共通テスト直前チェック~その英文、本当に「読めている」?
クリスマスから年末年始へと、世間が慌ただしくなる季節だが、受験生は「それどころではない」日々を送っているこの時期。
特に共通テストを受ける予定の受験生は、文字通り「最後の追い込み」の段階にいます。
この時期になると、知識の積み上げやスキルの向上で得点アップを狙うのはもはや困難です。ここまでに築いてきたものを本番でしっかり確実に発揮するためのトレーニング的な取り組みが中心になります。
過去問や問題集を解いて「問題慣れ」を図っていくのが一般的なやり方だが、これも方法次第で効果的にもムダにもなり得りえます。
この時期に「ムダな努力」をしてしまうほどバカバカしいことはありません。
なので今日は、英語のリーディングについて、直前期だからこそしっかりとやったおくべき対策をひとつ紹介しましょう。
そもそも「読解問題」とは?
共通テスト英語の「リーディング」はすべてがいわゆる「読解問題」です。
読解問題に正答するためにまず第一に必要なのが、課題文・設問・選択肢の英文を読んで理解することであるのは言うまでもありません。
しかし、そもそもこの「英文を読んで理解する」という行為の意味をきちんと理解していない受験生が少なからずいます(というか、この意味を本当の意味でしっかりと理解している受験生はきわめて少ないのが現実です)。
「英文を読んで理解する」ことの意味を正しく理解できていない受験生は、あいまいな文法・語彙の知識で「なんとなく」英文を読み、その中途半端な理解では足りない部分を「思い込み」で補って辻褄を合わせてしまいます。
残念ながら、受験生は全員多かれ少なかれこういう読み方に陥ってしまう傾向があります。
しかし、基本的な部分の知識やスキルを一定以上のレベルまで積み上げてきた受験生であればいざ知らず、そこが不十分な受験生がこの読み方にハマってしまうと、どうやっても高得点は望めない。平均点に届くかどうかも怪しい、という事態になります。
読解問題の「根本対策」
この時期、リーディング問題への対策として1度やるべきなのが、「問題の英文を(設問・選択肢を含めて)120%理解できるところまでみっちりと読み込む」学習。
英文を100%理解するのは当然のこととして、「その英文がなぜそういう意味に解釈できるのか、説明できるようにする」のが残りの20%です。
ともかく「英文が示している意味をとことんまで理解する」ことが目的なので、辞書・参考書は存分に使ってかまいません。
1問だけでもOKです。特に「自分が苦手としているタイプの問題」ので、これをぜひやってください。
英文と、そこに書かれている「意味」との間を、確実な根拠を使って完全に埋めていきます。
根拠を基にきっちりとした読解をすることで、英文の「見え方」がずいぶんと変わってきます。
英文の各部分(カタマリ)がそれぞれどのような仕組みで構成されているのか。
その各カタマリが相互にどのような関係になっているのか。
それらの仕組みや関係によって、どのような意味が表されているのか。
これをひとつひとつ、徹底的に丁寧に読み解いていくと、英語というのがどういう構成で意味を形作っていくのか、その本質がおぼろげながら見えてくるはずです。
この対策による「効果」は?
こういう「英語の本質」を曲がりなりにも「感じとれる」と、英文理解の「解像度」が格段に上がります。
そうすると、設問への回答にあたって課題文のどこを読めばいいかといったことも見えやすくなってきて、ムダに課題文をあちこち読む必要が少なくなります。
最後にもう一度、言っておきます。
「読解問題」は、「書かれていることをどれだけ正確に読み取るか」が最重要の基本事項です。
ここをしっかりとやるのが、得点アップへの最短ルートになります。
まだ間に合います。
まずはこの「基本中の基本」を見直して徹底していきましょう。