。
英検協会自身も、大学入試で英検を利用する場合には、大学・学部ごとに求める級やスコアを確認するよう案内しています。
大切なのは、
英検を取ることではなく、英検を利用しながら英語そのものを伸ばすこと。
そして、
「今の子どもにとって、この時期にこの級を取ることにどんな意味があるのか?」
を考えることではないでしょうか。
小中学生の英検は「高校入試」を、高校生になったら「大学入試」を見る
小学生や中学生の段階で、10年先の大学入試制度を完全に予測することはできません。
大学入試制度も変わります。
大学ごとの募集要項も変わります。
だからこそ、
「中学生のうちに英検2級を取る」こと自体を悪いことにする必要はありません。
むしろ高校入試で活用できるなら、十分価値があります。
ただし、
「早く取れば、将来も必ずそのまま使える」
とも限りません。
そこでおすすめしたいのは、
小学生~中学生
英語力を伸ばしながら、高校入試で活用できる級を目指す
高校生
英検2級を持っていることをゴールにせず、準1級・1級も含めて自分の英語力を伸ばす
高校2~3年生
志望大学・学部・入試方式が決まったら、英検の級・CSEスコア・取得時期の条件を確認する
という考え方です。
そして、もし大学入試で「英検2級が使える」と分かっているなら、
「中学で取った2級がそのまま使えるのか?」
を必ずその大学の最新の募集要項で確認する。
これだけでも、
「せっかく中学生で2級を取ったのに、大学受験のためにもう一度2級を受ける」
という可能性を減らせます。
まとめ
英検は、
早く取れば取るほどいい
でも、
遅く取ったほうがいい
でもありません。
大切なのは、
「その時期に英検を取る目的は何なのか」
を考えること。
高校入試で使うためなのか。
英語学習の目標としてなのか。
大学入試で使うためなのか。
そして、大学入試で使う場合には、その大学・学部・入試方式が定める取得時期やスコアの条件を確認すること。
英検は「何級を持っているか」だけを見るのではなく、
英検を一つの目標にしながら、子どもの英語力そのものを右肩上がりに伸ばしていく。
それが、結果的に一番無駄の少ない英検との付き合い方なのかなと感じています。
この先生のおすすめコース
- 英検5・4・3級の文法・単語・熟語を効率的に学習したい
- 過去問・予想問題集で雰囲気に慣れ一発合格を決めたい
- 小・中学生にも取り組みやすい、易しい説明で学びたい
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
英検におすすめの指導コース
- 英検1級2次試験にパスしたい高校生
- 英検1級2次試験にパスしたい大学生
- 英検1級2次試験にパスしたい大人の方
- 英検にチャレンジしたいが、自信がない方
- 英検の過去問を解いてみて、難しいと感じている方
- 英検に合格できずに悩んでいる方
- 英語で伸び悩んでいる方
- 英検に合格したい方
- 英検に詳しい先生をお探しの方
- 3級以上の英検対策で、リニューアル(e-mail、要約)に不安を感じている方
- 辛くて苦しい勉強ではなく、得点のポイントを押さえて、ゲーム感覚で楽しく効率的に学習したい方
- 苦手分野の不安を払しょくさせてくれて、目標級に最短で確実に合格させてくれる先生を探している方
- 連休中に何を勉強すればいいか分からない方
- 連休だとどうしても集中力が続かない方
- 自分の英作文を添削してほしい方